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ドラゴンの卵に転生したら、目玉焼きにされてドラゴンゾンビになった  作者: 金銅才狸


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53超弩級戦艦広範囲絶対人間滅殺腐竜傲天


 超弩級戦艦広範囲絶対人間滅殺腐竜

 名前だけでも嫌になる。

 首を切られた竜の成れの果て。

 それを元に作られたドラゴンゾンビ。

 小さな家ほどは、あろうかというその巨体の存在感。


 いかに第三王子の部屋が大きくても、

 ラクラクと収まるサイズでは無い。

 横はともかく天井が低すぎる。

 四つん這いになってようやく身動きが取れる。


「ば、馬鹿な?ドラゴンゾンビだと」


 首切り騎士が慌てている。

 いきなり、ちび竜が巨大なドラゴンゾンビになれば、

 それはそんな反応になるだろう、が。

 どちらが馬鹿だ。


 竜を相手にすると言うのだ。

 何が起きても不思議ではあるまい?

 お前が相手にしたのはドラゴンだ。

 この世の神秘と理不尽の塊だ。


 ドラゴンに喧嘩を売ったのだ。

 むしろ、竜の切り札スキル。

 それを出会い頭に喰らわなかっただけでも、

 まだ幸運なほうだ。


「グルルル」

 

 威嚇の声を出す。

 首切り騎士は威嚇を気にせず突っ込んでくる。

 動揺を一瞬で噛み殺したか。

 やる。

 首切り騎士の攻撃は、

 速い。高速。神速。

 目にも止まらぬ速さで切り込んでくる。

 一撃。ニ撃。三撃。

 一瞬のうちに、いったいどれだけ切られたかわからない。

 が、


「ぐ、硬い。剣が抜けん」


 どれだけ早かろうと強かろうと、

 レベル差があろうと、

 サイズが違う。


 高々人間の質量で、

 ドラゴンの巨体に致命的なダメージをあたえる?

 剣で切り裂き、致命傷を負わせるのなど無茶苦茶だ。

 ましてドラゴンキラーも持たず、単騎で竜に挑むなど

 無謀というものだ。


 さらに俺の身体は名前からして、

 対人間特価のドラゴンゾンビだ。

 種族差。相性の差で、レベル差を跳ね返してくれる。


 彼奴がセルバンテスと同格ならば、

 レベル差は200近くあるだろう。

 が、この時点で恐れるに足りなかった。

 準備不足、情報不足で竜を狩ろうとしたのが、致命的だったな。


 俺に負ける恐れがあるとすれば、

 魂の劣化スキルによる時間切れだけだ。


 アキリアとのコンタクトが取れない今、

 制限時間はわからない。

 ここ最近の暴食で、余力はかなりあるはずだけども。


 ここは人間の多い王都。

 ゾンビの居ていい場所では無い。

 魂はガンガン削れていくはずだ。

 チンタラ時間を消費してはいられない。


 首切り騎士は知るまいが、

 勝ちたければ、持久戦。

 彼奴に勝機があるとすれば、

 戦いを長引かせるしかなかったのだ。


 俺からすれば、時間をかけてはいられない。

 なので、わざと攻撃を受け。

 相手の剣を自らの身体に、めり込ませ。

 動きの止まった。首切り騎士を今掴む。


『は、はなせ」

「ウガアアアアアアアアア」


 両手でしっかり掴んだ首切り騎士を、

 離すはずが無い。

 話す気も無い。

 竜を狩れると?

 たった一人で、

 ドラゴンキラーも持たずに?

 竜を狩れると思い上がった愚か者は

 ただただ餌になるといい。

 

 騎士を、そのまま噛み砕き飲み込んだ。

 味はしない。

 ドラゴンゾンビの味覚は、

 とっくに腐ってなくなっているようだ。

 どうせなら、死体は、 

 リトルドラゴン状態で食べればよかったと

 少し後悔した。


「変幻」


 そうしてリトルドラゴンの姿に戻った。

 ドラゴンゾンビの余命が、どれだけかわからない?

 少しでも正体を晒す時間は少ないほうがいい。


「ひぃぃ」


 む、悲鳴が聞こえた。

 敵か?

 伏兵?

 油断大敵。みがまえる。

 が

 見覚えあるメイドと料理人が

 部屋の隅っこで震えていた。

 無理もあるまい。

 常人がドラゴンゾンビなんぞ見た日には、

 漏らしても当然だろう。


 俺は、部屋を見渡した。

 短時間の戦闘で部屋はボロボロ。

 む、よだれかけ、ナプキン。ナイフとフォーク発見。

 リトルドラゴンの二本足でペタペタ歩く、


 俺の装備を拾いあげ、それを行儀よく身につけた。

 割れた皿を料理人に差し出す。

 魔物肉。おかわりだ。


「ミギャ」

「た、たべないで下さい」

「ミギャ」

「どうか許して」


 料理人に、

 料理のおかわりを持ってこさせるのに、

 とても時間がかった。

 首切り騎士を仕留めるよりも時間がかかった。

 手強かった。










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