234、発情期104
ヒャッハーの来世に思いをよせる。
アイツの来世、ウミウシかナメクジか………
少し可愛そう。
俺のせいだ………
でも、しかし。
まぁ良し。
これでヒャッハーの脅威から、グドウ伯爵は守られるはずだ。
ヒャッハーに、あのグドウ伯爵が、どうこうされるとは思わないが、万一の事もある。
ヒャッハーの奴は、脅威になりうる事は体験済みだ。
甘く見るべきじゃ無い。
念の為、手をうっとくのは正しい選択だったと思ってる。
『あと、ヒャッハーの母親がヒャッハーの敵討ちに軍団を動かしそうなので、止めてくれ、だそうである。獲物の横取りは嫌だそうである』
「………母親ってのは、あの豚か?」
「ぶ、豚皇女」
あ、レオナルド侯爵が豚に反応した。
海神の声も聞こえてるのか?
てか、ヒャッハーとか………豚皇女とかも知ってるんだな。
侯爵だから、その辺の情報は持ってるのか。
一応豚皇女は、第三王子に嫁いで、この国の王族入りしたみたいだし。
『ヒャッハーが言うには、俺達の母親は、どうやら強いらしいから、双子のお前が俺に変装して、俺の生存を偽装しろ。それで止まるはずだ。だ、そうである。確かに伝えたである』
「………偽装? 大丈夫かな? それは?」
「大丈夫じゃ無いだろうね」
ヒャッハーの作戦?
それは俺が従わないと、いけないことだろうか?
う〜ん。
『あと、セーラが、お前の事で、ぎゃあぎゃあ騒いだ挙げ句に発狂して出ていったから、なんとかするである』
「げ………そ、それは厄介な」
あ〜、セーラもかぁ。
わすれてた。
頭痛いなぁ。
『最後に、その辺にアキリアうろついてるみたいだから、見つけ次第、始末していいである』
最後に現状解除不可能な爆弾投げ込みやがった。
「できるか〜。一応神だぞアキリア」
『アキリア弱いである。吾輩、負けリアに負けた事無いである。吾輩の配下でも楽勝で勝てるはずである。じゃあ、頼んだである』
一方的に喋って、唐突に海神こと半魚人の気配が消えた。
理不尽だ。
………そんな馬鹿な。
あまりにも一方的すぎる。
アイツ、あいつ等は………
ヒャッハーの奴め。
自分の不始末の結果。
豚皇女こと、俺等の母親を押し付けやがった。
しかも半魚人に至っては………
発狂したセーラに加えて、アキリアをも丸投げされた。
あいつ等は楽観主義がすぎる。
半魚人め。
アキリアに勝ったって言っても、たしか………二千年間殴り合ってたんだろオマエラ。
そんなのに俺が勝てるか。
しかも、他のも厄介な何かイロイロ丸投げされた気がするぞ。
反乱おこした使徒連中の気持ちが分かるね。
半魚人適当すぎる。
コチラからも伝えなきゃいけない偽神の欠片の事。
聞かなきゃいけないセーラの事とか、イロイロあったんじゃないか?
てか、こっちの情報全く持ってないのかアイツは。
………
………………
まぁ、いいか。
別に良いか。
半魚人だし。
アイツ馬鹿だし、あんなものか、期待してもな。
それに………今回はアイツを1つだけ上手く誘導出来た。
ヒャッハーの脅威を事前に潰せた。
これは………結構デカイ。
頭の良いセーラが海神に反乱もせずに、未だにくっついてるのは、多分これだ。
多分こんなふうに海神を誘導利用できるからだ。
要は上手く利用すれば良い………のかなぁ?
深く考えないようにしよう。
「アキリアは放置でいいから、1番厄介なのはセーラか………」
そんな事を考えてると、レオナルド侯爵が無言でこっちを変な目で見てた。
ヤメロ。
そんな目で俺を見るべきじゃ無い。
イロイロ言いたい事は分かるが、俺はアイツの同類では無い。
まともな竜だ。
だいたい半魚人は、お前らの国で信仰される御本尊だぞ。
お前も同類なんだ。
だからさぁ………
変人を見るような目で俺を見ないで。
お願い俺だけは正常なんだ。
信じて………
あんな変なものの声を聞いてしまったから、無理かも知れないけどさぁ。




