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ベランダの同士たち

作者: 黒坂 志貴

「アカン、もうキツいわ」


「大丈夫や、まだいけるから頑張れ」


「けど、この風は強すぎるやろ。耐えられん~」


「アホか、しっかりせい!ここが踏ん張りどころやぞ」


「もう~、めっちゃええ天気やのに、なんやのこの台風みたいな風」


「言うても仕方しゃあないやろ、しがみついとけ」


「うお~、目が回る~」


「タオルにパンツ、しっかりせえ!」


「めちゃめちゃ回転しとるな、オレらのがマシやろか」


「ハンガーでもキッツいで」


「ウチらピンチやから飛ばされんと思うけど、根こそぎ落ちたらどないしよう」


「ホンマやな、靴下もハンカチも運命共同体や」


「あ!パジャマ落ちてしもうた!大丈夫か!?」


「ワシは根性でしがみついたる~…って、あれ?おかん気付くの早いな」


「なんや、アイツ部屋干しされたで」


「ホンマや、せやのにワシらこのままか?」


「オレらもその、暖かそうな部屋に入れてくれ」


「ワシら必死でしがみついてんのに、落ちな入れてくれんのか?」


「殺生やがな、頑張る方が損なんか?」


「はぁ、今時黙って辛抱は流行らんか」


「せやな、無理せんとアピール大事っちゅうことかもな」


「けど、落ちるんは勇気いるわ」


「ホンマやな。気付いてくれ、おかん~」

読んで下さって、ありがとうございました。


擬人化シリーズ?ってワケでも無いですが、しゃべったらこんな感じ?と言う妄想です。

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