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6、幸せへの道

拓也にさよならを告げた次の日。

「愛、ちょっといい?」

「舞…」

舞は相変わらずさっぱりしてるよね。

真っ正面から私に向かってくる。

愛にとってうらやましい事のひとつだった。

「今日、拓也のお見舞いにいっしょに行かない?

私はきちんと拓也に選ばれてみせる。」

「ごめん…舞

私は行けない。」

何かを言おうとする舞を無視して自分の部屋にこもる。

コンッコンッ

「愛、どうして?」

「私には行く権利がないから…」

「だったらいいよ

今のうちに拓也を私のものにするまでよ

後で後悔しても遅いんだからね。」

後悔?

そんな事とっくにしてる。

事故の事も、もちろん

舞に譲るような事を言ったことも

全部後悔してるよ

でも仕方ないじゃん

私は…

ずっと拓也の事を考えているとふいに涙が出てきた。

わかってる、たとえ舞と拓也が付き合うことになっても命があるだけで喜ばなくてはならない。

でも私は拓也がほしい

私の全てをかけても拓也がほしい

舞には譲りたくない


お見舞いから帰ってきた舞は変だ

何かを考えてる顔をしている。

「ねぇ舞、何があったの?

お見舞いから帰ってきてから様子がおかしいよ。」

舞は下を向いたままボソボソと話す

「…てなかったの」

「へ?

何て言ったの?

きこえなかった

もう一回言って!」

いきなり立ち上がった舞は愛を壁に押し付けられる。

「覚えてなかったの!

私の事

誰かわからないの

家族の事も全て覚えてるのにどうして私だけ…」

記憶喪失

舞だけ?

それとも私も?

会わないと決めたのに、これだけは確かめたい

そう思った愛はコソッと家を出た。

拓也の病室の階につく。

506…

あと5室

あと4室

あと…

その時、廊下の向こうから車イスの人がやってくる。

拓也…

目があった瞬間拓也が笑顔になる。

「姉貴!」

えっ

私の後ろで手をふっている女性

「拓也、心配したぞ」

「わりぃ」

やってきたお姉さんと話をしていて私の事など全くみていない。

「拓也…」

独り言のように呟いたひと言でお姉さんが振り返る。

「あら、拓也の知り合い?」

再び拓也と目が合う

お願い…

覚えてて

「知らねぇよ

他の人の見舞いだろ」

愛の願いは儚く散った。

泣きながら帰った道

バカだなぁ私

舞を忘れて私だけ覚えてる訳なんてないよね

しょせん私は舞のかわりだっんだもん

でも丁度いいや

これで忘れられる


拓也と別れて半年がたった。

きいた話ではもう退院したときく

あの日を境に一度も会ってない私には関係ないけど…

ヤバッ

遅刻する

がむしゃらに走り続ける愛に前をみてる余裕はない

その時、

ドンッ

「きゃっ」

誰かとぶつかっちゃった

「やべっ

大丈夫か?

前みてなくて

わりぃ」

この声

まさか

顔をあげた私を見ているのは拓也だった

「大丈夫です

私こそごめんなさい」

すばやく立ち去ろうとした時、

「イタッ」

いきなり拓也がしゃがみこむ

「えっ

拓也!」

頭を抱えながら苦しんでいる拓也

「しっかりして拓也!」

「前にもこんな事があった気がする」

いきなりの言葉に愛は驚きを隠せない

まさか

あの時の事覚えてるの?

「中学の時、誰かとぶつかってまた会いたくて探しまわったんだ

友達にもききまわって、やっとみつけた人が舞だった」

「ちがうよ!

あの時の女の子は私だよ」

「イタッ

…愛なのか?」

ささやかれた名前をきいて涙がながれる

「そうだよ

思い出した?」

「あぁ

愛は俺の理想だった

舞じゃなくても付き合っていたのは、愛自身に惚れたからだよ

忘れててごめん」

「拓也!」

思い出した拓也に愛は勢いよく飛び込んだ

1つの三日月が満月になった瞬間だった。

2人はまわりの人目を気にせずいつまでも抱き合っていた


〜終〜


今回はすごく短いラブストーリーです

誰かと取り合うとか自分は絶対したくないですけどそんなときだからこその、気持ちが伝わればうれしいです

次も恋愛をかこうかなとは思ってますがまだきちんとは決まってないので

こんな話をかいてほしいとかあれば是非言って下さい

最後まで読んでくれた方には心から感謝です

また、会えたらいいですね

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