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4、脱ぎ捨てた殻

拓也と過ごす毎日は全てが楽しくてあっという間に一ヶ月になる。

日曜日は一ヶ月記念に拓也と遊園地に行く予定だ。

だから今日は雅と服を買いに着ている。

「これなんてどう?

めっちゃかわいいよ。」

白くてフリルのチュニック。

愛が着ていても舞は着ない

「もうちょっとクールなイメージがいいかな。」

「何言ってんの

愛はかわいい服のほうが似合うよ。」

そんな事はわかってる。

拓也とのデートの前に鏡の前にたった自分は舞そのもので愛の面影はなくなる。

「う〜ん、どうしよ…」

「あっこれはどう?」

次に差し出されたのは黒のチュニック。

かわいいけどどこか大人っぽくて舞でも着ていそうな服。

「いいかも。

すごくかわいいし。」

雅のおかげで服はあっという間にきまり、カフェでお茶をしてかえる。

「ねぇ愛、今幸せ?」

「えっ」

「自分の事をみてない人と付き合って幸せ?

愛は愛で他の誰でもないんだよ。」

「し、幸せだよ。

私は拓也といれたらそれだけで幸せだもん。」

勢いでカフェから飛び出した愛。

カフェからは雅が心配そうにみつめている

その時、携帯にメールがはいる。

〜辛かったら、いつでも頼ってよ。

うちらはダチなんだからね〜

いきなり飛び出した愛への雅の優しさは涙が出そうなくらい嬉しかった。


一ヶ月記念日デート当日

「おーい、こっちこっち。」

離れた所から声をあげ手をふる姿がみえる。

愛は急いで走り出す。

そんな姿を拓也は笑っている。

「一ヶ月たってもかわらないな。」

「ほんとだね」

微笑みあう二人。

幸せだよ。

拓也が舞を愛していても今の笑顔は私に向けられているんだもん。

2人ですごす時間は短く感じてすぐに夕方になる。

遊園地を出て海岸ぞいの砂浜に腰をおろす。

「なぁ舞」

「なぁに?」

「もう、教えてくれよ。

お前は誰なんだ?」

急に言われた言葉を理解するまでしばらく時間がかかった。

「えっ」

バレてる…

でもいつから…

「付き合いはじめて毎日いっしょにいて、気づかないわけないだろ。」

腕をつかみ離さない拓也。

もう、何もかも話すしか道はないんだね。

「私は舞の双子の妹、愛。

今まで騙してごめんね。

でもずっと好きだった。

この気持ちは本物だから。

バイバイ。

舞と幸せになってね。」

心からの笑顔を向ける。

好きなひとにうつる私は笑顔でありたい。

愛は家に向かって走り出した。

夢はいつかはさめる。

でも幸せを知ってしまった今、それほどつらいものはない。

嘘なんてつかなければよかった。

そうすれば悲しい思いはしなかった。

でも幸せも知ることが出来なかった。

頭の中でよみがえる拓也との思い出。

いつでも笑っている私の笑顔

楽しそうな拓也。

拓也との事を考えながら懸命に走っていた愛にはきこえなかった。

心から叫ぶ拓也の声が

「愛!」

この時、とまっていたら私達の運命はかわったかな?

愛が通り過ぎた場所で響き渡る車のクラクション

愛には全てがきこえなかった…


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