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129/306

129、バブバブ15、アキリア説得中



『なぁなぁ。翼をくれたら、半魚人とアキリアが喧嘩した時、アキリアに味方するからさぁ』

『………………』

『俺さ。半魚人にタンコブ作ったり。ダメージ与えて、アイツの体壊して修理させたりとか、頑張ったんだぜ』

『!!!なんで? なんでアイツにダメージ与えてるの?』

『だってさ。アイツが俺の大切な翼を取り上げようとしたからさ〜』


 俺は悪く無い。

 人の話を、聞かない半魚人が悪い。


『いや、スペック的に………使徒化してるとはいえ………アイツ強い筈なのに』


 何かブツブツアキリアが、言い始めた。

 ま、しこたま高い所から半魚人落とすとか、爆弾落とすとか、反則っぽい事やっても勝てなかったけど。

 ……………


『あ、そういえば、アキリアって半魚人に負けたんだっけ?』

『………負けてないよ』

『半魚人言ってたぞ。負けリア、体捨てて逃げたって』

『ま、負けリア。ちょっとなんだよ。それ』

『な〜、負けリアとか呼ばないから、翼をくれよ』

『ふ、ふ、ふざけるな〜。僕は負けてないぞ』

『どっちでもいいからさ。翼をおくれよ』

『どっちでも良くない』


 勝っただの負けただの、くだらない。

 そもそも二千年も殴り合って、決着がつかないなら、両方負けでいいと思う。

 と言った所で、アキリアの機嫌を損ねるだけだし。

 ………………

 

『アキリア取り引きだ』

『取り引き? なんの?』

『お前を、この黒い像から開放してやるから、竜の翼をおくれ』

『………そんな事できるの? 今の君に』

『できる』

『うっそだ〜。竜の時でも出来なかったのに』

『今の俺は、あの時よりも強い』


 なんせ父親の第三王子から、切り札パクって来たからな。

 えっへんと、二本足で立ち上がり胸を張る赤ん坊。


「おお、バブバブ怒り狂ってた赤ん坊が、立ったぞ」


『外野が五月蝿いぞ』

『君の声のほうが、バブバブヒャッハーと、五月蝿いって。ああ、面倒くさいなぁ』

『喋れない上に、ヒャッハースキルのせいでなぁ』

『………………』

『なんとかしてくれ』

『断る』

『お前が、なんとかしてくれれば、俺お前助ける。半魚人の手助けしない。二人共ハッピー』

『なんでカタコト?』

『助けてくれないと、今日からお前ケチリアな』

『ケ、ケチリア。そ、それって僕の事かい?』

『そりゃあ、これだけwinwinな条件飲まなきゃ、ケチリアって言われても、仕方ないだろう』

『ちょっと待って。ケチリアはやめて。名誉にかかわる』

『………………』


 ………名誉とか、こだわるんだ?

 コイツは呼び名と半魚人の事になると………

 やや感情を動かすからな。

 攻略するならそこだと思ったけれど。

 効果はあったかな?


『わかった。わかったよ。君のスキルを弄るよ。要は、竜の翼を手に入れれば良いんだろ』

『本当か? ヒャッホイ』

『はぁ。まぁ良いか。半魚人は嫌がるかもだし。君から翼を取り外して、ヒレをつけたがるだろうから。お互いに無駄骨』

『え!』

『半魚人に嫌がらせすると思えば、悪く無いか』

『そうか、半魚人の奴はアキリアのスキルすら嫌って、外してたな』

『アイツは潔癖症なんだよ』


 げぇ。

 そうかぁ。

 アキリア経由のスキルでリアの翼を手に入れても、半魚人に取り上げられる可能性があるのか。

 ………ま、半魚人に会わなきゃいいか?

 いいのかな?

 アイツに追いかけられたら、逃げ切れないのは、身にしみてわかっている。


 だが、いずれ取り上げられるとしても、空へ恋い焦がれる想いは、消せるものじゃない。

 一瞬でも、再び空を舞えるのであれば、そのチャンスに全てを駆けるのだ。

 

 





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