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145/306

145、発情期10、リスク取らない危険?


 上空からブレスを吐くだけの安全な狩り。

 必勝の狩りスタイル。

 しかし。


「くそ〜。嫌な感じだ。どうにもヒャッハーに殺られた時と同様の感覚が………」


 ハードは強くなっても、ソフトは劣化しているかのような。

 単調でリスクを下げて狩りをした結果。

 ミスや好機に甘くなっている。

 ………拠点とした巨木から戦場を見下ろしながら、新たに戦闘方法を模索する。


 戦場には、たまに各種族の上位種かエリート。

 明らかに格が違う魔物が混ざっていて、そういう奴等を未だに一匹も仕留める事が出来ていない。

 単純にレベルが上がれば倒せるようになると思ってたが、甘かった。


 この戦場にでてくる強者は、百戦錬磨の猛者。

 俺と違い、それはフィジカルだけの物では無い。

 知能が高い。

 技術が高い。

 したたかだ。

 奴等に、なかなか大ダメージを与えることが出来ない。

 しかも最終的に逃げられる。

 なんとなれば、好機を伺って、コチラのスキや弱点を探してるフシすらある。

 

「何だかムカつく」


 しかも頭にくるのは、それだけでは無い。

 この戦場には、稀に人間達も参戦していた。

 冒険者らしいのが、ちらほらいる。


 それだけなら、まだ良いが。

 人間達は俺を見つけてから動揺。

 それから先が頭痛い。

 明らかに俺狙いの行動をとる馬鹿者がいた。

 弓でコチラを、狙ってきたり。

 まぁ、それはいい。

 単発の弓など、当たらないし。

 当たった所で、並の弓では竜の鱗は貫けない。

 が、

 落とし穴を仕掛けて、餌にバナナをおいてた罠。

 それを見かけたときは頭にきた。

 精神的にダメージ受けた。

 馬鹿にされてるか?


「俺は猿か何かかい?」


 ドラゴン取るのに、バナナは無かろう。

 俺を何だと思っている?

 馬鹿は味方につけると腹立つが、頭良い人とは喧嘩しても面白いっていうし。

 腹が立つから、あいつ等は、きっと馬鹿者だ。

 狩るか???


「………人間達狩るとな〜。賞金とか、かけられそうだし〜」


 ま、戦場で狩りしてる人間達は、しばらく放置で良いか。

 それよりも大物魔物仕留めたい。

 ………

 ゾロリとドラゴンキラーを鞘から抜く。

 黒く黒く黒い剣。

 黒いオーラも、だだ漏れている剣。


 頭がおかしくなりそうな、衝撃が全身を貫く。

 初めて見たときは、怖くて仕方が無かった剣。

 慣れてしまった今となっては、恐怖よりも快感を感じる。

 ヌラヌラと禍々しく輝く黒い諸刃の刀身。

 思わず目を奪われる。

 魂すらも持ってイカレそうになるが。


「イカンイカンイカン」


 ブルブルと竜頭を振って正気に戻る。

 剣を鞘に納めた。


「この剣慣れてきたら、魅入られそうになっちゃうんだよなぁ〜」


 このまま行くと、辻斬りになっちゃいそう。


「でもコレを使えば強者にも勝てる。使い慣れとく必要もあるし。使うかな?」


 再び剣を鞘から抜く。

 剣は見ない。

 綺麗な剣。

 心持っていかれる可能性があるからな〜。

 

 イカれたドラゴンキラーを手に、狩るべき獲物を見定める。

 できるだけ強い魔物。

 鑑定スキルが無いので、出来るだけ大きなサイズで、強さを判別するしかない。


「………見つけた」


 遠目からでも、軽く高さ3メートルを超える大きな豚人間。

 それに狙いを定めて、巨木から飛び立った。

 青い翼をはためかせて、獲物へ一直線。

 スピードを上げて風を全身に感じる快感。

 何時もなら、ここからブレス。


 俺の存在に気がついて慌てる魔物達。

 回避行動か、防御行動を取る魔物達。

 が、

 コチラに気付いても既に手遅れ。

 何故ならば。

 何時もと違い、俺の手にはドラゴンキラー。

 防御行動を取る大物の豚人間。

 俺は、すれ違いざまに、横一文字にソレを切り落とした。


 手応えもなく、するりと魔物の身体を通過して抜ける剣。

 二週間の間、あれ程倒せ無かった、魔物があっさり沈む。

 ゾッとするような。

 冷たい氷を触ったかのような、痺れる快感が、手から脊髄を伝わって、俺の脳味噌に届く。


 モット

 モットモット

 モットモットモット


「もっと斬りたい切りたい伐りたいキリタイ」


 

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