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162.発情期27.セーラとアキリア



 福音スキルが、アキリアとセーラの会話につながった。

 そこから聞こえてくる会話は、

 今まさに絶望的な話題になっていた。 

 どうしてこうなった?

 こっちからの言葉は届かず、反論出来ないのがまた地獄。


『ド、ドラゴンさんが、浮気?』

『そうそう。あのドラゴン最悪だよね〜』


 おい、アキリアの奴。

 アキリアの奴〜。

 自分が助かるために、

 矛先をそらすために、俺を売りやがった。

 まぁ間違って無いのがしゃくだけれども。


『ありえません。私を騙し動揺させようとしても無駄です』

『本当だって』

『嘘です』

『僕が契約で縛ってる彼の魂から、恋の波動が、ビンビンでてるもの』

『恋の波動!』


 おい。

 なんだそれ?

 イロイロ初耳だぞ。

 俺の魂、アキリアに取られてるの?

 恋の波動って何だ?


 アキリアの奴………

 俺に内緒で、何をどれだけ隠してる?


『だからさ〜僕に、かまってる間に、あの竜、寝取られても知らないゾ』

『寝取るるる! う、嘘です』

『本当だよ。はやくしないと、取られちゃうゾ』

『くぅ』

『優先順位を考えて。僕にかまってて良いの〜。本当に良いの〜〜〜』


 ………アキリアがノリノリだ。

 セーラ使って遊び始めたな、アイツ。


『い、イヤでも、ドラゴンさんを転生させる際に、そういう事が出来ないよう。赤ん坊に転生させたから………』


 え?

 セーラの奴、なんて言った?

 俺が赤子なの、そんなくだらない理由なの?

 なんか俺の竜生。

 いろんな奴に、弄ばれすぎじゃあ、あるまいか?

 くそ〜〜〜

 いや。

 ………………

 まぁ気にしないけれども。


『甘い。甘いなぁ。あの竜を舐めちゃあいけないんだ』

『え? それって?』

『とっくに成長してるよ。既に発情期』

『な、なんですって?』

『あの竜も、オトコノコだからね〜。男子3日会わざれば、刮目して見よう。見たいな』

『ソ、そんな。ドラゴンさんの成長が、そんなにも速いなんて』

『もう、ビンビンよ』

『び、ビンビン?』


 おい。

 その表現やめろ。


『僕も危ないところだった』

『!!!』

『まさかの、僕にまでもサカッてくるなんてね〜』

『う、嘘です』

『ホントホント。僕は強いから逃げられたけれども。並の人間じゃあ無理だろうね〜。今頃は………』


 おい〜〜〜。

 アノ馬鹿いったい、何いってんの〜。

 本気で何言ってくれてる?

 ま〜ず〜い〜。

 コレはマズイぞ。

 何が不味いって、本当なのがマジまずい。

 もうね。

 浮気がバレて修羅場になると、死にたくなる。

 高い所から飛び降りたくなる。

 ………

 いや、そもそも俺とセーラって、付き合ってなかったよね?

 ………付き合ってたっけ?


 ………あれ?あれ?

 愛とか恋とか、わけわかんなかったし。

 ドラゴンゾンビだったし。

 腐ってたしさ。

 きっと恋とか愛とか含めて、俺の心も腐ってたんだ。

 だからイロイロおかしかった。

 

 転生して、心身共にまともを取り戻した今。

 愛が重い。

 まともになって、腐ってない俺は、

 もうね。

 アルマしか目に入らない。


『嘘です。絶対に嘘』

『本当だって。カルナって子と、駆け落ちしてるよ』

『!!!』

『あれ? 驚いた? 知り合い?』

『か〜る〜な〜ぁ〜』


 ………あれ?

 間違えてる。

 間違ってるぞアキリア。

 もしかして

 アキリア、こっちリアルタイムで観察してない?

 それともわざと?


 いや、でもチャンスだ。

 カルナを囮に使えば、時間が稼げる。









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