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熊と俺と家  作者: ハミル
3/6

③ たべるよ

Rusty Nail X JAPAN


行ってくる

カンナベット

おとなしくしているんだぞ


ニャー


カンナベット

私は死んでも、なお、わからないのさ

熊や動物を狩って食べたこと、

善悪のことだよ

私はエメラルド山でずっと暮らしていたからね

あらゆる動物を狩ったよ

鹿や猪はもちろん

キツネやタヌキもそうだね

ウサギやリスだって

ハクビシンにヌートリア

野に暮らす、犬だって例外なんかじゃないよ

私はどうやら猫の祟りに当たったみたいだね


わからないよ

正解不正解なんて

答えなんか必ずありゃしないんだからさ

唯一

それぞれの心に育つ答いなのかもしれないね


私はね、

息子のナオトにやはり肉を食べさせてあげたかったんだよ

みんなだって分かるだろう、どんどん逞しくなる、

成長期の息子に肉を食べさせてあげたいじゃないか

いや、言い訳だね、うん、うん、困ったもんだね、死んでもなお対面を保とうとするなんて

私も動物の肉に魅せられてたんだよ

でもね、晩年は命食はね、

メイショクはやめたんだよ

田んぼで稲をやってね

畑を耕して野菜を栽培してね

森の中を散策すれば山菜なんかも豊富だし、

ナッツだってフルーツだって獲れるからね

そんな豊かな環境に恵まれていたって

欲しがるんだよ、、、

肉は王なんだよ、、命はうまいんだよ


ああ、そうだったね

ナオトかい

あの子は、22の頃だったかな

山を降りたよ


それから22年過ぎてね

あの子に出会ったのは、ね

あの子の優しさを知っちまったからね

そうだよ、ハミルだよ


花美留は衰弱する私を。


ごめんね、ありがと


ナオトの一番の好物は

熊肉だったんだよ


今でもきっと


熊を求めてるに違いないよ



エメラルド山


ワエハ!

キサマ様!


おお!

バーへンじゃないか


ワエハ

元気か

キサマ様も


久しぶりじゃの

バーヘン


はい、ん?

なんですか

この汚れた熊は?


ハミルだ

俺たちの仲間だ


そうなのか

ワエハ

この熊、ハミルだっけ

俺たち嫌ノ星に入れるのか


ああ、

ハミルは特別だ

俺たちイヤノホシの仲間


そうか

ゴキブリにハエにヘビに熊か


まだまだ

カラス、クモ、シロアリに

ネズミだって嫌ノ星の仲間じゃよ


キサマ様


のう、ハミルよ


うん

みんな、仲間だ


おい、ハミル

ペロリ、ペロ


ん?おい!

バーへン!!

なんで俺ッチを舐めるんだ!


お前、微かに人間の匂いがするな


ああ、どうしてそれを・・


俺たちヘビは嗅覚が鋭い

よく蛇は舌を出したりするだろ

ベロで匂いを捕まえるんだ


そうなのか

舐めなきゃダメなのか


いや、舐める必要はない

ペロリシップだ


・・・やっちまおかっな


汚ねえぞ、熊

そういう脅しよせよ!


〜熊が笑ったら、蛇も笑った、つられて蠅まで笑ったから、ゴキブリは笑顔〜


ハミル

嫌じゃったら話さなくても良い


キサマ様

いえ、話すべきとは思っていたんです

実は、俺ッチは

人間と暮らしていたんです

バーヘンにはわかったか


俺もわかってたぞ

もちろんキサマ様も


ワエハ

キサマ様

すいません


いいんじゃ

人間との生活は

やはりムツカシかったか


うう、いえ

あいつは、ナオトは

いい奴でした

し、しかし


どうした、ハミル


に、匂いが


匂い、か


あいつは

熊食いです


ナオト

はあはあ、

辿り着いた


この丘で


お前を待つ


くだらない唄 BUMP OF CHICKEN


ばあちゃんと同じ匂い

カンナベット


熊ハミルはね


熊食いの私を


ありがとう


花美留


ごめんね


直人






花美留


はあはあ


ごめんごめんなさい


花添え


くうよ

ばあちゃん




L'Arc~en~Ciel 花葬


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