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水を無限に生み出せる男の日常

作者: 僧侶A

俺は水が無限に出せる。特にデメリットも何もなく好きな時に好きな量出すことが出来る。



窓についた結露くらいの水の量から惑星を覆えるほどの水の量まで自由自在だ。しかもこの水は飲むことも出来るので砂漠で遭難しても無事に生還できるだろう。ちなみにこの水はそこら辺に売っている水とは比べ物にならないくらい美味い。これはちょっとした自慢である。



この能力は誰にも言っていない。もしバレたらこの能力を求めた人間が攫いに来たり、実験体にされて一生自由を奪われたりするだろう。それは嫌だ。後、信頼出来る人に話しても残念な人に見られるか恐れられるかだろうから信頼出来る人にも言うつもりは無い。



そんなんだから俺の能力は日常生活において役に立っているということはほとんどない。せいぜい水代が安く収まる程度だ。



とは言っても外で全く使っていないというわけではない。結構使っている。今回はそんな例でも話すとする。



今俺の前には上司がいる。毎日俺に八つ当たりしてきて仕事を押し付けてくる癖に定時で帰りやがる奴だ。会社は何故かあいつへの信頼が厚いので俺の訴えなんて聞いてくれもしない。というわけで俺は仕返しをしてやろうと思う。今日はまだ何もしてきていないが別にいいだろう。



まずはあいつの足元に上に登る水流を生み出した。するとあいつの片足が思いっきり上がって体勢を崩して盛大にこけた。



水は見えないように調整してあるので、周りの人から見たら突然足を上げてずっこけた人の誕生だ。何やってるんだというような表情でクスクスと笑われている。いい気味だ。



今度はオフィスにてコーヒーを飲んでいる時に仕掛けてみる。



あいつはコーヒーが大好きらしくいっつもパソコンの横に置いて飲んでいる。カフェインの取り過ぎで病気になるんじゃないかってレベルだ。俺は優しいから気を使ってやる。



あいつはコーヒーをいつも通り何の疑いもなく飲んでいる。俺はあいつがコーヒーを口につけた瞬間にコーヒーの中に水を投入した。当然コップの中の水の量が増えたのでその分溢れた。それがあいつのスーツに盛大にかかる。



慌ててタオルを部下に取りに行かせてコーヒーを拭き取っていた。



コーヒーを水で薄めてコーヒー自体の量も減らしたからカフェインは減ったな。あと机の上だとパソコンが壊れるからスーツにかかるようにしてやった。


健康に気を使ってパソコンが壊れないようにしてあげるだなんて俺優しいだろ?



嫌な上司に対してもこんなにも良いことが出来るだなんて俺はなんて素晴らしい部下なんだろうか!



それなのにあいつは俺に当たってくるだなんて。悲しいなあ。




まあ、あいつが俺に八つ当たりしてくるのは日々の俺がやっているイタズラにイライラしてるからなんだろうけどな。




読んでいただきありがとうございます。毎日短編を投稿しておりますのでよろしければ読んで下さい。

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