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第二章 学園都市(ウニベルシタス)の魔道高等学院(エヴューパウニベル Evieous Path Univers) 1 自由を得させる真理

「僕は、あのとき、家畜人類達を魔族もろとも蒸散させたことを、今は悔やんでいる……あのとき、家畜人類たちと魔族たちは、虐げられていた母をかばう幼子を寄ってたかって襲っていた......だから、僕は奴等を許せなかった! 智姉の制止に従えなかった! でも、それは罠だったんだ......智子の犠牲に繋がった......僕は、内に保っていた真理を捨て去ってしまったんだ……僕は真理をわきまえるべきだった......僕が、犠牲と復活の真理を拠り所としていれば、啓典の父が僕を正しく導いてくださったはずだった......弱い者達である家畜人類たちを責め、叩き、糺すことなどしなかった……他の人間たちを責め叩き糺すことは、自らに正しさを見いだせないがゆえに自らを正しいと主張すること、つまり偽りを主張することに他ならない……つまり僕は、内部に真理を持たぬ嘘つきだった.......もちろん、魔族たち、そして魔族に乗せられて雷同する人間である家畜人類たちは、他を攻撃する......しかも、弱い立場の者たち、許しを求める者たちを特に狙いめにして攻撃する......そんな奴ら、悪魔を父とする魔族たち家畜人類たちと、僕は同レベルの同類になり果ててしまった......ああ、啓典の主よ、僕を憐れみ、もう一度真理を教えて自由に至る導きを与えたまえ......」


 地脈が破壊しつくされてからしばらくたったころ、魔族たちのいなくなった荒野の洞窟では、直哉は梓晴とともにつかの間の休息をとっていた。この時、直哉が寝言で発した悲痛な祈りの叫びは、横に寝ていた梓晴を驚かせた。


「直哉、あんた、うなされているの?」

 梓晴は、直哉をゆすって起こそうとした。だが、彼はまだ泣き叫ぶように寝言を言い続けた。

「ああ、智姉!」

「直哉! あんた、あの時のことをまだ悔やんでいるの? まだ悩んでいるの?」

 この時、夢の中で直哉に語り掛ける声が、不思議にも梓晴にも聞こえてきた。それは、まるで智子の声が直哉に語り掛けているように聞こえたのだった。

「直哉よ......魔族、そして家畜人類たちは、その内に真理を持たぬ......彼らは大魔である父から出たものであって、その父の欲望を満たしたいと思っている......彼らの父たる大魔は、最初から人殺しであって真理を拠り所としていない……彼のうちには真理がないからだ……大魔が偽りを言うときは、その本性から言っている......大魔自身が偽りものであり、その父だからである......彼らは、真理を語る者に耳を持たない......対して、啓典の父に属する者たちは啓典の言葉、真理を語る者に聞くものだ」

 その言葉が終わった時、直哉の泣き声は、すっかりすり切れていた。

「ああ、それなら、智姉! 僕は真理をもう一度知るべきだったんだね......僕は他の人間たちを責めずにいることを学ぶべきだったんだね......それも、智姉の消え去る前に!」

 この時の直哉は、まるで目の前の智子の背後に潜む者めがけて、祈りをぶつけるように両手を伸ばしながら叫び続けた。彼はその自らの声に驚いたように、手を伸ばしたままの格好で目覚めた。


「あんた、ずいぶんうなされていたわね」

「あぁ......うん、智姉の夢を見ていた......」

「智子が身を挺してあんたに何かを残してくれた......そうなんでしょ?」

「わかった風なことを......」

「そうよ、あんたの寝言からすると、智子はあんたに大切なものを残してくれた......」

「確かに......そうだ……」

「あんたは、あんた自身の中に真理が保たれていないから、弱い他者を責めてしまう、とか、言っていたわね.......あんた、そんなずいぶん難しいことを、一人で悩み続けてきたのかしら? その何かを、これからも一人で抱え続けていくつもりなの?」

「僕のレゾンデートルなのに、僕は未熟すぎた......智姉ともねえのためにも学びなおさなければ......」

 この時、直哉は、真理を内に保つことをもう一度学びなおさなければ......他者を責め叩くことがないように、学びなおさなければ......と決意を固めていた。梓晴は、彼の様子を見つめながらある提案をした。

「そんなに悩むことがあるのなら......そんなに自分の未熟さを責めるなら……それなら、いっそ自分をさらに追い詰めてみたらどうかしら......いまの貴方は、智子が生きている間には敵を見極め切れなかった……今まで出会った王や女王たちの背後にいるはずの黒幕......それが誰なのか......それを追求する孤独な闘いをあなたは一人だけで抱えて悩んできたんでしょ?......そのうえ、ほかにも深い悩みを一人孤独なまま抱えているなんて...…あまりにむごい」

「僕は、そのために生まれて来たんだよ」

「じゃあ、これからもそんな酷いことをつづけるの? そう...」

 梓晴はそういうと、少し考えてからある提案を直哉にぶつけてきた。

「それなら、あんたの悩みとあんたの追及する黒幕を探るのに、ちょうど良いところがあるわ! 魔王の建てた帝国魔道高等学院(エヴューパウニベルよ......そこでは、入学生達が全て魔族や家畜人類達で占められていて、互いに相手の弱点や間違いを責め叩き合う切磋琢磨の研究と教育の機関らしいわ」


 梓晴に言うとおり、ちょうどその頃、魔王自らが魔導高等学院を作るという噂が、魔族社会では持ちきりだった。それは、魔族たちにとって命綱である地脈が次々に破壊され続けたことに、全ての魔族たちが脅威を感じていたことの裏返しでもあった。梓晴は、魔族の一角に属していたこともあって、その具体的な動きを知っていた。また、梓晴にとって、ある意味で魔族を目指す直哉とともに高等学院に高校生として入学することが、魔族たちの中へもう一度入り込めるむ絶好の機会だった。


「直哉、よく聞いて! もともと魔族は、他者を責め叩いて自らを高めるという技術、つまり魔道を磨いてきたのよ......魔法も魔道の一つね……魔法とは、他の存在を叩き翻弄し興奮させて......生命エネルギーを搾り取って魔素にして利用する技術ね……そんな魔法が魔道の最たるものかしら......そんな魔道を追求する魔族たちの中に、あんたが入り込んでみたらどうなるかしら......彼らは、自分の過ちにこだわったり認めたりしたら、正義ヅラした彼らは徹底的にに叩きにくるわよ! 他者を責め叩くことをしないというあんたの姿勢を維持したまま魔族の中に飛び込んで、あんたが内部に真理を保てるかどうか、試したらどうかしら? それにこの学院は魔王が立てたもの......女王ツィラたち王族の元締めの正体を知る機会もある筈よ......そういえば、あんたはまだ高校を卒業していなかったわよね......ちょうどいいわ! 魔道高等学院に入学しましょ!」

 梓晴が持ち出した魔導高等学院入学の提案は、梓晴が大魔ルシファーが彼女の潜在意識に囁いた魔術によって発した言葉だった。しかし、このことが、大魔ルシファーの思惑とは異なって、大魔ルシファーと彼を父とする魔族や家畜人類達の滅びにつながっていくことなど、誰が想像しただろうか。

…………………………………


 この時代、先史人類時代のような駆動源を有する車両は存在しなかった。魔族たちにとっては、駆動源がなくとも車輪さえあれば車両を造作なく動かせる。そんな車両が、この雅安には溢れていた。

 ここ雅安は、カラコルム山系の谷深くに隠された神殿都市へと、魔素以外の物資を運び入れる物流拠点だった。同時に、ここは神殿都市へ物理的に移動してアクセスできる唯一のルートにもなっていた。

 雅安は、その東側の大陸部分が沈んで東から大きく旧中華帝国湾が入り込んでからは、その海へなだらかに落ち込んでいく崖のすぐ上にあった。魔族たちは、廃墟として残されていた先史人類たちの建物や倉庫群を、そのまま利用していた。彼らは、自ら建物を建てることはできなかったし、家畜人類たちの技能は、先史人類ほどの高度なものではなかったからである。


 魔道の様々な機関がこの地に設立された。その地が魔族たちにとって家畜人類たちを飼い続けるに、ちょうど良い気候であったためだった。多くの家畜人類たちを集中させたことで、地脈がなくとも濃い魔素が大気中に分布した。この意味で、魔族たちもこの近くに住むようになった。このころからであろう、魔族たちは、必ず異性の家畜人類を伴って行動するようになっていた。また、ここは同じ意味で、魔王にとっては冬の首都、冬の宮殿の最適な場所でもあった。そして、学園都市(ウニベルシタス)魔道高等学院(エヴューパウニベル)が設立されたのも、同じ理由だった。


 魔道高等学院…直哉たちによって世界各地で地脈が破壊されつつあった時、魔族たちは新たな魔素供給システムを開発する必要に迫られた。それとともに、魔素の供給される形態に合わせて、魔族の発揮できる魔法を新たに構成しなおす必要もあった。また、各種魔族のすべてが、これから各地で展開されるであろう戦いのために、それぞれの魔族としての能力を高める場も必要としていた。魔族の能力、それは、他の存在を叩き翻弄し興奮させて......生命エネルギーを搾り取って魔素にして利用する、大魔ルシファーに由来する能力だった。これらの能力の教育研究機関が、魔道高等学院だった。


 魔道高等学院設立の日、雅安には、様々な魔族たち、また来魔族と呼ばれ、長い間カラコルムの深い谷あいでのみ棲息し、魔王ラーメックによって召喚された魔族中の高潔種たち、つまり吸血、人喰い、羅刹、酒呑童子、鬼、サキュバスたちが集まって来ていた。彼らは、魔道高等学院で魔素の供給と獲得の仕方、魔族の能力の高め方、などについて、教育を受け、また研究するために入学を待つ者たちだった。


 この魔道高等学院は、魔王ラーメック自らによる発案だったこともあり、設立と同時に行われた開学式で、彼はこうあいさつした。

「魔王ラーメックである......

いま、ここで、我々の歴史を振り返ってみたい.....…

 我々魔族は、私の一族つまり魔王一族の下で、大昔に現在の魔族たちの先祖たちの首都だった古代都市モスコを再建して、西方首都ウラジモスクを建設できた。それほど我々魔族は発展したはずだった......その後、我々は『証人』と呼ばれる人間たちと戦い、西方首都ウラジモスクは壊滅させられ、我々魔王一族も魔族もが滅亡寸前まで追い込まれた....その後、西方首都ウラジモスク壊滅とともに、『証人』たちは消え、我ら魔王一族と魔族はともに最終的には生き残った。

 その後、今では、我らは全地の人類を家畜として管理するとともに、人類から得る魔素原料と魔素とを輸送供給する地脈の網を全地に張り巡らして、全地を支配するほどに勢力を取り戻した......はずだった......だが、最近になって我々は、魔素の供給網であった地脈をすべて失った......それらのできごとから、我々は再び『証人』たちが動き出したと考えたが......これらの仕業は、最近捕捉された『高橋直哉』という謎の存在だ......彼は、私が予想した以上に手ごわい……家畜人類どころか、通常の魔族たちでも翻弄されている......私は、従来とは異なる戦術を研究しなければならないことに気づいた....そこでわたしは、さらに魔道の高みを追求することを考えた…

 そのために私は、魔道高等学院を此処に設立した…ここで、地脈の失われたこの地において、新たな魔素供給手段を開発すること…新たな魔族の魔法を得ること…従来よりもはるかに強大な変異魔族つまり先史人類から高度化した魔族ではなく、我々魔王一族の種族である鬼魔族たち、吸血、人喰い、羅刹、酒呑童子、鬼、サキュバスという新手の鬼魔族軍団を養成すること…そして、魔道の真髄つまり他者を責め叩いて自らを高めるという技術を強めること…これらの修練、教育と研究とによって、ふたたび全世界を支配する力を獲得することが、我々の目指すところとなった……

 この学院で、我々は魔道をさらに追及する。」

____________________


 直哉は、梓晴とともに雅安に来ていた。もちろん、直哉は、口にはまるで封印をするマウスピースに変形させた「呪縛司の地図」を嵌めこみ、全身毛皮僧衣にフードとヒジャブを身に着けて例の木刀シェイベッドを杖のようにして持ち、如何にも女祭司のように装っていた。梓晴もまた、魔族の女に身を窶していた。

「あの建物が学院なんだろうか」

「そうね あれが講堂ね、あれが女子寮ね」

「僕は、男として入学して、男子寮に...」

「あんたは、魔族の女のはずでしょ!」

 梓晴のこの言葉に、直哉は何か不穏なものを感じて、引き返したいという衝動に襲われた。

「僕は、既に経験豊富な祭司だから、もう教育は要らないよ......だから、魔族の高校に入学する必要がないよね...幸い、まだ入学願書申請手続きを完了していないから、このまま帰ってもいいかな」

 直哉はおろかなことを口走りながら、もと来た方向へ帰ろうとした。梓晴はそれに気づくと、彼のフード越しに彼の頭を抱えるように締め上げた。

「あ、血行が止まる、気が遠くなる!」

「そう、それならちょうどいいわ......このままいきましょ?」

「あ、意識が戻った! いま、梓晴はなんて言ったの?」

「あんたも行くって賛成してくれたのね、と言ったの」

「僕が、そんなことを言ったの?」

「そういうことよ......じゃあ行きましょ!」

「待ってくれよ...…だいたい、なんでまた女祭司の格好をしなければいけないんだよ?」

「だって、今までは女地脈術者の格好で地脈の破壊工作をうまくできたんでしょ? あんたは体を覆っていれば、華奢な魔族の女に見えるからね.....ただ、今までの地脈術者の格好では、破壊工作をしてきた女地脈術者と見とがめられるに違いないから、ここからは女祭司になってもらったのよ」

 彼らはそのまま学院の事務棟へと入り込んだ。


 しばらく進むと、事務棟入り口付近には、魔族の入学試験受験志望者たち、つまり今までなじみのある魔族ばかりでなく、鬼魔族つまり吸血、人喰い、羅刹、酒呑童子、鬼、サキュバスを含む人だかりができていた。梓晴はその人だかりの中に直哉を引きずり込みながらズンズンと入って行った。その行為は、当然ながら、力づくで入り込もうとする人だかりの全員を刺激した。

「あんた、私が先だよ」

 梓晴がかき分けた時、一人の女がかみついた。梓晴はそんなことに臆せずに怒鳴り返した。

「へえそうなの? あんたがのろのろして動かないから、邪魔だったのよ」

「待っているのが分からないの?」

「わからないね! 止まっている奴はみんな邪魔だよ!」

「なんだと、この女!」

 この後、人だかりの全員が相互に口汚くののしり合う状態になった。この時、直哉はもみくちゃにされながら、あることにやっと気づいた。周囲は、全員が女の魔族たちだった。

「梓晴! 梓晴! 周りは女だけだぞ!」

 直哉は梓晴の背中に向けて、何度も何度も呼びかけた。梓晴は、入り口に入り込んでからやっと直哉に応えてくれた。

「女だけなのは、当たり前よ! ここは女子部なんだから」

「えー!」

「地脈術者の時も、あんたは魔族たちの中に女をまねて入り込んだんでしょ? だから、問題ないでしょ?」

「そ、それはちがう!」

「何が違うのよ!」

「この書類には、全寮制と書いてあるから......」

「そうよ、全寮制だから、あんたも女子寮に入り込むのよ」

「ま、待ってくれよ! 男子寮はどこなんだよ!」

「男子寮ね.......男子部が100キロ離れたところに設置されているから、そこに男子寮がある筈ね」

「僕は、毎晩、その男子寮に行けないのか?」

「無理ね……さあ、ここからはそんな質問をしないでね……疑われるよ! いいわね、一切これらの話題は命取りだからね!」

 梓晴が直哉を見つめた視線は、厳しかった。


 願書提出手続きが終わって、彼らは早速女子寮へと入って行った。翌日に行われる入学試験を待つばかりとなった。

 校舎や女子寮は、魔族の棲む施設にしては清潔に保たれていた。見ると、先史人類時代に設置されたらしい自動化清掃機械が動き回っていた。ほかに目をやると、食堂のサーバーから施設の設備管理機器までが、全て機械化されていた。これだけの自動化施設はおそらく以前は高級ホテルとして使われていた建物だった。今の時代まで、先史人類の遺物の中で最も大切に維持されていたものであり、魔王がこの学院にどれほどの思い入れを持って設立したのかがうかがわれた。他方、家畜人類たちが此処で使役されていないのは、学院内で家畜人類たちが使役された際に闊歩する鬼魔族たちに喰い荒らされることを防止するためでもあった。


「みなさん、明日は入学試験が実施されます……本日は、身を清めて明日に備えてください」

 量の中に、そう大声が響いた。どうやら放送機器は失われたらしく、大声で職員が各階層に呼びかけているらしかった。

「さあ、下着を入浴着に替えて、地下の大浴場へ行きましょ......そこには個室のシャワールームがあって、体を洗うことが出来るから」

 ここで、直哉は一安心した。胸と下半身を覆う入浴着を装着したうえで、普段の服装のままで移動するのであれば、少なくとも互いに裸身を晒す恐れはなかったからだ。


 地下へ下っていくと、広大な空間が広がっていた。その天井下には、岩盤と建物の基礎部分に遮られた各空間があり、各空間ごとに広大で様々な湯池(とうち)が設けられていた。降り立った魔族たちは我先に脱衣場に至ると、入浴着のみの姿になって、それぞれの好みに従って様々な湯池とうちへ散って行った。直哉は梓晴に引っ張られながら、周囲の女たちの姿態に目を向けぬように下を向いたまま、進んだ。そのため、時々躓いたり、梓晴に寄りかかりそうになりながら、なんとか一つの湯池(とうち)に行き着いた。

 湯煙の向こうに、うっすらと個別シャワールームがずらりと並んでいる様子がうかがえた。個室とはいっても、下半身だけをとりあえず見えなくする幅の小さいドアが備えられているだけだった。これでは、湯池から、洗っている姿が特に上半身が見えかねなかった。

「あそこが、個別のシャワールームか」

 梓晴が、直哉の視線の先を確認して、少しばかりの説明をし始めた。

「みんな、あの中に入る時に入浴着を脱いで体を洗うのよ......念のために言うけど、皆が洗い始めて湯船が空になった時に、個室に入った方がいいわよ......そうでないと、誰かにあんたの全身が見られかねないからね......男であること、しかもあんたが魔族でないことがばれてしまうからね」

 間の抜けた顔をしていた直哉だったが、梓晴の指摘を聞いて彼はハッと表情を引き締めたのだった。

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