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0006.今度こそ旅立ち

『マスター、改めてよろしくお願いする』


 ケンって呼ぶように言ったのに……


『正式にマスターとなったので、今できる事を説明しよう。我への、指示等を伝えるのに我に伝えたいと思う思考のみ、我に伝わるようになる。』


 ギガと話をしようと頭の中で話せばギガに伝わるらしい。

 すべて伝わっているのかと思っていたがそうではなく、行動や表情でほぼ考えていることが読めていたらしい。

 そっちのほうがよっぽど怖いんだが。


『護衛及び、生活の手伝いを行う、アンドロイド、Life Utility Support Interface (LUSI)を数台おける。

 これは、今エネルギーが不足しているので、表示のみ1体で許してほしい』


 表示のみってせこいわ~。

 貧乏ってつらいよね。


『後は、我にできる範囲での指示ができる。エネルギーが少ないので今はできないが、エネルギーが貯まり次第あそこに行きたい、この情報が欲しい、とか、あれを作ってほしい、など。そうだな、例えばマスターの故郷地球に行きたい。そこの娯楽が欲しい。などでも対応可能になる』


 おおー地球にも戻れるのか~。

 それはとてもうれしいな~。


『では、現在生産が可能な既存の超小型航宙戦闘機一覧を表示しよう。まずはこの中から気に入ったものを触って選ぶがよい。すると系譜ごとのデザインが表示される、もちろん、戻ることも可能だ』


 ピッ


 おおっ凄い量のデザインだ。

 虫っぽいのから流線形まで各種あるようだ。

 試しに一つ指で触れてみる。


 触れたデザインの戦闘機が大きく表示される。


 もちろん3Dで触感すらある。下には簡単な性能も表示されている。

 触れた指を動かすと回転し色々な角度から見られる。

 矢印を触ると、近い系統のデザインがたくさん出た。


 まるでスマホいじっているみたいだな。


『今回は、惑星に降りる予定なので、翼やローターがあるタイプの方が燃費良かろう。

 だがどれを選んでも多少差はあるが、惑星に降りるのには問題はあるまい』


 俺はなるほどと素直に翼のあるタイプを吟味していく。

 戦闘機と言ってもよくあるガラスに囲まれたコクピットは見当たらない。

 全周囲表示なのだろう全部。


 そして4m前後の戦闘機ばかりだ。

 考えてみれば軽四並みだな。

 それで、大気圏突入……宇宙での戦闘……嘘だろおい。

 不安に感じながらも無難だがカッコいい感じな幅広気味な二人乗りまで、できる物を選んだ。


 色と形も変更可能なようだ。面倒だな。

 しかし、せっかくの専用機とのことなので角を付けるか? 

 そして色は赤を基調にしてと……。

 完成だ!


 次は、武装を二つまで選べるのか。

 ミサイル等の実体弾は、色が薄くなっていて選べないな。


 これはダメって事なんだろうな。

 選べるのはビームとレーザーか、色薄いの多いな? 

 仕方ないか。


 使えるのは、低出力が修飾子の様についているな。


 カノンビーム? イオンビーム? よく分からんな? 


 荷電粒子パルスビーム、荷電粒子って聞いたことあるぞ。

 これにしよう。機体前部に固定装備っと。


 ビームは燃費悪いな。

 一つ選んだらほかのビームはもう選べない。


 残りはレーザーだな。

 おっいいのがあるぞ。

 全周囲レーザー、威力は弱い、対航宙船には不向き、とあるが、魔獣狩りには便利そうだ。

 一昔前のUFOを彷彿とさせるな。


「ふっふふふ」


 独り言ちしてしまった。


 決定っと。


(ちゃんとギガに相談すべきだったのだ。ギガは能動的では余りないのだ。ギガは絶対強者だったから弱いってことがどう言う事か全く分からないのだ。そして、俺は全くのど素人なのだから。あっ、素人だから、相談しなかったのかな? 後悔先に立たずだな)


『超小型航宙戦闘機は製作に、約四日かかるので、その間、待つことになる。生産を始めると、やり直しがあまり効かないが、本当にこれでよいか?』

「うん、それでいいっすよ」


『次は、Lusiの外観を、選んでみるか?』

「うーん、今選んだ、戦闘機で模擬戦とかした後でいいかな」


 シミュレーターが起動し先ほど選んだ仕様の航宙船が目の前に現れる。

 おおっ流石自分で選んだだけあってカッコいい。

 強そうだ。


 さーて乗ってみるか。


 コクピットに座ってすぐ変化し始めた。

 見えるのは前と後ろだな下は見えない。


 ペダルやハンドル、椅子も見えるな。

 これは小型とはだいぶん違う。


 説明をちゃんと読めばよかったか? 

 まあいいや、とにかく動かしてみよう。


 速度的には25マッハあたりまで出るようだ。

 シミュレーターなのでまずは正対した状態から始まる。


 この状況ですぐ撃ちあえば双方撃墜の引き分けなのでお互いにまず射線をずらす。

 これをしないとシミュレートにならない。


 相手がこちらに頭を向け射線を向けてくるとこちらはひねりを加え上か下に逃げながら射線を向ける。

 ここでパルスビームを撃つ。

 すると相手のシールドが破れる。


 すかさず全方位レーザーでとどめを刺す。

 なぜ全方位レーザーで撃ちまくらないかと言うと、全方位レーザーではシールドが破れないのだ。

 初級だとこんな感じで攻略完了といった感じだ。


 中級では、相手も三次元な動きをしてくるので、敵の動きを読み損ねたら、撃墜される。


 まだ、勝率は2割ほどだな。

 敵の方がシールドもビームも強いし。

 こちらは一撃でシールドも機体も貫かれる。


 だが、こちらの攻撃だと二発は当てないとシールドが破れないのだ。

 まだまだこれからだ奥が深い。

 小型でやっていた時はお互いの機種が同じだったので全然違うね。


「ふう、面白かったよ」


 時間はまだあるな。

 ランニングだ! 

 体が軽いとこれも楽しいよ。


 洗浄してすっきりしたところで、Lusiとやらでも見てみるか。


『ギガ、Lusiの種類とか見られるっすか?』

『分かった、マスター、表示する、使い方は戦闘機の時とほぼ同じだ。そして、製作するまでいくらでも変更可能だ』


 ピッ 


 軽妙な音と共にLusiの発注画面が目の前に立ち上がる。


 右側に男か女か無性かをチェックする所があり。

 うんこれは? 

 そこには疑似生殖可能か不可かの設定もあった。


 先ほど、洗浄したばっかりで賢者の状態だった俺は、まーロボ相手のどーてい喪失も嫌なのでなどと考えて、チェックを入れなかった。


 その右横に縦にスライドするボタンがあった。

 強そうなロボット型にも興味はあるが、ここはやはり女性型だろうな。

 女にチェックを入れると縦スライダーの右横に色々なLusiが表示された。


 スライダーを上下させると、一番上では人と見分けがつかないほどで、下にもっていくと角ばったロボットで、どこで女性とわかるのかすらわからない形だった。


 これにも疑似なんとやらがつくのか? とりあえず一つ選んでみると、顔や髪形などの体の各パーツを設定する画面になった。

 これはゲームのキャラクター設定を細かくしたものだな。


 もう考えるのが面倒くさくなった俺は、スライダーを中間程度に合わせ、かわいい感じの物を直感で選んで基本色を薄い黄色にして終了した。


「初めまして、ご主人様、今後末永くよろしくお願いいたします」


 そこには、にっこり微笑んで見える、ほぼ人型ロボットの女性がいた。


 ええっえ~、とても、表示されているだけとは思えない存在感があった。

 手を伸ばして触れてみるが触感はあるように感じるが実際には触れない、確かに立体映像の様だ。


 口もなく、目もひしゃげた、大きい丸なだけなのに確かに微笑んで見えるのだ。

 そして、何よりとてもかわいい。まさかロボにこんな感情を抱くなんて。

 何かおかしい! いや間違っているだろ、俺。


「こっこちらこそ、コチラこそよろしくっす」


 うっわ、動揺して発言が。


「うふふ、ご主人様、私にも、よかったら名前をいただけませんか?」


 なっ名前か。

 また名前考えるのか。

 名前、名前、名前、Lusiだったな略称。


「では、ルーシーでどおっすか?」

「ありがとうございます、ご主人様、とても良い名前で、うれしいです」


 あっああ、そう言えばこんな会話、久しぶりな気がするよ。


 ギガだと頭の中に響くのが独特で、話している感無いんだよなー。

 なんか覗かれているって感じ?


「ご主人様、緊張なさることは、ありませんわ。気軽に話しかけてくださいな。体が完成した暁には、護衛や、お世話などいろいろ、させていただきますわ。それまでは会話だけで許していただければですっ♪」


 明るいな~。

 何か聞いているだけで気が軽くなるようだ。


「ただ、今回の惑星にはご一緒できないのです。私のモジュールが重すぎて、今回の超小型航宙戦闘機の材質では入りきらないのです。非常に残念です。代わりにギガンタスの超簡易モジュールがご一緒すると思いますわ」


 う~ん、それは確かになんか残念だな~。


「ギガンタスの超簡易モジュールは、ほぼ命令をしないと動けないような出来なのでとても心配ですわ」


 ふ~ん、ギガはなんとなくむさ苦しいから、それが軽減されるかね~。


「心配してくれて、ありがとうっす。がんばってエーテルを集めてくるっすよ」


 さて。


「今日は、ぼちぼち休むっすよ、おやすみっす」

「おやすみなさい、ご主人様」


 それからの戦闘機ができるまでの4日間は、ルーシーと銃と剣の特訓に終始した。


「惑星に降りるなら、ご主人様の戦闘能力も大切です! 私と特訓しませんか?」


 と言われたから、頑張ってしまった。我ながらちょろい。

 銃は抜き手が速くなり、止まっている的ならぼちぼち当たるようになったが。

 剣のほうはまだ全然だった。


「ご主人様、剣技は全く経験がなかったのでしょう。すごく上達されていますよ。剣を習得するのは、一朝一夕には難しいものなのですよ。ゆっくり頑張っていきましょうね」


「ありがとうっす。俺、頑張るっすよ!」


 ちょろい! 俺はなんてちょろいんだ!


 ****


『超小型航宙戦闘機の準備ができた。持ち物も用意した。探索に役に立てたまえ』


 耐衝撃、耐斬撃性が少々ある冒険服、手袋、靴

 耐衝撃、耐斬撃性が少々高い、ライト付きのベレー帽

 腕時計型異次元接続収納庫

 短剣型加熱高周波ブレード

 小型レイガン

 食料


『マスター剣の扱いには、注意を払いたまえ。あの惑星には、その剣で切れないものは無いと予想される。自傷とかしないようにな』


 なかなかに、チート臭い物を持たせてくれるようだ。

 この服、結構ペラペラなのだが、これで耐衝撃とか有るのかな~?

 俺は戦闘機に乗り込んだ。


『ご主人様、お気をつけて行ってきてください。お帰りを心からお待ちいたしております』


 ルーシーが深いお辞儀をしているのが、画面越しに見えた。

「では、行ってくるっす」


 俺は惑星探索に向け出発したのだった

明日も投稿するよ

「最弱の吸血鬼?が生き残るには?【最弱では死にそうなので毎日せっせとダンジョンに通い、最強になってしまったので悠悠自適に生きれる】」も連載中ですのでよろしくね

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