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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

六六大順

「なんかすごい良かった………」



息を整えながら、僕は君の部屋の天井を視ていた


先刻まで僕の気道を圧迫するのに使われていた制服のネクタイが、僕の胸の上に置かれて居る

必然、呼吸に合わせてネクタイが上下するのが視界の隅に視える

僕は視界を下げてネクタイのくしゃくしゃさを観察しながら、言いようの無い興奮を感じて居た



「今度、僕がやる!」


窒息の昂揚を残したまま僕は飛び起きると、ネクタイを両手で持ち、君の瞳をキラキラとした眼で覗き込んだ


「『楽しい』はシェアしなくちゃ」という言葉を聞いた事が有る

事実、この楽しさを僕は君にも体験して欲しいと思っていた



「ぼ、ぼくは良いよ別に……」


君は狼狽えながら、両の掌を向けて僕を制する


「昔、結構やった事あるし……」



逆にその断り方のせいで、僕はどうしても君にも窒息をさせたい気持ちになった


「誰としたの?」


「昔、その……色々教えてくれたおじさんと……」



「僕もしたいんだけど」


遮るように僕は言った


「絶対に」



僕は嫉妬心から、君の肩を強く掴んで言った


そうする事になった




「ねぇ……!もっと、優しくして……」


馬乗りになった僕の下で君が、首を締めているネクタイを必死に両手で掴む

既に20回程、同じ失敗を繰り返していた


どうしてもやり過ぎてしまうのだ

君の苦しむ顔をもっと視たくて



「もう止めよう」


君がうっすらと涙で濡れた眼で、僕に言う

僕は「あと一回だけだから」と答えると、また君の首にネクタイを巻いた


君が「ひっ」と声を上げる



「たすけ……」


なんて顔をするんだろう

そんな顔をされたら止めたく無くなってしまう


その時、躰の下で動くものが在った

君の下腹部が熱を持って、行き場を求めるように衣服を挟んで幾度も僕に触れていた



「本当は嬉しかったんだね」


ネクタイを左右に思いっきり強く引くと、君の躰は数回引き攣ったあと、二度と動かなくなった

振り向いて、さっきまで灼ける様に熱かった部分に触れる


躰液にズボンがぐっしょりと濡れていて、僕は触れた手を嗅ぎながら「ふふふ」と微笑んだ



あとで君の躰は、天井から吊るして自死っぽい姿にしておこう


電飾も付けたらクリスマスツリーみたいになるだろうか

元々君は暗くて友達も居なかったから、多分みんなおかしいと思わないよね



僕が思った通り君は『自殺』として扱われ、調べられる事も無かった

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