102、転生したらヒャッハーだった件6
何とか半魚人をだまくらかしてでも、
竜の身体に復帰したい。
別に騙さなくても良いかもだけど、この半魚人、人の言う事を、根本的には聞かないからな〜。
騙すほうが楽だ。
と言うか騙さなきゃ、翼のある竜には復帰出来ないだろうな。
良くて海竜だ。
とか考えていたら。
「あの〜海人様。思ったのですが。今の戦法で、海人様の敵になった三人の覇者を倒しては如何でしょうか?思うに、ゾンビアタック?この戦法なら、相手が誰であれ勝てるのでは?」
セーラが、もじもじしながら無茶苦茶言い出した。
正論かもしれないけど、
俺が何度も死ぬ前提の作戦たてるな。
「無理である。今回はヒャッハーが比較的生命が少ない場所へ、汝らの死体を持ち運んで、潜伏してたから良かったものの。そうで無ければ、巻き込まれた魂の処理が地獄である。今回ですら、とても面倒くさいである」
そんな理由か?
俺の命の心配して欲しい。
まぁ命の復活なんてモノが手軽に行えるものからしたら、そんなものかも知れないけれど。
そういう感覚が麻痺してなければ、そもそも使徒に裏切られたりしないと思うんだ。
「しかし、それで厄介な元使徒を消せるのであれば」
「都市一つ潰しかねないスキルで、一度に多くの魂を作ると、大量の魂が他の神に流れて、目を付けられるのである。覇者より厄介な、神を敵に回しかねないのである」
「そ、そうですか」
「面倒くさい仕事増やす害獣は、駆除するのも神の仕事だからして」
アキリアが半魚人に魂押し付けてたな。
あれくらいの量なら良いのか?
「今回は、めぼしい生物の少ない人気の無い場所に、ヒャッハー潜伏してたので、吾輩が一人で処理できるので、助かったである」
「おい。それじゃ俺のデイジーカッターって、使っちゃ駄目なスキルなんじゃあ?」
「モチロン駄目なスキルである。と言うか、あんな強力なスキル、ポンポン使う気になるの、汝くらいである。汝も、スキル放置してたアキリアも最悪である」
げ、アキリアの奴、わかってて俺にもたせてたよな。
一応警告してくれてたけれども。
「お前も改造の際に取り除かなかったろ?」
「………なんのスキルか、よくわからなかったのである」
そうか、コイツ、アキリアよりも知識無いのか。
アキリアは俺の元いた世界の知識持ってたけど、コイツは持ってないのかもな。
「う〜む。アキリアって何の神様なんだ?」
「馬鹿である」
即答だった。
前々から疑問に思ってたアキリアの事を聞いてみたが、即答された。
「………本人、慈悲深き女神とか名乗ってるけども」
「アレが慈悲深き女神???な。馬鹿であろ」
「………まぁそうか」
「アキリアまだ、筋肉に取り囲まれて馬鹿な事をしてるであるし」
「まだ、黒い像から抜け出せないのか?」
「他の神の依代となる神器に何か入るからである。アキリア馬鹿である」
半魚人は嬉しそうにヌポヌポ笑った。
何と言うか、神って何だろな〜。
もっとこう、偉大であって欲しかった。
「ムムム、リクエスト通り、ヒャッハーのそばにゴッキー誘導してたら成功したである」
「何?本当か?」
「既にその場所は汝のスキルで破壊され尽くしてるので、余計な魂を作る心配ないので、思う存分暴れるのである」
「よし。行ってくる」
ふふふふふふふふふふ、ヒャッハー。
待っていろ。
「な、あの竜狂っているであろ?自分の命を捨てに行くのに、何の躊躇も無いのである」
「私のせいでしょうか?」
「である」
「治す方法……………」
魂からゴッキーへと転生する途中に、そんな声を聞いた気がした。




