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151/306

151、発情期16



「私の竜デバフ(弱化)スキルは、竜にかかったバフ(強化)を、全消しする効果もある」


 あ、それで俺の竜変幻スキルは解かれたか?

 アルマは、エッヘンと胸をはる。

 が、そこ迄言った所で、アルマは固まった。


「義兄さん。アンタその姿、どういうつもりさ」

「うわ、わわわ」

「こりゃまた」


 ???

 人間三人が、ざわりと動揺してる。

 何だろう?

 自分の裸体をペタペタ触って確認する。

 発情期スキルで、成人に近いくらいに成長した人間の雄の体。

 特に変わった所は無いが………

 人間達の俺を見る目が明らかにおかしい。

 キョロキョロ自分の確かめてみるが………

 

「なぁ? 俺、何か変か?」

「何かって義兄さん。アンタそんな顔だっけ?」

「顔………。俺のこの体は、セーラがセーラ好みに作ったはずだけど」

「ね、姉さんが………。姉さんなんて事を」


 カルナが頭を抱えて天を仰いだ。

 何だろう。

 また、セーラに何かされてたのか? 

 もしそうなら………

 俺は何処までアイツ等に振り回されるのだろう?


「なぁ。俺はどうなってるんだ?」

「………………」

「………………」

「あ〜。男の俺から言わせてもらうと。お前さん。全人類の半分を敵に回す顔してるぞ」


 1番印象の薄かった、男の冒険者が凄く言いにくそうに、そう言った。

 全人類の半分って何だろう???

 謎は更に深まった。


「義兄さん。アンタ姉さんの、趣味全開。イケメンドラゴン顔にされてるさ」

「うん。うん」

「イケメンドラゴン顔って何だろう?」


 女性陣二人の意見。

 ………セーラの趣味でイケメンにされたのはわかった。

 でも、それにしては、人間の反応がおかしい。


「ん………コレ」


 ガサゴソ何かをしているアルマ。

 さっきまで敵意満々だったアルマが、無警戒に俺に手鏡を差し出してきた。

 どれどれ。 

 手鏡を覗き込む。


「な、何だコレは〜〜〜」

「義兄さん。ちょっと照れるからコッチに顔近づけないで」


 手鏡に映る自分の顔。

 ソフトクリームの様な、白く整った甘い顔。

 まるでエルフのようだ。

 竜と言うよりも、龍のたてがみのような長い髪。

 モヒカン時の面影は無い。

 モヒカンスキル持ちと赤子状態の時は、容姿デバフが、かかって気が付かなかったが。 

 

 いったい誰だ。

 このイケメンは???


 紅く縦長の人間ではあり得ない瞳孔。

 額に3つ目の瞳。

 なんで目が3つもあるの???

 最近まで無かったのに。

 セーラ、俺の体に何してくれてんの〜〜〜

 

「俺の顔。これもう人間の顔じゃ無いよね?」

「姉さん………。やりすぎさ〜」

「………かっこいい」


 アルマが、ウットリとした顔をして、コチラに手を伸ばす。

 そして。

 バチンと裸の体を叩かれた。

 っつ。

 体にサソリに刺されでもしたかのような、痺れと痛みがはしる。


「痛った〜〜〜。何しやがる。このメスガキ」

「ん………」

「ん、じゃね〜よ。何故叩いたメスガキ。戦闘再開か? 殺るのか? 人間の姿でも俺強いぞ。このメスガキが………。アレ? メスガキ最高。ヒャッハー。アルマ最高」


 あれ?

 あれれ。

 おかしいぞ。

 何だかアルマが、めちゃくちゃ可愛らしく見える。

 ………なんだ? 

 コレは?

 アルマ可愛い。超かわいい。

 アルマ撫でたい。

 アルマに撫でられたい。

 アルマに従いたい。

 

「義兄さん? アンタ何言ってるさ?」

「アルマを見ているだけで、何だか胸が暖かくなる」

「え??? 義兄さん?」


 動揺するカルナ。

 気持ちはわかる。

 俺も、なんだか自分がおかしいのがわかる。


「俺はどうしてしまったんだ?」

「ん………スキル、ドラゴンテイム。成功」

「ドラゴンテイム?」

「ん………生物なら、なんでもドラゴンでも魅了して、支配できる。竜倒した時に生えて来た、私の最後の切り札スキル」

「切り札スキル?」

「ん………これで、このイケメンドラゴン。イケドラは私のモノ」

「アルマ。アンタ姉さんのドラゴンに何やってるさ〜〜〜」




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