0015.川へ洗濯に
「見えてきたぞあそこだね」
そこは、川の中に岩の中州が在り川幅が狭くなっていて流れが少し早く深そうだった。
いいね、水もきれいそうだ。
早速川縁に降りていき、服を脱ぎ始めると。
ホルンはポンッポンと飛び石を飛んで中洲まで行き小高い所で見張りを始め。
「二人とも急ぐことはない。十分に洗うね」
そう言ってこちらをにらみ始めた。
えっ周りを見張るんじゃないのと思わなくもなかったが、それを言うほどの根性は無かった。
アイラは俺が脱いだ服をせっせと集めていた。
「いいよ、そんな事しなくても」
「いいえ、これも僕の仕事なの。きれいに洗うの。洗濯も好きなの」
そういって服に頬ずりするので。
「血だらけの服で顔をこすると、汚れるよ」
と呆れて言ったら。
「あはっあはは」
と照れてあちらを向く、アイラはかわいい。
ケンタ様が服を脱いでるの。
僕はほかの男だったらそんな光景は視界の片隅に入るだけでも、すごく気持ち悪いの。でもなぜかケンタ様は別なの。
見ていると心が騒ぐの。
とても綺麗なの、目が離せないの。
目を離さずケンタ様の服を集めて川で洗いながらもケンタ様を見つめたなの。
二人に見つめられながら、後ろめたい気もするが先に俺は川に入っていく。
「くう~っ」
思わずうなるほど水の冷たさが気持ちいい。
ホルンは入らないのだろうか?
ま~この前池に行ったばっかだし、普段水浴びの風習の無い彼は入らないのかもね。
アイラは膝をつき前のめりになって服を洗っている。
普段服の下に隠れて見えない丸いしっぽが揺れていた。
かわいい。
あれって後ろから見ると大変なものが見えそうだ。
「どうせ水に浸かるんだから、水に浸かって洗い物をすれば?」
「それはいい考えなの、ありがとうなの」
そう言ってアイラは服をすっと脱いだ。
おおっ、俺は外ずらでは冷静を装ったが、内心ではすごく動揺していた。
俺はLやMカップも嫌いじゃないが、C~Dカップの方が美しいと思うのだ。
そう日本人的にはリアルなサイズだからかもしれない。
(*胸のサイズはケンタが何と無くそれ位かなと思っている程度*)
その美しさに見とれていると。
「じっと見られるとなんだか恥ずかしいの」
と言われたので
「すまん」
と言い目をそらしたのだ。
俺は女性の着替えをじっと見つめる中々のくずである。
あ~僕は自分がケンタ様をじっと見ていたのに何言ってるの。
他の男共は全く興味がない僕の体、でもケンタ様は興味深そうに見てるの知ってるの。
僕も見てほしいと思っているのに何で言ってしまったなの。
「ごめんなの、気にしなくていいのなの」
ザバッと頭まで浸かり、頭や尻尾を洗い毛がある程度綺麗になったので、ケンタ様に見てもらいたいと素直に思えたので立ち上がりケンタ様に言った。
「こちらを、見てなの。ケンタ様には僕をちゃんと見てほしいの」
僕はゆっくりと手を広げ僕のすべてを見える様にして、ケンタ様に近づいて行くなの。
そこには萌黄色の髪の毛がかわいらしい美人が居た。
緩やかな風が少し甘い様なアイラの香りを俺の鼻に運ぶ。
もう生臭くなんかない。
「美しい」
たまらず口から漏れ出る。
今までも可愛いなとは思ってはいた。
しかし、ぼさぼさの茶色く見えてた髪の毛が顔を大半隠していて、その上に汚れていたのでよく分かってなかったようだ。
可愛さと野性味のある美しさが同居し引き立てあっている。
そんな美しさを持つ少女、それがアイラだった。
“ありがとう”
俺は色々な物に感謝しながら
「アイラ、可愛いよ。きれいだ」
そう言うのだった。
「そんな、ケンタ様、こっぱずかしいなの。でも、ありがとなの。えへっへへへ」
はにかむアイラもかわいい。
「アイラ洗濯は?」
アイラが段々近づいてきて俺もドキドキしていたが、そこでホルンからの殺気が高まっている事に気づき話をそらした。
俺はヘタレだ文句あるか?
あるよな。
でも怖いんだよね。
「あっすみません忘れてたの」
アイラは洗濯に戻っていった。
畜生俺のバカ。
ホルンからの殺気が無くなったが、やはりホルンはにらんでいた。
いったい何なんだあの人は?
いい雰囲気に水を差しやがって。
少し落ち着いて考えてみると、自分の種族の女の子が他種族と、と言うのは受け入れがたいのかもしれないと気づくに至った。
ま~しょうがないか、あきらめよう。
アイラが航宙船についてくるなら、それから愛を育んでもいいだろう。
アイラには悪いがそれまでの我慢だ。
アイラの自己紹介は結婚してくださいと言っているのとほぼ同じなのだから。
しかし、アイラはほかの野人たちと毛色が違うような気がする。
なぜだろうか?
分からないことはギガに聴こう。
『……と言うわけなんだけどギガはどう思うっす?』
『これは我の推察に過ぎないがよいか?』
『いいっすよ』
『彼女はスピリットもしくはエーテルが求める次世代の可能性の一人なのだろう。知性体である種がある程度成熟すると、変わり種が突然生まれてくる様になる。それは、考え方であったり、容姿であったり様々だ。彼女達の様な変わり種と同じような変わり種がだんだん増えていけば、その種は進化を遂げる。時には退化もあるが。ではなぜあのような変化を見せるのか?
それは、多次元も含めた全宇宙を見ても、人型に進化する知的生命体の種が大多数を占めること、それを大前提にして、その種たちの進化の在り様を集計する。統計的にスピリットが求める最終進化の形がある程度ではあるが予想できるのだ。それを目指しているかのように変化を繰り返す。エーテルなりスピリットなりが成りたい理想があるのだ。
それは、力強さより知性と美しさを備えた人に集約されるのだ。美しさはスピリットが持つ理想だろう。人は段々より美しく、より知的に進化していくのだ。その為に生まれる先取り進化の子は数が少ないときは誰にも理解されず、結構悲惨なことになることが多い。彼女もその違いに悩んでいる可能性が高い。だから違う地へと生活の変化を望むのだ。
しかし、そこまでしても最終進化に行きつかないのは皆途中で滅ぶからだ。我の知る限りではな。
そして、今のマスターの体は我が推測する最終進化に極めて近い物に出来たと自負する。スピリットの在り様は知らんが』
(エネルギーが有り余っている頃は、見た目も生前に近い体にまで変えていたが、エネルギー不足が思わぬ効果を示したな。色々検証出来てうれしいぞ)
えっえ~なんだって~?
おっと久しぶりだな。
おお~なるほどと、聞いていれば最後にぶっこんできやがった。
そして最後の最後で俺をディスった。
畜生その通りだ!
俺はくそだ!
それが分かるのがつらい。
指摘されると泣きそうだ。
しかも、最終進化に近いって、この体が? また大げさな。
ギガって色々大げさに言うのが好きなんだな。
彼女がギガの言うように孤独なら、俺が支えないとね。
ま~俺も孤独なんだが。
そうこうしていると、洗濯が終わったようだ。
石の上に服が干してあった。
アイラがにこにこしながら
「お体をお流ししますなの」
「すまん、もう洗い終わってしまった」
アイラはガーンと言った言葉がとても合う顔をしていて、とてもかわいい。
「そうですよね、洗濯する間が有れば……」
落ち込むアイラもとてもかわいい。
はっ、さっきから可愛いの連発だ。
俺は彼女に相当やられてしまっているらしいよ。
「ま~気にするな。それっ」
俺はアイラに水をかけた。
「きゃっ! やったのね~。こっちも負けないの」
二人で水の掛け合いをして遊ぶのだった。
「そろそろ、狩りに戻るかね」
ホルンはいつの間にやら中須の岩から降りて来ていた。
「「ハイ」なの~」
服もいつの間にか乾いていて、結構な時間がたっている事がうかがえた。
「ホルンお待たせしちゃったね」
「いや、良い休憩になったね。気にしないね」
夢のような時間は終わり俺たちは通常の活動へと戻っていく。
明日はダブル更新だよお楽しみにね!
「最弱の吸血鬼?が生き残るには?【最弱では死にそうなので毎日せっせとダンジョンに通い、最強になってしまったので悠悠自適に生きれる】」も連載中ですのでよろしくね




