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第九十九話 今後の方針とマジコンへの出場

○7月4日木曜日午後4時 クローバー拠点部屋○


 今日はお昼のハイテンションタイムをした為夕方のハイテンションタイムは午後6時過ぎからという予定。

 いつも通りのこの時間、拠点部屋に来てみてもまだ皆の姿は無かった。

 俺はソファに腰を下ろすと遅ればせながら、勇者以外の取得したジョブを解析して行く。


~~~~~~~~~~~~~~

『異端マッサージ師LV1(0%)』

ランク :HN

ジョブ効果 :レベルアップ時のDEX値が多少上がり易くなる。

【関連スキル】

『マッサージ三昧LV4(54%)』

~~~~~~~~~~~~~~


 ふ~ん、まっ、そんな気はしてたけどな.

 にしても勇者ジョブと比べるとこれまた随分な見劣り感。

 ジョブ効果は何かショボイしスペシャルスキルに至ってはその存在すらない。

 まあジョブランクにかなりの差がある訳だし、この結果も仕方ないか。

 でもこの分じゃNランクのジョブはもっと見劣とったりして・・・


~~~~~~~~~~~~~~

『念話士LV1(0%)』

ランク :N

ジョブ効果 :なし

【関連スキル】

『念話LV6(17%)』

~~~~~~~~~~~~~~


~~~~~~~~~~~~~~

『猫愛好家LV1(0%)』

ランク :N

ジョブ効果 :なし

【関連スキル】

『猫語LV5(61%)』

~~~~~~~~~~~~~~


 あ~やっぱりか・・・こっちはジョブ効果すらない。

 Nランクは只単にスキル上限が解除されるだけといった内容なのかもなぁ。

 まっ、それはそれで大事ではあるけども。


ガチャリ


「お早うございます、勇者さまぁ。今日もたい焼きをお持ちしましたよぉ、ってみなさんは?」


 おおっ、今日は制服でお出ましかぁ。

 緑山さんも学校じゃ相当おモテになりそうだなぁ。

 クラスにこんな娘いたら、どうしたって目が行っちまうだろうし。


「ああまいど、緑山さん。

 今日の夕方は午後6時過ぎからの予定だから、みんなが来るのはしばらく後だと思うよ。」


「そうでしたか。ついに来ました、勇者さまとの密会イベント。」


 う~ん、この状況を密会と言ってのけるのか?

 にしてもしょぼ~んだのガックリだの言ってる分には可愛いもんだが、偶に内容が赤裸々過ぎる時があるんだよなぁ。


「ん、ああ、それで緑山さん、今日はどうしたの?

 昨日の話じゃ夕方のハイテンションタイムにはギルドメンバーは基本的に参加しないって事になってたと思うけど。」


「勇者さまぁ、2人きりなので言わせて貰いますが、私の事は茜と呼び捨てにして下さい。

 その方がキュンキュンパワーが貯まりますから。ハァ~言っちゃった言っちゃった。」


 う~ん、まあ呼び捨てはアレだが、歳も一つ違いだしあまり他人行儀なのも良くないか。

 それに名前呼んでやるだけでキュンキュンパワーとやらが貯まるのならお安い御用だし。


「うん、じゃあ茜ちゃん、今日来た用事って?」


 甘味茶屋に蒼井先輩がバイトに入ったと言っても、神社の巫女としての手伝いもある緑山さんが何の用事も無く単にたい焼きの差し入れに来ただけってのも変だし。

 まっ、俺的には全然構わんけど。


「ああはい、それはですねぇ、水島さんに頼まれ事を一つ仰せつかりましたので、それをお届けに。

 ついでに勇者さまのお顔も見れたらなぁ~なんて・・・これはどっちがついでか分かりませんね、キュンキュン。」


 ほう、水島さんからの頼まれ事とな?


「これがその頼まれ事です。」


 少女は少年に一枚のプリントを渡した。


********************

≪取得可能ジョブと最寄りの取扱ダンジョン早見表≫

【ランク LR】

『雷撃の勇者』 ベネズエラ マラカイボダンジョン(Aランク相当)

『天駆ける勇者』 ネパール サガルマタダンジョン(Aランク相当)


【ランク SSR】

『勇者』 山梨県と静岡県の県境 富士ダンジョン(Aランク)

『魔法少女』 東京都 秋葉原ダンジョン(Bランク)

『探索王』 エジプト ファイユームダンジョン(Aランク相当)

『風弓の天女』 沖縄県宮古島 西平安名岬ダンジョン(Bランク)

『猫仙人』 中国 赤壁ダンジョン(Aランク相当)


【ランク SR】

『大魔法使い』 山梨県と静岡県の県境 富士ダンジョン(Aランク)

『雷帝』 京都府 建仁寺ダンジョン(Bランク)

『隠密』 滋賀県 甲賀ダンジョン(Bランク)、三重県 伊賀ダンジョン(Bランク)

『マジカルドクター』 群馬県 草津ダンジョン(Cランク)

『風弓の射手』 北海道 襟裳岬ダンジョン(Cランク)


【ランク HR】

『マルチアナライザー』 栃木県 那須ダンジョン(Cランク)

『魔女』 東京都 秋葉原ダンジョン(Bランク)

『一流魔法使い』 福井県 越前ダンジョン(Bランク)

『火の錬金士』 岩手県 盛岡ダンジョン(Cランク)

『なんちゃって勇者』 地元 緑山ダンジョン(Eランク)

『トラベラー』 東京都 成田ダンジョン(Dランク)

『風弓使い』 岩手県 北山崎ダンジョン(Dランク)


【ランク R】

『マッピングの達人』 新潟県 苗名滝ダンジョン(Dランク)

『一流学者』 福井県 越前ダンジョン(Bランク)

『解析者』 福井県 越前ダンジョン(Bランク)


【ランク HN】

『鑑定士』 福井県 越前ダンジョン(Bランク)

『魔法使い』 福井県 越前ダンジョン(Bランク)

『錬金士』 岩手県 盛岡ダンジョン(Cランク)

『異端マッサージ師』 地元 白山ダンジョン(Eランク)

『修復の達人』 岩手県 北山崎ダンジョン(Dランク)

『素材収集家』 岩手県 北山崎ダンジョン(Dランク)

『探索者』 地元 清川ダンジョン(Eランク)

『下忍猫』 滋賀県 甲賀ダンジョン(Bランク)、三重県 伊賀ダンジョン(Bランク)


【ランク N】

『酒豪』 地元 白山ダンジョン(Eランク)

『頑張り屋』 地元 白山ダンジョン(Eランク)

『念話士』 栃木県 那須ダンジョン(Cランク)

『採取者』 地元 緑山ダンジョン(Eランク)

『猫愛好家』 地元 白山ダンジョン(Eランク)

『尻使い』 岩手県 北山崎ダンジョン(Dランク)

『短剣使い』 地元 白山ダンジョン(Eランク)

『剣士』 山梨県 躑躅ヶ崎ダンジョン(Dランク)

『強靭者』 地元 緑山ダンジョン(Eランク)

『弓使い』 地元 白山ダンジョン(Eランク)

『セクシーギャル』 地元 白山ダンジョン

『採掘家』 岩手県 北山崎ダンジョン(Dランク)

『裁縫家』 地元 緑山ダンジョン(Eランク)

********************


 おおっ、こりゃいいな。

 俺達の診断結果と取扱ダンジョンをダンジョンランクまで付けて纏めてくれたのか。

 でもこれ作るのホント大変だったろうなぁ・・・水島さんと違ってダンジョンランクが頭に入ってる訳でも無かったろうに。


「緑山さん、俺もこれ一枚欲しいんだけど。」


 とはいえこの取扱ダンジョンの早見表はかなり使えそう。

 今後の攻略ダンジョンを決めるのに役立ちそうだし。


「茜とお呼びください、勇者さまぁ。

 そしたらそれは差し上げます。策士茜ここに見参。」


「ああ、うん、そうだったね、茜ちゃん。このプリント貰って良いかな?」


「はい、勇者さまぁ。元々皆さんにもお配りするつもりでしたのでどうぞどうぞ。」


「うん、ありがと、茜ちゃん。」


「うふっ、ではそろそろ私は水島さんの所へ行かせて頂きますね。」


バタン


 少女が部屋から出て行くと少年は改めてそのプリントに目をやる。


 にしてもこうして表にしてみると、やはり高ランクジョブ程その取扱ダンジョンのランクが高くなっているのが分かるな。

 それにNランクの念話士なんかはCランクの那須ダンジョンとなってはいるが、最寄という条件を外せば、ホントはもっと低いランクの取扱ダンジョンを見つける事も出来るかも知れないし。


 あっ、くそぉ、探索王はエジプトだったのか・・・勇者の次はこれだと思ってたのにぃ。

 まあこのファイユームダンジョンってのもAランク相当みたいだし、どっち道無理っぽかったけど。


 とはいえ中山さんみたいなSランク探索者にそう何度も依頼する事なんて無理だろうし、俺達的には今後低ランクのダンジョンから順に攻めていく方針で行った方が良いよな。

 まっ、既に攻略済の白山ダンジョンと緑山ダンジョンへは今日あたりにでも取得可能なジョブを皆で取りに行くとして。


 ってあれ?

 この探索者ってジョブ・・・取扱ダンジョンが清川さんになってますけど。

 あそこのダンジョンコアはまだ見つかってないんですけど・・・う~む。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


○午後5時30分○


 先ほど茜ちゃんが置いて行った取扱ダンジョンの早見表を眺めつつ暇をつぶしていると、まだ時間にはちと早いがうちのメンバーも勢揃い。


「へぇ~、こんなの作ってくれたの。あの娘中々やるわね。」


「ええ、これで今後俺達が攻略するダンジョンも決め易くなりましたよ。」


「じゃあ次は何処のダンジョンを攻略するのぉ~?」


「それをこれからこの表を見ながらみんなで・・・」


ガチャリ


「その話、ちょっと待ってもらえるかしら?」


 う~ん、何故このタイミングでボスが?

 何時も狙い澄ましたようなタイミングで現れてるけど、もしかしてこの部屋って盗聴器でも仕込まれてんのか?


「あなた達には次のマジコンオールスターグランプリに出場して貰いたいのだけど。」


 えっ、マジっすか?

 そんなもん出ても恥かくだけだってのに。


「勿論賞金が出る10位圏内を目指しなさいなんて事を言うつもりは毛頭ないわよ。

 でも勇者や魔法少女なんて言うSSRランクのジョブを取得した今のあなた達の戦力って、私の見立てではもうEランクやDランクダンジョンの魔物相手じゃ少し物足りないくらいだと思うの。」


 ふっ、それは少し買いかぶり過ぎでは?

 俺の極限勇者チャージはHPが10分の1以下にならないと使えない代物ですぜ、ボス。

 でもまあ先生のマキシマムが魔法少女に変身してその威力が単純に2倍になると考えれば、Cランクダンジョンくらいはイケるかもですけど。


「Aランクの富士ダンジョンなら魔物の数も質もこの日本では最高クラス。

 そんなところへあなた達の今のランクじゃ普段は入れないし、この際富士ダンジョンで思う存分あなた達の実力を発揮して来て欲しいのよ。

 そうすれば現状私達には喉から手が出る程欲しいDランクへの昇格も早まるだろうしね。」


 そりゃあ一度1階層のフィールドに入れば、レベル10を超える魔物達がお出迎えするAランクダンジョン。

 魔物の強さに困る事は無いし、普段と比べて高額な魔石の獲得も可能。

 大会期間中はSOSに直ぐに答えて(応えて)くれる環境も整っているだろうし、普通にAランクダンジョンに侵入するよりは安全だと言えなくもないが・・・

 この人本気で俺達を今年中にDランクにするおつもりか?


「大会は今月の16、17、18日と平日の3日間。

 そして大会前の土日祝日の3日間は下見期間として出場登録者の富士ダンジョンの侵入も許可されるそうよ。」


 ふむ、まあ確かに都合6日間、探索者の聖地に侵入出来るというのは確かに魅力的ではあるな。

 それだけの期間があればそれなりに数多くの高額魔石を獲得できるだろうし。


「平日は学校をお休みしちゃう事になっちゃうし急な話で悪いけど、こんなチャンスはもう当分来ないと思うのよ。」


 チャンスねぇ・・・確かにチャンスと言えばチャンスかもしれんが、まだ取得したスペシャルスキルの効果検証も満足にしていないってのに。

 他にもやりたい事は幾らでも・・・いや待てよ。


 この開催日って・・・


 少年は話を遮る様にパソコンデスクへ向う。


カチカチカチ・・・


 ふふっ、やっぱりか。

 このタイミングを逃す訳にはいかなそうだな。


「いいですよ、中川さん。その大会、俺達ナイスキャッチは喜んで出場させて頂きます。」


「あら、そう、意外ね。

 もうちょっとゴネると思ってたけど直ぐいいお返事が頂けて良かったわ。」


「ちょっと賢斗君。勝手にそんな事決めないでよ。」


「そうです。こういう事はみんなで相談してからと前にも言った筈ですよ。」


「あ~また賢斗が先走ってるぅ~。」


「ああ、御免御免。でもこの大会は俺達としては絶対出場するべきなんだって。」


「え~、何でぇ~?」


「ふっ、この本戦開催日の3日間は満月日。

 つまりは猫女王様が御降臨される期間だ。」

次回、第百話 花火。

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[一言] >『大魔法使い』 山梨県と静岡県の県境 富士ダンジョン(Aランク) 富士山の領有問題に神様が気を使っててウケる
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