無いならば、作ってしまえ、機関銃
………
「ミシェル様。そろそろ武器を新しくした方がいいのでは?」
と、ダイヤモンドから助言をうけ、やって来ました工房(仮)。なんかね、流石ファンタジーの世界って感じ。精霊さん沢山います。はい。可愛いね。
因みにここに居る精霊さん、全部私が契約した精霊らしいよ。因みに創造に特化したオパール(十二宝玉序列十一位)の眷属精霊らしいよ。あは。
ミシェルがヤバすぎて笑えない。
『ますたー!なにつくるですか?』
『いつもみたいに近くでぼこぼこするです?』
『それとも、オパールさまみたいに遠くからぼこぼこするですか?』
んー!?ちょっと待とうかそこの信号機カラーズの赤と黄の子。どこでそんな物騒なこと覚えて来たんだい!?マスターはそんなこと教えてないと思うな!?(願望)
『ますたーが言ってたですよ?』
Oh…なんてこった。
と、崩れ落ちる私に優しい彼女達は『ますたー、だいじょーぶですか?』と声を掛けてくれる。優しさに目から鱗が出そうだ。
…本題に戻そう。
武器をつくる。諸君、私の趣味を覚えているだろうか。…男装?知らんな。確かに趣味だけど違う。
そう!!軍事資料の読み漁り!!
となるとつくるものは一つ。さあみんな、青い猫型ロボット風に言ってみよう。
『『テッテレー!遠距離攻撃用のぶきー!』』
………ん!?
「…何故青い猫型ロボットを知っているの?」
『う?ますたーがいっつもテッテレーってやってるですよ?』
また君かいミシェル君。この可愛い可愛い精霊君達に何を教えているのだね君は。
「まあいいか…取り敢えず、機関銃と言っても色々あるしねぇ…最低ショットガンとハンドガンが作れればこの世界では上出来なのかな?いや、まずこの世界に銃という概念はあるのか?いや、なかったとしてもつくるべきだ。そして私がその技術を占領する。そして私を苦しめたあの国に仕返しをしなければ。そのためにはやっぱり銃は欲しいな。できるだけバレルが丈夫でチェインバーが大きめだと尚良しって感じかサイトは…いるかな?この身体すっごく目がいいし要らないか?いや、レンジが長くなると…」
『ま、ますたー?どうしたですか?』
…はっ!また、やってしまった。好きな事になると周りを見ない。詠の悪い癖だ。
『うーん…よく分からないのも少しあるですけど、つくるですねー』
と、信号機カラーズの青君が始めてから早十分。
…うん、まあね、精霊達が言ってる通り機関銃つくってみようと思いましたよ?そしてあわよくばスナイパーライフルがあれば最高だなーとは思ってましたよ?
『ますたー!!できたですよ!!』
私の目の前にあったものは、
スナイパーライフル(特大)でした。
何これ。いくら何でもデカすぎでしょ。え?何?これ持ち運ぶの?え?バレル振り回して相手に致命傷でも与えるの?流石に危なくない?
あ、危ない方がいいのか。
「…嫌、でも流石にこれを軽々と持ち運ぶのは無理じゃないの?…」
とか言いながら持ち上げようとして見る。まあ無理だろうけど…
………持ち上がりましたわ。
はい。自分で自分に引くわ…なんでこんなのが持ち上がる訳?何?薄々分かってたけど、私って身体能力がいいを通り越してお化けなの?
『ますたー!!がんばったですよ!!』
えっへんと信号機カラーズが胸を張る。なんかもう精霊が可愛いから何でもいいや
………
はい、所変わって夜!!
只今敵の本拠地、宮殿に来ております!!
いやぁー、煌びやかですねぇー。イラつきますねぇ
まあ、取り敢えず、何故こんな所に来ているかと言うと、工房で武器作りをしていた所まで遡る。
「いやー…化け物ライフルが出来てしまった。」
信号機カラーズによると、このライフルは口径十二ミリで重さは五十キロとまず現実世界では有り得ないような重さの銃である。そして肝心の玉だが、この剣と魔法の世界にはやはり、銃と言う概念は存在せず、従って鉛玉もなかった。
魔法などで代用出来るだろうが、私はあのトリガーを引いた時の快感を感じたいのだ。なので、鉛玉はないと困る。非常に困る。果たして鉛玉は信号機カラーズの残った霊力で作れるのだろうか。
と、思っていたが、その必要はなかったらしい。信号機カラーズによると、色々頑張って私の魔力を流す事で鉛玉を創造出来るように銃に仕組んだらしい。『ますたーのためにがんばりました!!』と笑顔で言う彼女達がとっても可愛いかった。
という訳で、あの可愛い可愛い信号機カラーズが作ってくれたライフルを使わないのは失礼だと思うので、この前虐待クソ男がいた国を壊滅させに行こうと思います。はい。
お供は遠距離攻撃のエキスパート。十二宝玉のオパールと奇襲のエキスパート、毎度お馴染みアメジストです。今回の私の武器が遠距離攻撃用だったのが嬉しいけど悲しいとオパールは一喜一憂しております。
うん、ごめんね。でもね私銃撃戦やりたいの。詠の願望なの。トリガーを引いた時の快感を味わいたいの。
と言う訳で、記念すべき第一発目、見るからに私貴族です。って感じの屋敷をぶっ飛ばそうと思いますはい。
魔力を流して…狙いはあの玄関口。銃弾出来て
3、2、1、
「ファイアー!!」
ズゴォォンと凄い音がして、建物が崩れ落ちた。
ハハ!!爽快に死ね。
「何事だ!!」
と、軍服を着ている男共が出てきた。
あ、アメジストが行った。奇襲でもするのだろう。
詠はまだ君の奇襲を見た事無いから豪快にやってくれたまえ。
「あ、あの何があったんですか?」
アメジストが男の一人に問いかけた。
「うっせぇ!!今忙しいんだよ黙ってろ餓鬼!!」
と、怒鳴りながらアメジストを横暴に押し退ける。
「…終わりましたわね。あの男。」
オパールのその言葉に、内心同意しながらアメジストを見つめる。
「へぇ…忙しいねぇ…なら、今楽にしてあ・げ・る」
と、アメジストが言い終わる前に男の胴体がお腹の所で真っ二つにされてた。よしよし。スプラッタにしてしまえ。
「所でミシェル様。次は何処を?」
飽きたのか、オパールがそう聞いてくる
「次は高級店街。その次は貴族の屋敷。それが終われば明らかな貧民街や一般庶民の住宅街は無視して軍事基地を叩く。戦力が薄くなった宮殿をぶっ飛ばしてこの国を壊滅させる。」
「承知致しましたわ。」
あ、今の会話の間で軍服の人達増えてる。あ、と思ったらアメジストにぶっ飛ばされてる。あともう少しで終わりそうだと考えていた時、ドンガラガッシャーン!と、何かが崩れ落ちる音がした。
…なんということでしょう。背後にあった高級店街の街並み、そしてそのさらに後ろにある成金趣味の正直目がチカチカする貴族の屋敷が綺麗サッパリ無くなり、代わりに瓦礫の山が積み重なっているではありませんか。
かと思えば、明らかな貧民街や庶民の住宅街には全く被害がなく、壊した人の器用さが分かります。
…何やってんのオパール。
と、この時私(というか詠)の驚きゲージは既にマックスだったが、これだけでは終わらなかった。
「あ、オパール。暇だった?ならすぐ終わらせるよ。」
と、次々と増えてくる軍服の人達を一気にぶっ飛ばした。
…なんということでしょう。あんなにむさくるしく、それでいて暑苦しかった大量の軍服の人達が一瞬にして吹き飛んでいったではありませんか。それもオパールに負けないくらいの瓦礫の山を添えて。
あは。もう私しーらない。ぶっ飛ばしにいーこう。
ってな感じで現在に至る
やっぱ宮殿が煌びやかすぎてイラつくからぶっ飛ばそう!
「弾丸錬成…3、2、1、ファイアー!!」
壁が壊れました。なんと、中からクロスボウをもった人達が沢山出てきたね。
あれ?軍事基地はさっきぶっ飛ばしたよね?
もしかして、ここも軍事基地なのか?だとしたら、
「徹底的に殺すまで。」
バコォォーンと破壊音が聞こえ、瓦礫の山が増加されていく。
「降伏!!降伏するから攻撃を辞めてくれ!!」
と、叫んでなんか偉そうな人が出てきた。
バレル→銃身
チェインバー→薬室…銃弾が込められている所
サイト→標準具
レンジ→射程
トリガー→引き金
知ってるかもしれないけど一応…