56凶刃
第三王子の陣営は混乱している。
「王子。私達近衛よりも竜優先とはどういう事です?」
「王族ともあろうものが、配下をないがしろにするとは」
しかし王子には馬耳東風。
近衛や秘書のほうを見もしない。
「僕の配下の二人が、僕に黙って、ドラドラちゃんとの秘密を持つとは、どういう事だ?」
「すいません王子。話せません」
「すいません。すいません」
「ミギャミギャ」
おかわりだ。おかわりを、要求する。
皿を持って、料理人とメイドに差し出す俺。
王子よりもコッチを優先しろ。
「ああ、待ってくださいドラゴン様。今すぐ」
「まて、こっちが先だ」
「お、王子」
「王子。我々近衛の立場を少しは」
「ミギャミギャ」
カオスな状況の中、部屋の壊れた扉から、
見知らぬ老人と近衛副団長がやってきた。
「ほ、ほ、ほ。相変わらず王子は騒がしいですな〜」
「む、爺や。戻ってきたか」
「ええ。近衛と共に魔人を仕留める絶好の機会を逃してしまいましたが」
「爺やと言えど。そう簡単に仕留める事が出来るなら………」
「奴は魔人などと呼ばれはしませんな。は、は、は」
「ミギャミギャ」
そんな事よりもおかわりだ。
エンペラークジラ肉を要求する。
皿を持って騒ぐ俺の前に、爺やと呼ばれた老人がたつ。
「こんな小さな竜に首狩り騎士が討たれるとは」
「ミ?」
老人はじ〜とコチラを見ている。
瞬間老人の足が動いた。
おそらく俺は蹴られて吹き飛ぶ。
壁まで吹き飛ばされ壁に叩きつけられた。
早い。
首狩り騎士といい、
コイツといい何故こんなに早い?
何故けられた?
全然痛くはないが、頭にきた。
「ミギャミギャミギャ」
俺は第三王子の後ろに回り込み、王子に猛抗議する。
おのれ。
王子の手によって始末してくれる。
虎の威をかる狐。ならぬ王子の威をかる竜だ。
「爺や、僕の竜に何をする」
「王子。首狩り騎士を倒した程の竜。ぜひ手合わせを」
「却下」
「王子。我が宿敵の敵なのです」
「宿敵の敵ってなんだ?竜に感謝しないか?」
「私の手で始末したかったのです」
「アギャアギャ」
第三王子のズボンを引っ張り凶刃を指差す。
なんというか、抹殺せよ。って感じだ。
この竜狂いの王子なら、ワンチャンスあるかもだ。
「爺やドラドラちゃんに謝るのだ」
「アギャアギャ」
「謝るのです」
「誤ったほうがいいです」
王子、俺だけでなく。料理人とメイドもそういう。
あ、料理人とメイドはここで本気で戦いだしたら、
ドラゴンゾンビになると心配してるな。
う〜む。
凶刃は素手だからな〜。
武器が無いなら脅威ではないな。
正直リトルドラゴンの鱗に人間の打撃は通らない。
それほど注意する必要ないな。
今の所だけど。
まぁ、奥の手あったら嫌だし。
必殺の第三王子召喚獣を使って始末してくれる。
きっと効果は抜群だ。




