表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/35

0017.子供と訓練

 今回は多少性的で嫌な表現がございます苦手な方は◇~◆までを読み飛ばしてください。

 話はきっと通じます。

 俺は子供部屋で“友達”のペグと談笑している。


「それでね、皆遠巻きで俺を見てるだけなんだよ」

「それはあれだね。皆ホルン様が怖いのさ! こうぐっとにらんでくるからね」

「ペグは、恐くないの?」

「怖くないと言ったら嘘になるけど。ほら、僕、こんな性格だから思ったことは言わなくちゃ耐えられないんだよ」


 それは又、難儀な性格だな。後々トラブルの種になりそうだ。


「ペグそろそろ仕事に戻れ」

「分かったよ兄さん、じゃケンタ様またね」

「うん、またね~」



「で、ペグ。神様ってどんな感じだった?」

「あはは、とっても面白かったっよ。人もいいねー。あれはすぐ騙されるよ」

「そうか、神様は里を挙げての特別待遇客だ。騙されたりしないよう、注意を頼むぞ」

「はいはい~了解だよ~」




「では、今日の訓練に行くぞ、ダグとペグはワシの代わりにここに残れ、今日はワシが一緒に訓練に行くからな」

「はい、分かりました」


「お~い! 訓練に出るぞ~」


 ボンが言うと。

 子供たちがわらわらと集まって来た。

 訓練には6歳から上の子供が参加するようだ。


「ケンタ様、戻って来たの。一緒に訓練なの」

「よし、行こうか」


 そんな調子で部屋を出て訓練が始まった。

 なるほど、狩りに行ってる間に外に出てたんじゃ見る事が無かった訳だ。


 皆結構激しく“わーわー”やってる。


 訓練が始まるなりアイラにはしこたま打たれたが、なんと他の子供たちとは結構いい勝負になって、年長の男の子にも俺が勝てる場面が有り、自分も強くなれてるんだなと実感してうれしくなった。


 かなり戦い、疲れたので休憩がてらアイラの応援をしていると。


「ケンタ様、ちょっとこちらへ来ていただけますか」


 とボンが呼びに来て。


「なに?」

「すみませんちょっといらして下さい。お話がございます」


 ボンに手を引かれ、少し離れた岩陰にやってきた。


「で、話って何だい」


 と言ながらボンの方へ向こうとした瞬間。

 

 どんっ!


 俺は岩陰の奥に突き飛ばされたのだ。

 突然のことにびっくりし声を上げる暇もなしに、ボンに乗りかかられていた。


 ◇◇◇◇◇





















「もう我慢できね~、は~は~、くっくっくやってやるぜ」

「う~っ。う~う~っ」


 いったい何が起こっているのか理解できないでいると、ボンは俺の口を押え服を脱がしにかかってきた。


 それでやっと事態が分かった。

 俺って襲われている。

 俺は男だぞ?


「初めてお前をみた時から、ワシのピーーは、いきり立っているぜ、むふーー!」


 俺は反撃を試みて激しく暴れようとしたが、ボンの力は思うより遥かに強く跳ね除けられない。

 下から両手でガンガン殴ってみたが。


「ふえっふえっ。そんなやわな攻撃が通じるものかね。ひっひっひ」


 本当にどこを殴っても全く通じてない様だった。

 俺は最後の策として手にレイガンと短剣を呼び出した。


 バシイッ! 


 だが一瞬で跳ね飛ばされてしまった。


「知っているぞ! それを使われればやばい事。警戒してないとでも思ったのか! ふわははは、観念しろ! お前はもうワシのものだ」


 口を押える力も強く、開けることもできないので


「うーうー」


 くらいしか発声できない。

 服を中々脱がせられないので、あきらめたのか。

 ボンの顔が、唇を尖らせキスをする気満々の顔が、中年男の顔が俺に迫ってくる。


 俺はその気持ち悪さと怖さに涙目でもどしそうになっていると。









 漸ッ!(ざんっ)



 目の前から突然ボンの顔が消えた。























 ◆◆◆◆◆

「俺のケンタ様に何しやがる!」


 ドンッ!


(ボンは蹴り飛ばされた)



 俺の上からボンの体が居なくなった。


 ブシュウウーーーーッ


 横に転がる体の首から血が噴き出している。

 俺は腰を抜かし後ずさりながら見た! 

 そこには怒髪天を衝くの言葉がピッタリの、鬼の形相でボンを睨むホルンが居たのだった。


「ケンタ様、すまなかった遅くなったね。大丈夫かね?」


 と、今さっきまでの顔がまるで嘘のように微笑むのだった。


「ケンタ様~、すみませんなの、僕が目を離したすきにこんな事になるなんてなの」


 それから、すぐにアイラがやって来て泣きながら抱き着いて来た。


 俺はボーっと周りの様子を見ている。

 今起きていることに全く現実感を感じない。

 感情や理性が現実を受け入れられないのか、ただ付いて行けてないのか分からない。


 いくら俺を襲っていたからと言っても、首がすぐ目の前で飛ぶ! 

 日本人の価値観から言って過剰防衛? 的な事が現実として受け入れられない。


 確かに“この野郎殺してやる”ぐらいの思いは湧くが、実際には殺さない。


 野人の世界だから人の命は軽いのかもしれない。

 そんな事は理屈としては分かるんだが、嫌悪感のみが俺を支配していく。

 周りすべてが嘘に見えてくる。


 そして、平然と同種族の人間を切り捨てたホルンが怖い。

 助けてもらっていてひどい言い草だけど。


 ……いや、この星いや色々な星で生きて行く為には俺も出来なければ、いけないかもな。

 でも怖い。


 なぜ怖いのか、それは皆の命が軽いイコール俺の命も軽いからだ。


 いや、駄目だ。そんな弱い考え方じゃ生きていけない。

 ここは地球じゃないんだ。

 日本じゃないんだ。


 現代地球ですら国家などの違いで命が軽い地域もあったのだ。

 ここは命が軽いことは確定なのだ。

 それなら、強くあらねば蹂躙されるだけなのだから。


「ありがとう。ホルン、アイラ、俺は大丈夫だよ」


 言ってる間に大人が集まってきて死体をどこかに持って行った。


「遺体はどうするの?」

「遺体、ごみ、排泄物は全て西側の崖から大キレツへ落とすのだね。あそこは切り立っていてすごく深いので丁度いいのだね」

「へ~あのトイレのある先は崖なんだ」


 そうか~捨てるんだね、遺体も……。


 確かに火すら使えなかったのだから仕方ないよね、埋めるより簡単だし。

 そうか生活圏は岩場なのだから掘れないか。

 土のある所は木が密集しているし。


「ホルンいったい何があったのだ?」

「族長騒がせたな。ボンの奴がケンタ様を押し倒していたので、首をはねてやったね」


「それで、ケンタ様は大丈夫なのか?」

「ええ何とか」

「おお~それは何よりでした。ホルンもよくぞ防いだな」

「ボンの野郎トチ狂いやがって、もう少し駆けつけるのが遅かったら大変だったね」


 やはり、ボンは死んで当然らしい。


「ふむ、ボンには余罪があるのかもな。ま~ケンタ様が無事で何よりだ。これにてこの件は終わりだ。皆解散」


 訓練は再開し何事もなかったかのように続く、そして何事もなく終わろうとしている。

 その間アイラはもう訓練に参加せず、俺の横に張り付いて警戒を厳にしていたので。


「もう大丈夫だから、訓練に参加してきなよ」

「いいえ、僕は仕事を軽く見てたなの、これからはもっと身辺に気を配るなの」


 気張ってふんすって言いそうだ。


「ボンって、その、どんな奴だったの?」

「見た目はあんなでみすぼらしい感じなの、だけど見た目と違って力が強く頭が切れるなの。なので族長様には重宝されていたみたいなの。他の男たちより嫌な感じでスケベそうなので女性には不人気だったの。子供部屋の責任者なんて、なり手がないのに進んでやっていたの。僕も変わり者だったけど、あいつもかなりの変わり者だったの」


 なるほど、それでこじらせてショタコンになっていったのか。


 子供部屋の責任者がショタって、それって最悪の人事(じんじ)じゃん。他に犠牲者が居なければいいんだけど。


「よしっアイラ俺と訓練だ」

「ハイなのー」


「や~」

「エイなの」

「イタ」


 …………訓練は終わった。


 子供部屋に皆帰っていき、俺は大人部屋で休もうかなとも考えたが、あそこも人が少ないと危ないかもと思い直し、皆と一緒に子供部屋に向かった。


 すると子供部屋から子供を抱いた女性と数人が付き添うように、西へ向かって歩いていくのが見えた。

 ひどく物悲しげに見えたので何が起こっているのかと見ていると。

 西の大キレツに子供の遺体を投げ捨て泣いていた。


 しかしすぐ気を取り直したようで、普通に子供部屋に戻っていった。


「あの子は、昨日から体が熱くなってて、調子が悪かったなの。持たなかったみたいなの」


 子供の体を投げ捨てる光景にとてもショックを受ける。


 そうか、子供の生存率なんていくら体の強そうなこの種族でも、高いわけが無かったのだ。

 医療なんて概念すらなさそうだし。


 俺が見てないだけで、沢山死んでいるはずだ。

 この時代、死はとても身近で何時ものことなのだろう。


「さっ戻ろうか」

こんな話書いちゃった……

これに懲りず明日の更新も読んでね

「最弱の吸血鬼?が生き残るには?【最弱では死にそうなので毎日せっせとダンジョンに通い、最強になってしまったので悠悠自適に生きれる】」も連載中ですのでよろしくね

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ