274、発情期144
俺の言葉に………
レオナルド侯爵は………
「王国民が戦闘民族なのは否定はしない。が………それでも流石に………」
「侯爵だってさ。どうせ俺と似たような戦闘環境だったろ」
「………い、いや。確かにそうかもしれんが」
「だろ?」
「だが幼少から病気で、元々寿命少ない私は、特別な部類で………死んでも元々と言うか………ヤケになって八つ当たりで戦闘してたと言うか」
重い事をさらっと言うな。
「俺は男女も年齢も人種も種族も病人も差別はせんぞ」
「差別………だと? それでも区別はするべきだ」
何を言ってるのやら?
俺には差別と区別の区別がつかん。
………んなんだこれ?
頭がこんがらがるな。
「その竜………いっけん平等とか、いい事言ってるようだけど。実はみんなまとめて死地に叩き込もうとしてるよ。竜って最悪な事を考えるよね。良い子に育って僕は嬉しいよ」
アキリアに褒められたのだか、けなされたのだか………
よく分からない評価を受けたが、俺の意志は変わらない。
「争いがおこれば、王国民を皆、平等に戦争に投入する」
「なぜだ?」
「戦力ってよりも………人間って数が多いし。弱い人間を少し間引いて、強さの平均値を上げよう」
「!!!」
「力こそパワ〜。弱肉強食だ」
「う〜ん。僕の教育方針って、こんなのだっけ?」
「おのれ〜邪神アキリア。よくもこんなドラゴンを育てて王国へ、けしかけおって」
「僕?」
「おかげで私の愛する王国が、次代で滅亡する事が確定間近では無いか………」
「そんなの知らないよ。確かに、このドラゴンはずっと前の前前前前前世? の頃から、戦闘に突撃させる事が多かったけれども、この国にけしかけたのは僕じゃない。コレって僕のせいかな?」
何というアキリアの教育方針。
さらっと俺の知らない俺の過去情報を流すな。
怖いわ。
「邪神やドラゴンに戦争感覚の事を聞いたのが、間違いだった………」
「なんでさ? 俺、何か間違ったこと言ったかな?」
う〜む二人共、何故か俺のナイスなアイディアに賛同してくれない。
全くワケわからんぞ。
弱肉強食は世界のルールなのに………
何故か褒められてる気がしないし。
「いや、戦争観念はもう良い。それよりも、もう一つ聞きたい事がある」
「今度はなんだよ?」
「この我が王国には、定期的に飢饉がおきる」
「へぇ〜」
「お前なら食糧問題に、どう対処する」
「今までは、飢饉の時どうしてた?」
「皇国から、略奪を少々」
おいおいおい。
………コイツラ、野盗や山賊と変わらないじゃないか。
皇国のほうが、やっぱりまだまともなんじゃ………
そんなので、よく俺の事をディスれるな?
「略奪? 最低だな侯爵。外道にも程がある」
「生きる為だ。でも、お前なら、ドラゴンならどうする?」
「主食は小麦だったかな?」
「そうだ」
「小麦がなければ米を食べればいいじゃないか?」
「!!! 米もないんだ。作物不作の飢饉だから………」
「米がなければ、肉をたべれば良いじゃないか?」
「肉もないんだ………」
「狩りをしろよ」
全く。
これだから草食人間は駄目なんだ………
品種改良して、この国の人間を肉食人間に改造する事を真剣に検討するべきか?
肉を食え肉を。
「それでも肉が足りなければ?」
「肉が無ければ、お菓子を食べれば良いじゃないか」
俺の言葉にがっくりと肩を落とす侯爵。
「………………お菓子もないんだ」
「………じゃあ〜〜〜。共食いすれば良いだけじゃないか」
「!!! なに?」
お菓子発言を聞いて、がっくりとしてた侯爵が、血相を変える。
忙しい奴だな、コイツは………
「そもそも人間は沢山いるし、そんな時こそ共食いだ。どうせ、飢饉が終われば、すぐにまた増えるだろ人間って」
「!!!」
「どうしよう? どうやら、僕はこのドラゴンの育て方を間違ったかも知れないよ」
レオナルド侯爵は固まり………
アキリアが珍しく動揺してた。
俺、何かおかしな事言ったかな?




