表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

257/306

257、発情期127


 レオナルド侯爵は………


「………アノ魔剣は、この国の親竜派の象徴なのだけれど」

「………知らんがな」

「あれが無いと、この国は滅竜派閥が勢いをまして………」

「やっぱ何かまずかったかなぁ?」

「………いや、言われてみると………既に、この国に豚が嫁入りした時点で、派閥抗争とか言ってる場合じゃないか? それどころじゃないな」

「もしかしなくても、豚ってママンの事?」

「そうだ」

「これまたエライ言われようだなぁ」

「皇国豚皇女の、この国への王族入りは、皇国からの侵略行為に等しい」

「んな、そんな大袈裟な」

「実際大袈裟でもない。豚の侵略に比べれば、今更滅竜派閥とか親竜派閥とかどうでも良いか、良いの、かなぁ?」


 そう言って首をかしげるレオナルド侯爵。


「いや、知らんがな」

「この国に住んでるなら知ってろ」

「………でも、俺が国宝の剣落とした事が、チャラになるならそれでいいか。ママン、ナイスアシスト」

「オイ………どっちかと言うとヒュドラ。お前がこの国の守り刀を無くして、皇国からの侵略をアシストをしたのでは………」

「………………マジカ」


 あれ?

 俺、ママンの侵略手助けつ〜か、この国滅亡の手助けしちゃった?

 ………確かにあの剣無くなったら、国防に支障をきたすよなぁ。

 俺がビビるくらいの魔剣だし。


 いや、待て。

 何を考えてるんだ俺は?

 そもそも、仮にママンがパパンの祖国を乗っ取ったって、ソレがなんだ?

 別に良いじゃないか。

 ソレが俺に、何か関係がある?

 というよりも、不都合があるか?

 ………………

 ………無いよね。

 なら、別に良いじゃないか。

 うん。

 そう決めた。

 この国が滅びても、俺のせいじゃ無いよな。

 ママンと結婚した、パパンが悪い。

 そうだ。

 そう決めた。


 それよりも、今はもっと大切な事がある。

 アキリアだ。

 アキリアの体が以前の像と同等程度の硬さならば、狂った性能のドラゴンキラーを失った今の俺に、破壊するのは多分不可能だ。


 ヤバイ。

 知らせねば。

 自然な形でレオナルド侯爵に知らせねば。

 このままでは、せっかく説得できたレオナルド侯爵と言う手駒が………

 ここでアキリアに戦いを挑み、返り討ちにあって失われてしまう。


 ………アキリアは決して俺の手駒にはなってくれないだろうし。

 現状、アキリアの馬鹿げた硬度と、打倒は恐らく不可能だと、レオナルド侯爵に伝えねば。

 でなけりゃ、ここで戦闘待ったなし。


「あ〜アキリアさんや」

「なんだい?」

「俺のこのヤマタノオロチの体やレオナルド侯爵に、ぶっちゃけ、そのオマエの人形の体を壊せると思うか?」

「ん〜〜〜? 傷つけるのも無理だと思うよ」

「やっぱそうか」

「ここから出してくれたら、試していいよ」

「良いのか?」

「良いよ。君等じゃ破壊は無理だろうし。もしも壊れても、なおせば良いし」

「え? その人形を壊してもオマエ死なないのか?」

「うん? 当たり前じゃん。前も入れ物の像を壊されても死ななかったでしょ」

「オマエ弱くなったんじゃ?」

「ん〜〜〜。そうだけども、それでもそうそう簡単には死なないよ」

「マジカ」


 思ったよりもアキリア弱体化してないかも………

 聞いたかレオナルド侯爵。

 余計な事考えるなよ。

 そう思ってレオナルド侯爵の顔色をうかがうと………彼は


「今のアキリアを、その出てきた黒い渦に押し戻したら、セーラって人の下に戻せるのでは?」

「え? なんでそんなことするの?」


 不思議そうにつぶやくアキリア。

 あ………レオナルド侯爵の奴、セーラにアキリアを始末させる気か。

 なるほど

 でもアキリアは、もうセーラに負けるはずは無いと言ってたし、その作戦は駄目かもな。

 





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ