為替介入は「やれるときにやっとくべき!」と思う理由について
◇為替介入は「無駄遣い」をしているわけでは無い
筆者:
本日は当エッセイをご覧いただきありがとうございます。
今回は26年4月30日と5月5日に日銀が行ったと推測される「為替介入」について個人的な意見を述べていこうと思います。
質問者:
筆者:
為替介入とは、為替相場の安定を目的として中央銀行が通貨を売買することを指します。正式名称は「外国為替平衡操作」と言うそうです。
便宜上、為替介入と言う用語を以下も使わせていただきますけどね。
本来、中央銀行は政府と一体とみなされますので市場に直接介入をするという事はあまり良いこととはされていないために話題になっているんですね。
今回に関しては「行き過ぎた円安」を阻止するためにドルを売って円を買ったことが推測されています。
2011年の民主党政権時代には80円台の円高だったために円を売ってドルを買う為替介入が行われました。その時には8兆円規模だったそうです。
このように時の経済状況によって円を買うのか売るのかは行動を変えることもあるようです。
質問者:
なるほど……一時1ドル=160円近くになるほどの円安が進んでいましたからそれを阻止するために行ったという事なんですね。
でも、そんなに大規模な予算をここに使って大丈夫なんでしょうか?
筆者:
多くの方は「円を買った」と言うワードから想起させることは「日銀や政府から資産が減っている」という事では無いかと思います。
4月30日の介入に関しては5兆円規模と言われていますので「そんなに財源があるのなら他に使ってくれ!」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、そもそもそれは現実と比べると間違った感覚なんですね。
起きている事実は日銀の「米ドル現金が減って日本円現金が増えている」ということであり、何か代替え物を買ったわけではありません。
政府と日銀が「どこの国の現金・預金通貨を持っているかだけの差」なのでお金は全く減っていないんですね。
質問者:
あ! そういう事だったんですね! 何か資産が減ったわけじゃなかったんですね!
筆者:
更に外貨準備高は残弾は200兆近くあると見て良いので全く心配する必要はないんですね(ただし大半はアメリカ国債になっている)。
https://www.nikkei.com/prime/minutes/article/DGXZQOCD021240S6A200C2000000
上にもあるように、円安になれば為替差益にも繋がりますので「財源」として充てることも可能になるんです。
多くのアメリカ国債は1ドル=120円ぐらいに買ったものなので、ほとんど全てが為替差益が出ていると言って良いでしょう。
質問者:
でも、アメリカ国債を売ったことが原因で中川昭一さんが亡くなったという話もありますけど大丈夫なんですか?
筆者:
実際のところはしばらく経ってからの政府と日銀の公式発表を待ちたいですが、
各紙報道では「日米の協調介入」であるとも言われています。
つまり、アメリカの許可を得た上で行った行為であるために問題ないという事です。
アメリカ側としても極端な円安ドル高は輸出がしにくくなりますから避けたいのでしょうね。
質問者:
高市政権はアメリカとのパイプも強そうですからその点は大丈夫そうなんですね?
筆者:
恐らくはそうです。
これは僕の持論ですが、アメリカから許可を得たのであれば「やれる限界までやった方が良い」と言うのが僕の感覚としてはあります。
というのもドルのままでは通常の予算に組み入れることは出来ません。
円の状態になったものが防衛費増額の財源になった事がありました。
https://www.sankei.com/article/20230731-E44RNVAGFVPIZOPL65XMKI2LBA/
質問者:
まさに「為替介入し得」の状態じゃないですか!
適正な為替と言われている1ドル=120円や130円になるまで為替介入をしたらいいのではないですか?
筆者:
そこまで大きく為替介入をしてしまうとアメリカ国債を大量に売らなくてはいけないためにアメリカ国債の価値が暴落したりするリスクがあるためにアメリカ側が了承する可能性はゼロでしょう。
質問者:
アメリカからは軍事も農業も握られていますから、そんな怖いことは出来ないという事ですか……。
一つ疑問に思ったのは円安が輸出企業にとってプラスなのにどうして介入をするんですか?
結局のところ自民党さんは企業献金を行っている大企業や経団連の言いなりですからね……。
筆者:
日本の輸出経団連企業からしたら円安の方が「ホクホク」と言う要素はあります。
ただ、決算のたびに輸出企業は「想定為替レート」を掲げる企業もあるのですが、それよりもあまりにも円安になれば株主からは過去最高益を出しても評価されにくい側面もあるために、急激な円安は望んでいないと言う側面があるんです。
ここで注意したいのは「急激な円安」を望んでいないだけで、
質問者:
筆者:
しかもこの数円程度の円高と言うのは一時的なものである可能性が極めて高く、
トレンドが円高に転換したわけではありません。
結局のところ日本に対して将来性を感じているかどうかで円を持っているかどうかの評価が変わってきます。
何せ人口減に加えて実質的な増税(負担増)という円安になりそうな要素しかありません。
1・2か月の間は「為替介入があるかも」ということでそこまで円安にはならないかもしれませんが、長いスパンで見た場合は確実に円安になると思います。
円安とインフレになってくれた方が商品価格を上げやすく企業は利益を上げやすい状況にありますからね。
インフレは最も借金をしている国や大企業の借金軽減にもなりますので、彼らにとって見たら非常に期待したい出来事でもあるのです――国民にとっては収入が増えても税金も増えるので働いても豊かにならない最悪の状況ですけど……。
◇せっかくの「財源」を「国債償還」してしまえば終わり
質問者:
結局のところ円安と増税で日本が縮小していくイメージしか湧きませんでした……。
ですが、今回為替介入をしたことから新しく財源を5兆円以上得たわけですから、それを他の政策に使えば良いのではありませんか?
筆者:
僕もそうは思うのですが、必ずしもそうはなってくれないのは悲しいところです。
僕のようにマニアであればそういう発想になりますが、冒頭に紹介したように「5兆円消費した」とまで思ってしまう方がいるわけです。
「財源を得た」と言う認識が世間一般通念に無いと、政府が有効な手を打ってくれるとは限らないのです。
質問者:
筆者:
それならまだ良いんですけど、「国債償還」に使われてしまう可能性があります。
外為特会は国債整理基金特別会計と共に特別会計に存在しています。
そのために味気なく国債償還に使われて何事もなかったようにされてしまう可能性もあるのです(特別会計同士のために見えにくい)。
こうなると、せっかくのアメリカを怒らせること無くドルから円に変換した大チャンスを、無に帰する事になるでしょう。
質問者:
え、国債償還って通常の予算にもありますよね? 特別会計の国債の償還とどのように差があるんですか?
筆者:
いわゆる「60年償還ルール」と呼ばれる分の償還+利息については特別会計で安定して償還しようという考え方があるんです。
この「60年償還ルール」と言うのは日露戦争の戦費のために借り入れた時に日本が国際的信用が薄かった時に作った制度であり、1986年に返済が完了してからは不必要であるはずのものなのです。
質問者:
ほとんど形骸化した制度のために5兆円が消化されてしまうかもしれないという事ですか……。
筆者:
高市政権は「責任ある積極財政」を掲げていますが、その「責任」の先は日本国の発展では無く「財務省」に対する責任であると思われます。
財務省はあらゆる省庁の予算を握っているために他の省庁の上に立っています。
そして財務省の職員は少しでも国民から搾り取る方法を考えることで出世していき、その後天下りしていくのです。
異常な観念や利権のために日本が狂っていってしまっているのだと思いますね。
経済のことは難しいですが一つ一つ誤解を解いていけるように力を尽くしていければと思いますね。
今回のことで言うのなら為替介入をしたお金はドルが円に変換されただけで資金は減っておらず、むしろ「財源」にもなる得るという事ですね。




