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94/306

94海神の使徒3



「おい。もう一度聞くぞ。使徒ってなんだい?そんなに簡単に使い潰せるものかな?」

「北や南の覇者も似たような事言って、吾輩に反旗を翻したのである。故に、適度に始末しないと、手に負えなくなるのが使徒である」


 それは自業自得じゃないかな?

 俺もそのうち反旗を翻すぞ。


「お、お前と言う奴は、ん?北や南って、そいつ等も使徒だったの?」

「アキリアと殴り合いしたときに、吾輩の流れた血から力を得て、新たに産まれた三人の使徒が、今の海の覇者達である」

「なあ………それってアキリアの血も入ってるんじゃ」


 アキリアと半魚人の血が混ざって産まれたとしたら?忠誠心とか皆無だろうな〜。


「あ………アキリア最低である。あり得るのである。アキリアの血が一滴でも混じってれば、当然性格最低、裏切り者の使徒になるのである」


 半魚人は青色顔が赤くなってプンプン怒り始めた。


「セーラも吾輩に逆らって、計画参加を拒否したのである。セーラと、つがわせるために用意した使徒も、セーラが計画参加を拒否したら浦切ったである。使徒は裏切り者ばかりである」


 それはお前に人望と言うか、半魚人望?

 カリスマが無いのでは?


「セーラも裏切ったのか?」

「厳密には裏切って無いけど、言う事を聞かないのである。我輩がセーラの言う事を聞くのである。そういえば…………何でであろうか?」


 そう言って。半魚人は?と首を傾げた。

 いや、なんでって。


「お前が馬鹿だからじゃないか?」

「吾輩賢いである」

「そうか?」


 馬鹿っぽいが。まぁ見た目が、怒ってなければ、ファンシーな鮫の頭だから、そう見えるだけなのかも知れないが。


「セーラ。吾輩よりも賢いであるからして、セーラの言う事聞くと、いい事がおこるのである。でも面倒くさいし、騙されるから、セーラと話すの嫌いである」

「セーラはお前の、脳みそか何かで作ったのか?」


 血肉でなく、脳味噌とかで使徒化したのであれば、セーラの頭良い説明はつく。


「違うのである。吾輩の力が濃く染み込んだ、海に生息する蟹から取った蟹味噌を与え続けたのである。セーラは母胎か生贄候補故に、血が濃くなりすぎるのを避けるため、直接血肉を与えるわけにはいかなかったのである。インブリードくらいを狙ったのである」


 インブリードが何かは知らんけど、血統とかだな、多分。


「セーラの扱い、可愛そうじゃ無いか?」

「汝はセーラが産んだ卵に精をかけるか、セーラ食べる候補故に、吾輩の精をふりかけて、汝の魂に練り込んだである」


 ………………………精ってなんだ?

 精子か?

 もしかしなくても。


「ちょっとまてや。セーラよりも俺のほうが、無茶苦茶可愛そうじゃね〜か。何してくれてんだ」


 え、何それ?何それ?ありえね〜。

 ………俺は、いったい何をされたんだ?

 最悪だぞ。

 コイツありえね〜。


「神の精を分け与えられるのは名誉である。古より多くの種族が神と交わり、半神を産んだのである」

「それは、性別が男女の場合だろ?男が男神の精を与えられた話とか、俺は聞いたことはないぞ」

「あ………………」

「あ………じゃねえよ」


 駄目だコイツ。

 あんまり頭が良くないわ。

 ちゅ〜か馬鹿だ。馬鹿。大馬鹿だ。


「白子を食べた様なものと、割り切ればいいのである」

「いや、白子って、それはそうかもだけど………割り切れるか?」

「………ハウワ」


 半魚人の目がまん丸になって、全身の鮮やかな青色が、みるみる白っぽくなっていく。


「どうした?」

「アキリアのペットに白子食べられたと思ったら、最悪の気分である。嫌なのである」

「俺だって嫌だわ。俺のほうが嫌だわ」


 リアルに半魚人の自爆スキルじゃないか?

 まるで?

 半魚人も俺も大ダメージだ。


「セーラの作戦、最悪である。セーラの罠である。セーラが吾輩を裏切ったのである」


 半魚人がジタバタ暴れ始めた。

 この調子で勘違いして、過去に使徒と喧嘩始めたとかありそうだ。

 

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