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222/306

222、発情期92


 俺にとっては全く無意味な戦闘を避けるべく、人間達と意思疎通をとろうと努力してみたが、失敗した。

 人間達はわかってくれなかった。

 結果。


「やっちまった」

『どうするの? コレ!』


 周囲には、人間達が散らばっている。

 死人は、おそらくいない。

 はず。

 ………俺が手加減した。

 と言うよりも、体になれる為。

 体のスペックを正確に知る為にイロイロ試してたら、本気を出す前に片付いてしまった。

 この体の再生力は、半端では無かった。

 脱皮するまでも無く、傷を負ってもガンガン治るんだ。

 そもそも鱗が………どうやら分厚い。

 鱗の硬さは今迄のドラゴン程ではなく、ドラゴンキラー無しでも比較的容易に傷つける事が可能のようだけれど、鱗の分厚さは今迄の比では無いようだ。

 今迄の鱗が焼き肉なら、今の鱗はステーキくらいには分厚い。

 そして………人間達に取り囲まれても、脅威に感じることの無い再生力。

 コレはあれだ。

 究極の雑魚キラー。

 どれだけ数で攻められても、多分この体は崩せない。


「この体って強いなぁ〜」


 しみじみと思う。

 今までとは、フィジカルがある意味桁違い。

 ドラゴンタンク型?

 最大値の耐久力、回復力が跳ね上がってる為にコンボでど偉いスペックになってるのかも知れない。


『元々ドラゴンは強いし。単純に君は、毎度毎度、突っかかる相手が異常なんだよ。バトルマニアか自殺願望者かい?』

「人を変態みたいに言うな」

『自覚症状無し。か? 真正だね』

「そんなに褒めるなよ」

『褒めてないよ。………ま、君の生き様は爆弾としては正しいのかもね』

「誰が爆弾か、俺はただ強い者いじめが好きなだけだ」


 偽らざる本音。

 弱いものをイジメて何が楽しい?

 強い者を虐める快楽に比べたら………


『………』

「………」

『強い者イジメって、良くありそうで、なかなか聞かない言葉だね』

「強そうにふんぞり返ってる奴が、驚いたりビビる顔が………良い! たまらん」

『君さぁ〜』

「しかも自分よりも強い奴に勝てれば、俺が成長してる証になるじゃん。燃える」

『………君さぁ〜。ほんと君頭どうなってんの?』

「そう言えば………アキリアって………強いよねぇ」

『!!! ヤメなさい。僕を標的にするのはヤメなさい』

「………その、びびってる感じが良い」

『びびって無いよ。ひいてるんだよ』

「???」

『単純に気持ち悪い。ストーカーみたいでひくわ』

「誰がストーカーか!」

『本当に育て方間違ったかなぁ〜。いい感じに育ってるかと思ったら、これだよ………』

「育成ゲーム感覚で、俺の事見るな」

『君こそ僕の事を、いずれ挑むべき相手として見ないでよ。育成ゲームのイベントで、手塩にかけて育てたモンスターに裏切られるとか、最悪のイベントだ』

「俺の事そんなふうに思ってたんだ。………俺の計画バレてたか?」

『ちょ、ちょいまって。今なんて言ったの?』

「くっそ〜アキリア抹殺計画を早めねば………」

『変な計画をたてないでよ。そう言うのは生臭野郎の半魚人にやってくれよ〜。今の君の上司はアレなんだからさぁ』

「アレを上司とか言うな。ソレにもう………一度挑んで返り討ちにあったからなぁ」

『………』

「アイツ若干、敵にも味方にもしたくない容姿だから………ヌメヌメしてるし、あんまり歯向かうの楽しくないんだよなぁ」

『ソレはわかるけどさぁ』

「その点アキリアって良いよね!」

『!!! 喜んで良いのやら、悲しんで良いのやら? おかしな褒め方しないでよ』

「仕方ない。オマエラ存在自体がおかしいから」

『ラをつけるな。生臭野郎と僕を一緒にするな』













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