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135.バブバブ21



『君って王子様に転生したの?』

『正確には王の孫。王孫だと思う。よく知らないけど』

『よく知らないって。君って』

『俺に転生の選択肢は無かった。半魚人の考える事なんてわからんよ』

『あ、ああ。そういう事』


「王子。何故、竜の姿に。この者達とはどういう関係で?」 


 とかとか

 筋肉達を見渡しつつ、黒髪天使の若い乳母さんが。

 いや、それよりもさらに奇しい

 黒い霧状態のアキリアを指さして、


「慈悲深き女神。女神様? うそ」


 さてはアキリアを鑑定したな。

 鑑定スキル持ちだったか。

 あたふた戸惑ってる黒髪乳母天使。

 イロイロ竜の俺にも聞いてきたけど。


 知らんがな。

 説明………できるか?

 無理だ。

 俺は頭を抱えたくなった。

 

『とりあえず。アキリアなんとか説明してくれ』

『なんで僕が? 僕にも事情がわからないのに』

『俺にも事情全部は、わからないし』

『自分でなんとかしなよ』

『会話できないからな、この姿だと。そもそも本体に戻っても赤ん坊だし』


 想像してみる。

 バブバブ言いながら、乳母に事情を説明する赤子、俺。

 怪しい筋肉団体の建物の中。

 周りは筋肉達や霧状のアキリアに取り囲まれている。

 うん。

 カオスすぎる。

 説明とか無理だろ。

 これは無理。


『………そうだった』

『アキリアからテキトーに、俺は魔王を倒す勇者に選ばれたとか言って、誤魔化してくれ』

『そんな無茶な』


 聖剣を持って魔王を討伐に行くのは王子のつとめ。

 そんな感じで誤魔化そう。


 誤魔化す必要すら無いのだけれど。

 ドラゴンキラーは借りパクしてきたし。

 一応ね。


『じゃあさー。喋れるスキルか、喋れるまで成長させてくれよ』

『ん〜。あ、なるほど。いいよ。わかった』

『モヒカンスキルを外しておくれ』

『ああ。モヒカンスキルと同等の価値を持つ、反抗期スキルと発情期スキル。好きな方をあげるよ』


 そう言ってアキリアはニヤリと、邪悪に嗤う。

 反抗期?

 発情期?

 なんだ、その怪しいスキルは?


『おい。何だよ。そのスキルは』

『ん〜反抗期か発情期まで、成長できるスキルだよ』

『反抗期と発情期って、何歳だ?』

『僕はちょうど今が反抗期さ』


 胸をはって答えるアキリア。

 ………なんだそれ?

 アキリア二千歳は超えてるはずなのに、

 二千歳超えた反抗期ってなんだよ。


『まともなスキルおくれよ』

『連続でのスキル譲渡交換だし。そもそも、もらうスキルがモヒカンスキルだしねぇ。オマケしたほうだよ』

『モヒカン使え無いな』


 くそう。

 なんてこった。

 モヒカンとか、ないほうがいいし。

 スキルで成長できるのは魅力的だけども………。


 絶対に何かデバフかかるスキルっぽい。

 アキリアが嗤ってるし。

 

『さぁさぁさぁ。どうするの?』


 なんか急にイキイキしてやがるな、アキリアめ。

 これは罠だ。

 それはわかるよ。

 問題は、どういう………。

 

『そうか。よめたぞ。反抗期スキルで、半魚人に俺を、ぶつける気だな』

『そだよ』


 あっさりと認めやがった。

 反抗期に入った俺は半魚人に反抗して、同士討ち?

 そんな計画をアキリアはたてたな。

 もうコイツは、下心を隠す気すら無いのか。


『じゃあもう、発情期スキルで良いや』

『はいはい。じゃあモヒカン外して発情期つけるよ〜』


 む………なんだか全身が、特に頭と股間がムズムズする。

 体が一回り大きくなった。

 頭を触ると毛が無くなって、股間が………


『おいアキリアどういう事だ?』

『ん〜〜どうかしたかい?』

『股間からビームが出そうだ』

『ちょ………いや。うん。発情期ってそういうもんでしょ』


 アキリアはあっけらかんと言いやがった。

 そうだっけ?

 発情期って股間からビームが、でたっけ?

 


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