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0014.ゴブリンはうざかった

「じゃあ、僕に魔法をおしえてなの」

「おお~い、ケンタ様狩りに行くぞ~」

「その話は後でね、ホルンが呼んでいる。ほら、アイラ! 一緒に行こう」


 にこりと笑って手を伸ばすと彼女は手を取り、満面の笑みを浮かべた。


「はい、ご一緒なの」


「よしお前ら、今日もガッツリ狩るね! 俺に恥をかかせるなよ」


 ホルンが、皆に気合を入れている。


「じゃあ出発だね」


 いつものように狩りが始まった。


「よう嬢ちゃん、初めましてだな。ケンタ様のこと頼むんだね」

「アイラです。よろしくお願いいたしますなの。ハイ、分かりましたなの。次長様」

「俺のことはホルンと呼べ」

(俺ホルンは、アイラと言う娘を観察した。ここまで色気のない子がいるとはね。ウネのやつどうやって見つけたのか。大した玉だねあの女)


「はい、ホルン様」

「嬢ちゃんお前はケンタ様の後ろにつき、周りをよく確認しろ」

「ハイ、分かりましたなの。僕はケンタ様を守るなの」


 守るって、そりゃ無理だろ。


「ホルン、アイラは武器など何も持ってないから危ないんじゃ」

「ケンタ様、わが部族の女はそんなに軟じゃない。心配無用だ。それにケンタ様に何かある方がとても困ったことになる」


「ケンタ様、僕にお任せなの。しっかり仕事するの」

「はあっ、分かったよアイラお願いするよ」

「ハイなの~」


「嬢ちゃんその意気だね。今日から訓練に参加しな」

「ハイなのっ!」


 アイラが右手を握りしめ燃えていた。

 その日は難なく狩りを終え早々に住処の帰り訓練が開始された。

 棒で素振りが終わった後、各自で模擬戦が始まる。


 ま~武器はこん棒、石斧の二択だから難しいことはしない。

 ただ、なぜかアイラとの模擬戦になった。


「では、ケンタ様ご覚悟なの」


 冒険服を叩いてもほぼダメージが入らないことがばれてからは皆冒険服の無い所を叩く。

 此方も鱗を叩いても効かないと分かっているが、鱗を叩かせられる。


「エイなの」

「いた」

「くそっそれっ」


 スルッ


「ヤーなの」

「いたいた」

「たー」


 ふっ


 アイラはそのかわいい掛け声とは裏腹に鬼のように強かった。


「つうー痛たたた。アイラはとても強いんだね」

「僕は子供部屋での訓練で子供に負けたことは無いなの」

「へ~そうなんだ(遠い目)、すごいんだね~(棒)」


 いやこれは、元々無い威厳がもっとなくなるって言うか、幻滅されるんじゃないか?


「ケンタ様は僕が守るなの!」


 アイラがまた燃えていた。

 アイラはほかの大人と模擬戦を始めたので俺は休憩だ。

 大人と互角に打ちあっているのが見える。


「本当に強いんだな~」


 すると、ホルンが来て


「ケンタ様、その腰の武器を見せてもらえるか」

「いいよ、はい」


 ホルンにレイガンを渡すと、チャッ、レイガンを僕の頭に押し付けた。


「ケンタ様甘いね。こういう物は誰にも渡しちゃいけないんだね」


 俺は両手を挙げながら


「ああ、確かにね。忠告ありがとう。でね、ホルン、あの岩を撃ってみたらどう」


 ホルンはけげんな顔ををして、岩を狙い引き金を引いた。


「何も起こらないだと! ケンタ様なぜだね?」


 よく見てるもんだね。

 使い方間違ってないよ。


『戻れ』


 レイガンがホルンの手から消え、俺の腰に戻った。


「っ!」

「ホルンその銃はね我専用なんだよ、我以外誰も撃てないんだ。前使っていた短剣もそうなんだよ」


 そう短剣はこの前びっくりしたのだが、切ろうと思は無いときは、軟質プラスチックみたいな感じだったんだよ。


「そうか、いらぬ心配だったね。銃を向けたこと深くお詫びする」

「いや良いよ、我が武器をぞんざいにしてるのが気になったんでしょ」

「まあそうなんだがね」

「ならいいよ、我が礼を言いたいぐらいさ」

「ケンタ様なの~」


 アイラが勝ったみたいで、元気に手を振っていてかわいかった。



 もう、すっかり慣れた食事


「おっ今日の肉は柔らかいな、脂身が無くてさっぱりとして、これもおいしい」


 いつものお肉を焼いただけの物を食べていると。


『マスターお肉だけでは栄養が偏るので、持って行った食料も食べる努力をした方がいい。強くなるのに必要な栄養素が取れない』


 珍しくギガが話しかけてきたと思ったら、お前はおかんか。


『分かったっす、少しずつでも食べるっす』


 次元庫から出すとあの薬はタッパーにたっぷり入っていたのでスプーンですくい口に入れた。


「うーん、まずいもう一口」


 やはりとんでもなく不味かった。



 次の日も同じように狩りが始まり、ホルン、俺、アイラの順で歩いていた。

 アイラはこん棒を構え少し緊張した趣ではあるが油断なく歩いている。

 ホルンは自然体だが隙は見当たらない。


「ねえ、ホルンまた池に行こうよ水浴びしたいよ」

「ええっ、水浴びなの? 僕も行きたいの」

「ああ、ケンタ様がそう言うのなら近いうちの予定に入れよう」

「「やったー」なのー」


 それから、数匹獲物を、狩る間は何もなかったんだが、またホルンが見つけたようで。


「むう、これは。……小鬼だ! しかも大量に来るね! 皆、運搬係も戦闘準備だ。どこから出てくるか分からんね警戒しろ」


 ホルンは周りを見回してから此方を見た。


「ケンタ様これから来るのは人型の魔物だ。奴らは魔獣と違い頭を多少使う。気を付けるんだ。嬢ちゃんも警戒しろ」

「「ハイ」なの」


 俺は短剣を抜き構えて待った。


「グギャヤ」

「グゲゲ」

「ケケケ」


 周り全体から声が聞こえ、本当にどこから来るのかさっぱり分からない。

 小鬼ってことはゴブリンなのか?


 魔の付くやつらは問答無用で襲ってくる。

 猛獣なども襲ってくるときはあるが、腹が太っていたり、此方を恐れたりで逃げていくことの方が多い。


 魔獣や魔物、奴らは生き物として何かおかしいのだ。

 こちらを発見すれば必ず襲ってくる。



 前方から向かってくるゴブリンとの接触が始まった。

 奴らは棍棒を装備していたが。

 ゴブリンは弱い、こともなげに駆逐されていく。


 少しほっとしていると、右横の森から俺に向かってゴブリンが飛び出してきた。

 俺は全く反応できないでいると。


「危ない、ケンタ様避けろ」


 ホルンが前から片手で石斧を出して受けてくれた。

 もう一方の手は別のゴブリンを抑え込んでいてすぐには動きが取れない。


 後ろではアイラが二体ゴブリンを相手にしている。

 目の前のゴブリンはまだ生きていて俺に手を伸ばそうとあがいていた。


 俺だけ何も出来ない訳にはいくかと、動くのを拒否する体を無理やり動かし。


「この野郎~!」


 ホルンが受け止めてくれたゴブリンを叫びながら無我夢中で切った。


 ドバッっと返り血が噴き出しゴブリンは倒れた。

 俺は血だらけになり、匂いや生暖かい感触でその場で吐きそうになったが頑張って耐えていると、嫌な気を周りから感じなくなった。

 どうやら駆逐完了のようだ。


 安心したとたん切った感触などを思い出してその上匂いに咽た。


「うげっえろげろえろっ」


 耐えきれずもどしていると。

 罪悪感がどっと押し寄せてきた。

 いやあれは人じゃない魔物なんだと心を落ち着かせていると。


「ケンタ様大丈夫かね? ひどい格好だねおい」


 とホルンが言い、それを少し離れたところで聞いたアイラが走ってきた。


「ケンタ様、大丈夫なの? うっ」


 あまりの惨状に少し引いていた。


「ケンタ様ごめんなさいなの。僕少し離れすぎたようなの」

「いや、嬢ちゃんはよく戦ったね。たいしたもんだね。ケンタ様が少し情けないだけだね」


 ひっ酷い。だが真実だけに俺は何も言えなかったがなんとか。


「心配かけたようだね。ありがとう」


 やっと言葉をひねり出せたのだった。



「しかし、さすがに血を被ったんじゃそのままと言う訳にはいかないね、近くの川で洗うね」


 そうか、別に池でなくても洗えるよね。


「皆よ、俺らはケンタ様を川に連れていく、狩りは我々抜きで進めておいてくれ」

「はい、分かりました」


 と皆が答えた。


 流石に、ホルンは威厳あるなー、その内あんな風になりたいな。

 そう言えば皆、棍棒とか石斧で殴るから敵から、さほど血が出たりしないんだよな。

 その方がいいのかな。


 うう、血がべとべとして気持ち悪い。


「じゃあホルン早く行こうよ」

「元気になって来たなケンタ様。行こうこちらの方だ」

「着いたら僕が洗ってあげるの」

「ははは、それは楽しみだ」



 少し歩くと川が見えて来た。

 この川は広くて流れが遅く浅くて淀んでいる。

 川底が泥なのであまり綺麗な川とはいかなかったが、今よりは体は綺麗になるだろう。

 まさか飲み水はこの川から汲んでくるのか? 

 俺がいる内に井戸とか掘った方がいいのだろうか。


「ホルンこの川で水汲むの?」

「この川の少し上流に小さな池があってなそこで汲むのだね」

「そこも、底は泥なの?」

「そうだなそこも、浅くて流れが少ないので淀んでいるね」


 うえ~ここより酷そうだ。そして病気の原因になりそうだ。


『ねえねえギガ~、どこに井戸掘ったら水出るかとか分かるっすか?』

『マスター我は簡易版で超小型航宙戦闘機なのだぞ。無茶を言ってくれる。難しいかも知れんが検討はしてみよう。ちなみに掘るのは下に向かって陽電子ビームなり荷電粒子ビームなりを撃てば、何日かかるかは分からないが出来るだろう。ふむ待てよマスターが撃つのは危ないので、掘るときは我が超小型航宙戦闘機で上空から真下に荷電粒子ビームを撃つとしよう。そうだな出来たらだが温泉の方がマスターは嬉しいよな』

『ありがと、よろしくっすねー。温泉沸くと最高』


「僕、水浴びとか何年ぶりだろう。楽しみなの」


 うわ~そんなに洗ってないのか! 

 汚いはずだ。

毎日更新実施中

「最弱の吸血鬼?が生き残るには?【最弱では死にそうなので毎日せっせとダンジョンに通い、最強になってしまったので悠悠自適に生きれる】」も連載中ですのでよろしくね

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