67アキリアとの再会8
筋肉に理不尽な理由で責められる俺。
世界征服でもして、この世を筋肉で埋め尽くすとか、
そんな事をこの教団の連中は計画してるのだろうか?
「それで上腕二頭筋。何を騒いでいたのだ?』
「おお大胸筋それだ。新指導者が酷いんじゃ」
「ぬう。一体何があった?」
「新指導者は、レベル200を超える魔物を倒せる力を持ちながら、世界を我がマ、ソウル教団で埋め尽くすのに反対するのじゃ」
「いや、世界中そんなんなったらこの世は地獄だろ」
『いいや新指導者。世界は天国になるのじゃ」
「馬鹿もん。歯を食いしばれ上腕二頭筋」
「ぶわ」
バチコーンと上腕二頭筋は大胸筋にビンタされた。
「ええい。情けない」
「何がじゃ?何故ビンタされたのじゃ」
「何故、新指導者の考えがわからんのだ?」
「何だと?」
俺の考えってなんだ?
大胸筋?
「上腕二頭筋。お前の手に持っている物はなんだ?」
「良いだろ。新商品のプロテインじゃあ」
「買い占めてきたのか?」
「うむ」
「ただでさえ品薄のプロテイン」
「そうだ新商品は特に貴重じゃ。やらんぞ」
「このまま我等教団員が急増したらどうなる?」
ん?むさ苦しい筋肉増える以外になんかあるかな?
「は、………戦争じゃあ」
「おい。ちよっとまてお前等。何でそうなる?」
「増えた団員による。不足したプロテインを巡って、第二次プロテイン戦争の幕開けじゃあ」
「教団員が同士討ちをする、あの惨劇を繰り返す気か?」
「そうじゃった」
「団員を一気に増やすのは諸刃の剣なんだ」
………なに?こいつ等プロテイン巡って戦争したの?
第二次って、一回戦争したの?
阿呆なの?
脳筋って怖いわ。
「そ、そうか。だからチアゴ商会」
「気がついたか上腕二頭筋」
「それで、新指導者はチアゴ商会をまずおさえると」
なんのこっちゃ?
ん?脳筋の考える事がわからない。
俺って脳筋よりも頭悪い?
「そう。新指導者は、まずプロテインを増産する気なのだ」
「チアゴ商会に出した手紙にはそんな事が」
「うむ。きっとそうだ」
「儂は届けるのに失敗してしまったのじゃ」
「そんな計画してないし、手紙の内容も違うぞ」
「儂はどうやって詫びればいいのじゃ」
「人の話を聞けよ」
こいつ等自分の都合が悪い事は、耳に入らないのか?
人の話を聞いてくれ。
宗教って怖いわ。
「上腕二頭筋よ。お主の計画には、もう一つ穴があるぞ」
「なんじゃと?」
「お主、まさか筋肉の力に任せて世界を取る気と?」
「力。力こそ筋肉じゃ。その為の新指導者」
「我等の筋肉はマ、ソウルを宿すのを忘れたか?」
「!!!」
「我等の筋肉は力ずくで人を従える物にあらず」
「!!!!!!」
何か大胸筋が熱く諭すように力説する。
いい事いってるよ。
「人を魅了し、従わせるために我等筋肉を作るモノ」
「そ、そうじゃった」
「先代の筋肉美に魅せられ、我等この道に足を踏み入れた」
「先代の筋肉の力でなく魅力に従ったのじゃ」
そんな過去が。
それって先代指導者女の色香に惑わされたんじゃないのか?
「筋肉による、力ずくでの世界征服など言語道断。それは間違った、邪悪なマ、ソウルの道だ」
「そうか、我等の正しい、筋肉の魅力で世界を取るのじゃ」
「そう。正しきマ、ソウル。そのための新指導者だ」
「おい。待てお前等。俺を何だと思ってる?」
だがやはり俺の言葉を聞いちゃいね〜。
「おおう儂が間違ってた。殴ってくれ」
「わかればいいのだ。ごっつい奴よ」
「新指導者のもとで、共に世界に挑むのだ」
駄目だ。こいつ等。
………思ったよりも、壮大な野望と哲学を持っているのかもしれないが。
筋肉を鍛えて世界を変えるだ?
脳筋は正直突っ込みどころ多すぎて、理解に苦しむ。
とりあえず人の話を聞かない奴に、
世界はとれないと思うが、この調子なら他人に迷惑をかける心配も少なそうだった。
脳筋共が力ずくで世界征服に乗り出して、俺が指名手配されたりしたら、目も当てられない。
その心配はしなくて良さそうだった。




