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98/306

98、転生したらヒャッハーだった件2



半魚人は口からブクブクと泡を吐いて、まっしろになっていた、

 他にもう一人いる。

 金髪で髪の長い女は、俺の方に土下座していた。

 死んで折れと同じく、ここに飛ばされて来てたか。

 裏切り者め。

 セーラが裏切りさえしなければ、俺が二度も死ぬ事は無かった。


「吾輩の、吾輩の計画がぁ」

「ゴメンナサイゴメンナサイ。私が油断したばっかりに」

「………………」


 正直腹立たしくて、しかたない。

 何よりも半魚人に改造される前の俺ならば、決して遅れは取らなかっただろう事が腹立たしい。

 巨大化ドラゴンゾンビ化できていれば、ヒャッハーに負けてたとは思わない。

 変幻スキルがあれば、最低でもゴッキー化してでも逃げ切れたはずだ。

 

 半魚人に改造されて、リスクを減らした結果が、この有様である。

 アキリアの狂ったスキルこそが、今回に限っては正義だった。

 それすら腹立たしい。

 

 おまけに俺の獲物であるセーラを横取りされて、食べられてしまった。ゆるせない。

 竜は強きもので、約束を守る生き物だ。セーラとの約束をはたせなかった。

 それだけでなく獲物を横取りされた。

 腹がたつ。


 弱肉強食の強き生物にとって、獲物を横取りされるとは、超強力な宣戦布告のサインだ。

 野生動物は、自分よりも強きモノの獲物は決して横取りしない。

 獲物を横取りされるということは、存在を否定される事と同意であり。縄張りを奪われることでもある。


 獲物を取られたら、取った相手を殺すか、重症をおわせなければならない。

 でなければ自らが格下であり、縄張りから出ていかなくてはならない。


 つまり、今回は竜である俺は格下であると、ベロ舐めされたのだ。

 感情的にも理性でも、

 ヒャッハーをこのまま生かしておくわけにはいかない。


「ヒャッハーの野郎。ぶっ殺してやる」

「無理である。吾輩が長年蓄え計画した力を、丸々取られたのである。汝の加護もセーラの加護も取られたのである」

「ヒャッハーはお前の使徒になったのか?」

「なってないから、最悪である。吾輩の使徒化してれば、吾輩大喜びであるからして」


 何だ、そうか。力だけ取られたのか。


「ヒャッハーは誰の使徒だ?」

「誰の使徒でもない、ただの野良転生者である。誰かが遊びで適当なスキル持たせて、苦しむのを見て楽しむ為に作られた転生者である」

「………」

「………」

「アキリア最低だな」

「アキリア最低である」


 いや、ヒャッハー転生させたのがアキリアかは知らんが、アイツは、そういう事をやりそうだ。

 とういか、俺も似たような境遇だし。


「ヒャッハーは、どの程度強い?」

「汝を生き返らせたとしても、全力でブレス撃ち込んでも、もう、さして効かないくらいには」

「あ、あの〜」


 それまで土下座して黙っていたセーラが口をだす」


「何であるか?」

「当初の予定通りに、北の覇者に、けしかけては、いかがでしょうか?」

「なに?」

「海人様の福音スキルを渡した上で、使徒に勧誘してしまえば、結果的に、海人様の計画は生き返るのでは?噛み合わせれば、最悪でもヒャッハーか北の覇者。二人のうち、どちらかは消せますし」


 それは不味い。それではヒャッハーを殺せるチャンスが減る。北の覇者とやらにヒャッハーが、やられてしまっても困る。

 俺が奴を殺せない。

 それでは俺は負け犬のままだ。

 余計な提案をしたセーラの上に乱暴に座る。


「ふぎゃ」


 愉快な声を出してセーラが潰れる。

 セーラ椅子からセーラ座布団にランクダウンだ。

 気にせずセーラ座布団の上にあぐらをかいて座る。


「余計なことを言うな」


 吐き捨てるように言うと


「………はい」


 セーラはおとなしく従った。少しは反省しているようだ。

 だが


「いや、良いアイディアである。セーラ頭いいである。吾輩、竜よりも強くて、セーラよりも賢い使徒ゲットするである」


 何だと?

 半魚人は大喜びだ。


「早速コンタクトを取るである」


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