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1-0 プロローグ

全角スペースが反映されず、文章力がまだまだ拙い事もあり読み難いかも知れませんがよろしくお願い致します。

落ちる。墜ちる。どっちの表現が正しいのかわからないってか、そんなのどっちでも良い。


真っ暗闇の中、下方に見える白い光に向かって現在高速落下中である。


遊園地に行っても──そもそも行かないが──絶叫マシーンになんて絶対乗らない俺こと拝神入おがみはいるにとって涙目なこの状況、まさに地獄なり……。


身体中に変な力が入って今にも腰が砕けそうだし、大事なアソコもキュッと縮こまっている。


そんな嫌な感覚を数秒間耐えたところで、ストンっと真っ白な空間に放り出された。


もちろん着地なんて綺麗にきまっているわけはなく…否、綺麗な芸術的尻もちだ。


しかし痛みは全くない。


何故か。


何故ならば、これはゲームだから。


もっと詳しく言えば、世界初フルダイブ型VRMMORPGと大々的に発表された新作ゲーム『真世界ソウルバースオンライン』である。


文字通り自分自身がゲームに潜り込めると言うフルダイブ機能を搭載したヘッドギアにソフトを入れて、PCとリンクさせたらそれを冠ってベットに横になるだけで準備は完了。


あとは起動ボタンをポチッとすれば眠る様にブラックアウト。


技術的な事は一切わからないけど、すげぇって事はわかる。っつーか実感した。


ネーミングはもう少しどうにかならなかったのかって声が多々あったみたいだけど、起動してからのあのリアル落下感を体験したらイマイチなゲーム名なんて些細な事に思える。


それより大事なのは安全性だろ?なんて思ったけど、そもそも開発に関わった人が医療系の技術開発を進めてる科学者だって言うんだから問題無いだろう。むしろ問題があったら発売されないよな。


ちなみにこのゲームとヘッドギアは日本限定商品で、初回生産数3万セットが発表と同時に即完売してしまい現在入手不可となっている。


そんなのを入手出来たのはホント運が良かった。と言うか、βテスターの先輩が居なければ今手元に無かっただろう。


βテスト参加者は製品版発売後もテスト機がそのまま使用できるらしく、その他に3セットまでの優先購入権を貰えていたのだ。


それを譲って貰えたのは良かったんだけど、散々自慢された挙句に色んな条件を付けられたから素直に喜べない自分がいる。


まぁ、とりあえず今は楽しまないとね!


さてさて、やっと腰に力が入るな……。痛み以外の感覚は本当にリアルだ。


───「ようこそ『真世界ソウルバースオンライン』へ」


「ふあっ!」


立ち上がってみたら急に声をかけられビビってしまった。ってか、誰も居なかったやん!?


「申し訳ございません。驚かせてしまいましたか?」


そこにいたのはメイドだった。しかもとびきり美人なメイドだ。


変な声を出したせいか上手く声が出てこない。いや、美人に緊張してるのか俺は……。


首をコクコクと縦に振る。


「私は皆様の設定をお手伝いさせて頂いて居りますセティと申します。宜しくお願い致します」


美人メイドのセティは短いスカートの端を摘んで可愛く小さなお辞儀をしている。


これは可愛いな…見えそうで見えないのもまた……。


「よ、よろしくお願いします」


う〜ん、どう見たって本物の人間がそこにいる。VR技術凄すぎだな。ゲームって言われないとわからないぞこれは。セティを見て暴走する輩が居てもおかしく無い。


「あのぉ、ジロジロ見られると恥ずかしいです。あと、お触りはご遠慮下さいね」


「はっ、はい…」


思考が読まれてる?和かにしてるけど、その笑顔は少し怖いですね。


「そんなに怖がらないで下さいね。脳波で色々わかってしまうのはこの空間までですから」


読まれてたらしい。


「そ、そうですか。ちなみに暴走した人なんかは…」


「ええ。長〜〜い距離を落下して頂きました」


満面の笑み頂きましたー。つまりは居たのね。南無南無。


「でわ、早速ですが設定を始めましょうか」


「あのっ、その設定なんですけど質問しても?」


そう、設定。ステータスの割り振りとか、初期職業選択とか種族選択とかそんなんじゃない。今までやってきたゲームならそういった設定をするんだけど、このゲームでは全く違う。


なりたい自分で冒険しよう。それがソウルバースの売り文句になっている。


つまりは、最強の剣士に!とか、絶対ダメージを受けない戦士!とか自分で自分の設定を決められるのだ。


でもそこに疑問が生まれる。そんなんでゲームになるのか?と。


「お考えになっている疑問は良くわかります。それを踏まえてお聞きしますが、最強とは何でしょうか?」


「え?最強は最強だから…」


何にも負けない?それが最強かな?


「では、もし格上の相手には絶対負けないなんて能力があったらどっちが強いですかね?」


「それは…どっちだろ……」


「ダメージを受けないも設定としては出来ますが、ダメージを受けない代わりにダメージを与えられないとなったらそれはどうでしょうか?」


「ん〜、それではゲームが進まないんじゃ?」


「そうなってしまうかもしれませんね。ですので、出来るだけ詳細な設定をして頂けるようにお手伝いをさせて頂きます。漠然とした最強なんて言葉でスタートしない様に。とは言っても、貴方は既に強いイメージをお持ちの様ですが」


そう。なりたい自分、なってみたい自分の設定はもう決まっている。


ただ、本当にそんな設定が可能なのかが心配だ。いわゆるチートになるだろうからなぁ。


「フムフム。チートですかぁ。そんなに悩まなくても良いと思いますよ?寧ろプレイヤーの皆様は全てチートなプレイヤーという認識をしていた方が宜しいかと。勿論チートが全てではありませんが」


「確かに。自分で設定するって、そういうことになるよね」


「はい。その中で頑張って生き抜いて下さいね」


凄い笑顔で頑張れと言われて少し顔が火照った気がします。


「それでは鏡を出しますので、そちらを向いて貴方がイメージしている自分を映してみましょう」


照れはスルーされました。


と、ツッコんでる間に大きな姿見が出てきた。


「まず貴方がイメージしているのは二本の刀ですね」


そう。二本の刀。それも魔剣の類いだ。形は日本刀で漆黒の鞘に納まる魔剣。


「良い感じで厨二全開ですね」


「ブフッっ」


ちょ、恥ずかしいですよ!?思わず吹き出してしまったわ。


「お気になさらず〜。皆様そんなもんです」


セティさん、ちょっと性格が悪くなってきてませんか?


なんて思ってると、鏡には二刀を腰に下げてる俺が映ってるし。刀かっけーですね。


「次は目ですか?」


「はい。魔眼というか、邪眼というか…左目だけ色違いの」


魔眼。見た魔法を自分の物にする魔眼。鏡の中の俺は左目だけが真っ赤になっている。緋色の魔眼、これも良い!厨二上等さね!


「ほとんど出来上がりになりましたね。後は能力的な部分の細い設定と防具関係でしょうか?」


「そうですね。能力はまぁ、読まれちゃってると思いますけど…大丈夫ですかね?」


「はい。問題無いでしょう。ドMさんですか?」


「ちがーーーーーーう!断じて違いますから!」


あぁ、ニヤニヤしてるし。確信犯か……何処ぞの先輩を思い出すわぁ。セティさん、最初は清楚で可憐なイメージだったのにもう鬼に見えてきたわ。


「え〜っと、雷系の魔法で初めから使えるものが一つ。発動すると徐々にダメージを自分が受けるんですね?効果としては、電気信号を体に直接流して脳が反応する前に反射運動を行える自己強化系魔法。超反応ってヤツですか?」


「ダメージがある事で魔剣の能力が活きて来るって仕様にしたかったんですよ」


「なるほど。二刀の内一本がダメージを受けるほど攻撃威力と攻撃速度が上がる魔剣と」


「うん。もう一本は魔法を分解して自分に魔力として吸収する魔剣。これも魔法を分解すると自分にダメージが来る仕様で」


「やっぱりドMじゃねーですか」


「……もう良いよ」


可愛いのに…小悪魔って本当に居るもんなんですね。ぁ、ゲームか。


「魔剣には別の能力も考えてますよね?」


「ぁ、うん。隠し玉的能力として擬人化してくれたらなぁと。修羅に羅刹。名前は決まってます」


ぁ、鏡に映ってるわ。良い!良いよ!


「ただのスケベですね」


ぐっ。俺も男だ。擬人化した刀が女の子で何が悪いっ!


「ワルクハナイデスケドネー」


セティさんカタコトで遠くを見ないで下さい。


「さて、防具はどうされますか?」


なんかノリに慣れてきたな。


「うん。そこは、なんていうかこれぞ初期装備みたいな軽装っぽいので」


何から何まで揃っててもね。敵からのドロップとかイベント入手とか楽しみがあるってのは大事だろう。


「それは素晴らしい考えだと思います。伸びしろが残ってるのは大事なポイントになるでしょう」


ぉぉ、褒められたっぽい。


改めて見る鏡に映った俺はイメージ通りの冒険者になっている。防具は如何にも初心者的な感じでダサいかも知れないけど、チートでスタートすると考えたらこれはこれでありだろう。


「あの、身長なんかは変えなくても?」


ぐはっ。そう来たか……。


「うん…良いです」


はい、俺はちみっこです。大学二年生には見えないんだろうねぇ。童顔で身長157センチ、これで生きて来たんだからそこはもう良いよ。寧ろ利点として捉えてる。身軽は良いよ!は強がりかな?


「そういう割に目つきは直してますよね?」


「………そこは許して」


少しだけ目つきが悪いのはイメージ修正しちゃいました。普段はメガネで和らいでるけど、メガネの魔眼ってのはどうもね。ゲームの中ではメガネしないで良いでしょう。


「性別は──「良いよ!」」


「デスヨネー。それでは最後にお名前を」


「ハイル。ハイルでお願いします」


「了解致しました。設定は以上で終了になりますが、注意点を少しだけお伝えしますね。まずは痛みですが、ダメージを受けても痛いとは感じません。その代わり痺れに似た不快感があると理解して下さい」


なるほど、俺の仕様上その感覚は多く感じそうだな。


「その他の感覚はリアルに近い感覚でありますが、熱さや冷たさ、臭い等ダメージに繋がる感覚は軽減されています。が、ダメージと一緒で不快感を覚えるレベルではあります」


安全の為の仕様だね。


「はい。ですが、ここからはモラルの問題になってきます。他のプレイヤーに対する迷惑行為に関してですが、このゲームではPvPも認められていますので他者との接触があちこちで発生してくるでしょう。度重なるPK行為や粘着行為、異性への猥褻行為等で精神的苦痛を相手に与えた場合は、審議の上ログイン停止やアカウント抹消の罰則が与えられますのでご注意下さい」


これだけリアルに再現されてると猥褻行為はNPCにも及びそうだよねぇ。


「同意の上なら問題にはならないんですけどね」


へ?同意の上なら?NPCの?


「たぶん思っているよりリアルですよ。相手はAIだなんて思えない程にリアルです。感情があると思って良いでしょう」


まぁ、確かにセティさんは人そのものに思えるしね。うん、やっぱりすげぇわ。いや、すげぇなんてもんじゃないな。世界がもう一つ作られたって事と同義じゃないのか?


「そう思って良いレベルでしょうね。私が言うのもなんですが。ちなみに、迷惑行為を感じたNPCは程度にもよりますがプレイヤーを強制排除出来る力があると思って下さい」


はい、素敵な笑顔をありがとうございますセティさん。


「では、旅立ちの時です。鏡に映る自分に飛び込んで下さい」


よし、行ってきますよぉ!


「良き冒険が貴方の行く先にある事を祈っています。お気を付けて」


言われた通り鏡に映る自分に飛び込み、俺は光に包まれた。


自分の設定した自分で本物の冒険がここから始まるんだ。

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