転生しました。
今回、短くて申し訳ないですが、改稿しました。
今後の話も編集中です。
私は自身の産声と共に目を覚ます。
目の前には私を包み込むように優しく胸に抱き、蕩けたような優しい眼差しで見下ろす一人の美女がいた。
誰が見ても、絶世と言われる程に可愛らしい女だった。
腰元まである輝かしい金色の長い髪と翠色の瞳で私に柔らかな笑顔を向けている。
そして、愛おしいと言わんばかりの表情で私のことを呼びかける。
「おはよう、セシリア。」
セシリアと呼ばれた私は、笑顔を返す。
こうして、私は転生に成功したことを自覚した。
もっとも、私の転生についてはスキルの効果で失敗という概念が存在していないわけだけれども……………。
私が転生を自覚した瞬間、それは起こった。
突然に、強烈に、刺激的に私の頭に痛みが疾り、思わず片手で押さえ、悶絶する。
これは、私の〈輪廻転生〉で必ず発生するデメリットかつメリットの一つ。
私が転生した瞬間に、私の頭脳はその世界に関する情報をすべて収集する。
それは私が困らないようにという救済措置であるかのように、私の意思とは関係なく吸収される。
数多の情報量に頭が痛くなり、その後はただ気を失うだけだ。
そうして私は毎回、転生の度にその世界に生を刻み、適応していく。
母親らしき女性がいなくなった瞬きほどの時間で私はいつも通り、自身のスキルに身を委ねて眠りについた。