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35/306

35戦争準備


 先代の魔女の話しは、聞けば聞くほど

 常軌を逸していた。

 そんな中


「チゴヤさま〜」

「どうした?」

「か、カルナお嬢様と第三王子が兵を率いて激突」

「な、何じゃと。退却命令は間に合わなかったか」

「カルナお嬢様は敗北して逃走しました」

「あのバカ娘。突撃して負けたか」


 仲悪いんだっけか?

 気持ちはわかる。


「第三王子は、そのまま兵を率いてこっちへ向かってます」

「くう。カルナを捕らえるつもりか」

「でしょうね」

「セルバンテス。兵を率いて、馬鹿王子を叩いてこい」

「しかし、私が動けばココは無防備になりますが」

「構わん」

「いや、しかし」

「魔女殿。ここの守りに加わってくれんか?」


 なるほど、魔女が守りに加われば鉄壁か?


「チゴヤの頼みは聞いてあげたいけど、無理ね」

「そこを何とか」

「ここに守るべきショタいないし」


 そんな理由?


「あとで用意いたしましょう」

「やりたいけど、駄目なの」

「なぜ?」

「セーラ嬢の件で、一度大沼のドラゴンに爪と牙届けなきゃ」

「後回しにはできぬのですか?」

「ドラゴンは約束に厳しいの。後回しは無理ね」

「ふむ。そうですか」

「それよりも飯はまだか?」


 空気を読んでないわけではない。

 食事次第では、ドラゴンゾンビの力を使えるかもしれん。


「只今料理中にございます。もう少しおまちを」

「強力な魔物料理を大量に用意してくれ」

「ストックしていた肉を調理していますゆえ」

「ものによっては、俺も手を貸してやれるかも」

「どう言う事でしょうか?」

『俺の本体が少しでも回復できれば」

「セルバンテス。彼は強いのか?」

「そこそこ。といった所でしょうか」

「今の状態なら、セルバンテスには勝てない」

「そうか」


 チゴヤは少し肩を落とした。


「今のと言う事は?」

「ちょっと回復して、本体の力を使う事ができれば」

「わたくしに勝てる。とでも?レベル差というものが」

「俺の真の姿は、人間に絶対負けないはずだ」

「レベル差を覆せると?」

「ああ」

「それは凄い。本当なら。ですが」


 セルバンテスは疑っている。無理もない。

 セルバンテスが強力な鑑定を持っている事は間違いない。

 俺の言葉より、自身の鑑定能力を信じるだろうな。


「う〜ん。じゃ俺はとりあえずセーラを守るよ。約束だし」

「それが良いかと」

「いざとなれば、全てを巻き込み自爆してやる」

「おい。ちょっと待てお主なんと言った?」


 チゴヤが慌てる。


「セーラがあの状態だ。逃げ切れないなら敵も味方も………」

「そんな事が可能なの〜?」

「まぁね。俺も死ぬけど」

「旦那さま。やはりワタクシはここに残ったほうが」

「い、いや。しかしだな」

「最後の手段だ。負けたときは、まかしとけ。安心しろ」

「………全然安心できないのデスガ」

「あ〜もう。わかったわ。私が沼ドラちゃんの所に行って、戻ってきて協力してあげる」

「おお。それは素晴らしい」

「ショタ君。報酬にお願いね」

「それはもう」

「量より質で」

「はい」


「そういう事ならば、ワタクシは出陣してまいります」

「うむ。頼むぞ。セルバンテス」

「はは。お任せ下さい」


 そう言ってキビキビとセルバンテスは出陣していった。


「じゃあ私も行くね〜」

「魔女様お待ちしております」

「ホイホイ」


 魔女も消えた。


「さぁさぁ飯だ飯だ。できるだけ強そうなゴツいの頼むよ」

「うむ。セルバンテスが狩ってきて冷凍してるのがある」

「ほほう。それは楽しみだ」

「量はどうするかね?」

「山盛りで頼む」

「ほっほっほ。食べ切れますかな?」

「あと、姿変えるから話せなくなるけど、ヨロシクね」

「姿を変えるとは?」

「人間は口と体が小さいからあんまり食えんのでな」

「ほほう。食べるために変身すると?」

「そうだ。驚くなよ」

「驚きませんとも。私は先代の魔女を口説いた男ですぞ」


 チアゴはえっへんと、胸を張った。















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