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アップルパイの怨み


今度から毎週土曜日の十時頃に更新します。


………


私は今、『ココアとミルクのお菓子屋さん』と言うケーキ屋のテラス席にいる。


私の視線の先には一人の男と少女。年の差を見てみるに、親子だろうか。まあ、親子だと仮定して、あの男虐待してる。

虐待は詠もミシェルも大嫌いだ。


彼奴、イラつく。虐待って犯罪なんだよ?

どれだけ私を怒らせたいの?


「どうしたんですか?ミシェル様」


と、彼女がそう言う。彼女とは、少し前にも私にこんな事を聞いてきた彼女である。

彼女の名前はダイヤモンド。メイド服を着た、清楚な少女だが、その正体はハイドランドという大国の守護宝石である。即ち…


「あぁ、あの虐待をしている男が気に入らないのですね!!分かりました!私があの男をグチャグチャのボコボコにして参ります!!」


世間知らずの脳筋である。

見た目清楚なのに!!見た目清楚なのに!!実に勿体ない。因みにメイド服はミシェルの趣味だった。


「まあまあ、落ち着きなよダイヤモンド。幾らアイツをミシェル様が気に入らないかもしれないと言っても、最終的に手を下すのはミシェル様だ。

俺達従者が手を出す事じゃないよ。」


こっちの燕尾服を着たイケメンはアメジスト。レヴァーティンという国の守護宝石で常識を弁えている宝石だった。


「もちろん、ミシェル様がそれを望めば今俺達が持つ全ての手段を使って、あの男を殺すけどね。」


…訂正しよう。常識(仮)を弁えている宝石だった。

お巡りさん、コッチです。


それはそうとして、このお店のアップルパイが美味しい。これからアップルパイを買う時はここの店にしよう。


「すみません。店員さん、このアップルパイあと三つ、テイクアウトお願いします」


因みに虐待男はアメジストとダイヤモンドがピーしましたとさ。めでたしめでたし。


………


協国連邦議会会議室


そこには、何らかの理由で守護宝石を失った十二の国の国王が鎮座している。


「不味い事態になりましたね……寄りにもよって、守護宝石が奪われるなど。」


「しかも十二!!十二もの国の守護宝石が何らかの者の手によって失われました。」


「守護宝石がなくなった事で、精霊や妖精も応えてくれなくなり、国は衰退中。あまりにも状況が良くないです。今すぐ守護宝石を取り戻しましょう。」


どうやら守護宝石が無くなった事で国が衰退しているらしい。今すぐ奪った犯人を捕まえて、宝石達を連れ戻そうとするらしいが、ここにいる人間は一つ勘違いをしている。


守護宝石は奪われたのではない。自分の意志で彼女に従ったのだ。


紫の人・1057歳男性

「え?だって、こんなちっぽけで俺がいないと満足に魔物退治も出来ない国にいるよりあの御方に着いて行ったほうがいいじゃん。」


無色透明の人・1202歳

「初めてあの御方を目にした時、従うべきと本能的に感じました。反省も後悔もしてません。」


と言う感じで、宝石達は弱者に興味は無いのだ。

強きが正義。強者を求め、長い間飢えていた宝石達を弱き人間がただ、勝手に守護宝石として祀っていただけ。人間に力を貸す義理などない。


馬鹿な奴ら。と内心嘲笑い、彼は愛しの少女の下へ戻った。


………


ここで、一つ守護宝石の紹介をしよう。

守護宝石とは、その名の通り国を守護する宝石である。その他にも守護獣や守護霊などあるらしいが、一番強いのは宝石らしい。


なら、ミシェルは強さを求めて守護宝石を集めたのだろうか。


答えは否。ただ綺麗で美しいものが好きだったからに過ぎない。ぶっちゃけ、ミシェルは強さなどどうでもいいのである。何故ならそこに彼女がいれば各国の最強部隊などと言われているものなど意味をなさないし、大抵の国は彼女が魔法の一撃でも撃てば

為す術もない。


では、何故彼女はまだ国を一つも破壊していないのだろうか。


その理由は……なんとも馬鹿らしい事に各国にあるケーキ屋のスイーツが彼女好みだった。と言う、ほんの些細な事だった。

言ってしまえばそこにケーキ屋がなければその国は滅んでいるのである。


ケーキ屋に守られる国家


笑わずにいられるだろうか。

それ程までに彼女はスイーツを愛し、美味しいスイーツを作るケーキ屋を見つけては嗚呼、また国を壊せなくなってしまうと嘆いていたのである。


おっと、話が逸れてしまった。


彼女は自分が揃えた守護宝石をこう呼んだ。


…十二宝玉と


これを聞いた時、詠はこう思ったらしい。

…ネーミングセンスの欠片もねぇっ!


そして、本人達に気に入られているのだからもう救いようがない。

もう詠は諦め、彼女もミシェルも大好きなアップルパイを食べ、山賊を(十二宝玉が)潰し、今日まできた。


「ミシェル・ローゼンベルク!!覚悟!!」


だが、魔族が来るなど聞いていない。


赤色の瞳に褐色肌。背は小さく130センチ程。

典型的な火属性の魔族だ。

もし、此処がゲームの世界ならこんなテロップが出ていただろう。


《野生の魔族があらわれた》


だがこの魔族、大変運が悪かった。運が良ければこんな面倒な時に飛び込んでくることもなかっただろう。


寄りにもよって、十二宝玉同士の殴り合いの喧嘩の最中。しかも序列三位と四位の喧嘩である。


そんな二人の殴り合いに入って行った結果…


「「うるさいわっ!!」」


脳筋共に殴り飛ばされる。しかも飛ばされた場所が悪かった。その場所はミシェルがお茶をして、今まさに大好物のアップルパイを頬張ろうとしていたその時、ミシェルのアップルパイは……地面に落ちた。


「…」


ブチりと何かが切れた音がした。後にダイヤモンドはそう語る。


その後、この魔族がどうなったか、それはその場にいた本人達しか知らない。


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