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1 悪夢の始まり
気がつくと、私は見知らぬ場所に転がされていた。
暗くて、床が冷たくて、寒い。窓があるのかほんのりと上のほうから光が差し込んでいる。
起き上がろうとして、私は後ろ手で縛られているのに気がついた。かなりきつく縛られているようで、全く動かせない。
目が慣れてきて周りを見回すと、ここは倉庫らしい。段ボール箱やロープや、何かの機械だとかが埃をかぶっている。
ガチャリ。
ドアが開き、何人か入ってきた。全員男だ。分かったのは、全員上半身裸だったから。女ならそんなことはまずしない。
私は本能的に恐怖を感じ、思わず後ずさった。
「なかなかいい女じゃねえか。オハラ、よく見つけたな」
「ああ。なかなかだろう、ミヤザキ」
「お前にしちゃあ上出来だ。オオクボ、ナガヤマ、お前らもそう思わないか」
「そうだな」
「オハラすげえな。おっ、トノサキ、お前やりたそうだな」
「ああ、こいつみたいなのは滅多にいない。最初にやらせろ」
私は分かってしまった。
この男たちは、私を暴行目的でここに連れてきたのだ。
私は恐怖の中、記憶を辿った。