↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドラゴンの卵に転生したら、目玉焼きにされてドラゴンゾンビになった  作者: 金銅才狸


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

86/328

86ドラゴンブレス14



 300mほど先から、セーラがしずしずと、ゆっくり近づいてくる。その後ろには影のようにセルバンテスが、付き従う。

 ヒャッハーの他には、誰もセーラ達に向かっていかない。

 俺がヒャッハーをぶっ飛ばしたからかと思ったが、

 勘違いしていた事に気がついた。


「は、離すさ。早くここから逃げなきゃ」


 ジタバタと、今までにない程に暴れるカルナ。

 何だ?

 何をそんなに………

 あ、あれ?

 何だこれ?上手く体が動かなかった。

 徐々に体が重くなっていくかのような感覚。


「姉さんが怒ってる。逃げなきゃ、逃げなきゃ」

「セーラ?あ、あれ?なにあれ?」

 

 セーラがコチラに近づくにしたがって、誰もセーラに襲いかかっていかない理由、それが当然な事に気がついた。

 一見して、セーラは、にこやかに笑っている美女だ。

 が

 目が笑っていない。

 セーラの両目は黒く暗く、まるで深い洞穴のような様相をしていた。見ているだけで全てを吸い込むような。

 まるで、その目は、

 この世全てからズレてるかのような異質感覚。

 視線を合わせるだけで呪われそうな凶相。

 カエルが蛇に睨まれているかのような感覚。


 ヒャッハーの奴、よくあんなのに突っ込んだな。ヒャッハーの奴メンタルも、ぶっ壊れてんだな。

 しかし今は、ヒャッハーよりも何よりも、

 セーラの視線は真っ直ぐこっちの方を見ている。

 ただそれだけで、こちらの動きが重くなる。


「何あれ、怖エエエエ」

「だから言ったさ。早くブレス撃ち込むさ。早く早く」

「嫌だ。あんなのに撃てるか、怖えよ」


 あんな目をした人間に、怨みでも買おうものなら、何をされるかわかったもんじゃない。

 魂までも呪われかねない。


「アンタがブレス撃ち込んで、アンタに姉さんの気が向けば、あたしが逃げられる可能性がふえるさ」

「ふっざけんなよ。お前」

「アンタが悪いんだから責任取るさ」


 なんだ?あれ?

 セーラってあんな奴だったの?

 セーラの後ろを歩いてくるセルバンテスが、まるで子犬のように感じられるほど、そんな巨大な存在感をセーラは周囲に振りまいていた。

 その場にいる誰もが動けず、ただセーラの一挙手一投足を見守っている。

 いや、ただ一人。


「待つのじゃあ」

 

 巨大化した上腕二頭筋が、異常事態に気が付き、城塞都市の門から離れ、セーラとセルバンテスへと向かう。

 だが

 クルンと不自然にセーラの首が上腕二頭筋の方に向いたと思った瞬間。

 上腕二頭筋の動きが止まる。


「な、なんじぁ…………ぁぁぁぁ」


 見る間にみるみると、上腕二頭筋の筋肉が萎んでいく。

 上腕二頭筋は変身前のサイズへ戻った。

 上腕二頭筋は、萎んだ自分の筋肉をみつめて、茫然自失の体でその場に立ち尽くす。


「い、今のうちににげるさ。姉さんの気がそれてる。今なら逃げられるさ」

「え、あ、ああ」

 

 余りの異常事態に、俺は考えがまとまらない。

 俺やカルナが、まごまごしている間に、


 セーラは上腕二頭筋が動かなくなったのを、その様子を見届けて、再びセーラは視線をコチラに戻す。

 俺の視力の良い目は、セーラの口が小さく

 

「貴方は逃しませんよ」


 っとつぶやいているのを見た。


「いや、怖い怖い怖い。何あいつ、あんなに怖かった?」

「何言ってんのさ?姉さんは、はじめから怖いさ。当たり前の事を何を今更?」

「いや、前あったときは普通に良い子だったから」

「それは、きっと呪いで弱ってたからさ。姉さんは基本めっちゃ怖い人さ」


 俺の視力の良い目はみた。

 セーラの口が


「あら?あらあらあら、悲しいわカルナ。私の事をそんなふうに悪く言うなんて、お仕置きが………」


 と動くのを。


「セーラに聞こえてるぞ」

「え?なんでさ」

「カルナにお仕置きが、どうとか言ってるぞ」

「わあああ」


 カルナはブクブクと口から泡をふいた。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。