合言葉がトラップすぎて親友を殺してしまった件について ※悲しい……
俺は国家反逆を志す組織の門番だ。
今日もいつも通り夜の門番をしている。
夜は給料が上がるからお得だ、それに俺は夜型だから苦にもならない。まさに天職だ。
しかし、俺はとんでもないミスを犯していた。
昨日の二日酔いが原因で前の門番の引き継ぎ書をだるくて読んでいなかったのだ。
しかも、重要な合言葉が変わっているではないか。
それに気がつかず、仕事を全うしていた。
「平和だなぁ。国家の犬どもなんて一度も来た試しがない、無駄な事してるよなぁ。……まぁ、金もらえるから良いけど」
暗闇の中をひたすら見つめていると、ポツリと火が灯る。
だんだん近づいてくる灯火に警戒すると、眼の前に現れたのは……俺の親友ハレルヤだ。
一応、門番としての役割を果たすために一言。
「合言葉は……?」
すると、とんでもない答えが返ってきたではないか。
「――裏切り者だ……」
俺は確認のために聞き返す。
「もう一度頼む、合言葉は……」
だが、期待していた返答ではなく……。
「――裏切り者だ……?」
俺は手にもっていた銃を容赦なく連射した。
結果、親友は蜂の巣になり、二度と戻らぬ人となってしまった。
自ら裏切り者とのたまった親友の最後の顔は、驚きに満ちた顔だった。
まるで、おかしいのが俺みたいな――。
音を聞きつけた仲間たちが次々と基地から出てくる。
そして、一人の男が事情を聞いてきた。
「何があったんだ!? お前が親友のハレルヤを殺しちまうなんて」
俺は端的に答えた。
「裏切り者だった」
その言葉で周りはなんだかざわめき始める。
「もしかして、合言葉の時。裏切り者だって言ってなかったか?」
よくわからない質問に小首を傾げる。
「あぁ、そうだが」
その言葉で明らかに場が静まり返った。
「お前、引き継ぎ書読んでないだろ! 合言葉は今日変わったんだよ! 裏切り者にな!」




