第五十話 逆木賢治と剣術師範
時は少し巻き戻り…………。 は、いいんだけどふと気づいたことがあります。
連理達のいる街って、名前決めてたっけ? と。
一応確認したのだけど……無かった………………はず。
なのでここに決定します。
ちなみに短めです。
その日、逆木賢治は休みを利用し、珍しくひとりで遠出をしていた。
彼は誰かといるのが好きだ。
孤独に気を病む程では無いが、ひとりよりふたり、静寂より喧噪を好む。
だから、遠出をするのであれば、何のかんのと理由を付けて誰かを一緒に連れて来るのが本来のスタイルではあったが、今の彼はひとりであった。
自宅のある藤ノ宮市から、連理の通う琴倉橋高校のある花宮市を通り過ぎ、その先にある鈴宮市へ。
単純距離にして200㎞程離れた場所に位置する港湾都市だ。
ただ都市とは言っても海と山々に囲まれた、良く言えば自然豊かな、悪く言えば狭く閉塞感のある田舎町と言える。
土地自体は広いが平地面積が狭いこの街は、人口こそ「市」を保っているものの特出する様な産業も観光スポットもなく、どうしても「閉塞感」が拭いきれないのだ。
もっとも、それには裏の理由が存在するのだけれど。
賢治は車を走らせる。
それは久しぶりに走る道ではあるが迷う様な場所ではなかった。彼の生家は元々こちらにあったからだ。
彼は仕事の為に引っ越し、結局そのまま藤ノ宮市に居着いたのである。長男であった彼はその際に両親も連れていった為、こちらにはもう生家と言えるものはなく、他人の住まう別の家があるだけであった。
何処か切ないその気持ちは帰郷する度に蘇る。この街こそが故郷なのだと、心の奥底では思っているのかも知れない。
市の南側から北側へ、車を走らせる。
東西を山に挟まれるここは南北に伸びた市街地を持つ。
目的地は住民に北街と呼ばれる北部。
それより北には海、東西には山、南には街が伸びているという、何処から足を伸ばしても遠いと実感できる場所にある。
交通の便が悪い、というより立地が悪いのだが、漁場としては富んでいる為、人の動きはそれなりにあったりもする。
そして賢治は住宅街の一角で車を止めた。
それなりの広さを持つ様に見える一戸の住宅だ。表札にはただ「葦原」とあり、名は刻まれていない。
インターフォンを鳴らす。
少し待つが返事がない。
もう一度鳴らすが結果は同じだ。 どうも留守らしい。
確かに連絡も入れていなかったのだから留守にしている可能性はあっただろう……と、肩を落とす賢治だったが、再び車上の人となるとめげずに別方向へハンドルを切った。
十分と掛からず次に車を止めたのは、まるで武家屋敷の様な門扉を構えた屋敷の前だ。
――厳剣術場
そう書かれた木製の看板が堂々と主張する剣術道場。もっともそう言いながらも教えるのは剣術だけではないらしいが、それ程身体を動かす事が得意でない彼はここの門下生という訳ではなく、あまり詳しいことは聞いた事はなかった。
知っているのは今回彼の会いたかった人物の友人がここにいる事と、その友人本人も「此方側の事象」に造詣が深いと言う事。
門扉にインターフォン等は付いていない為、賢治は大門の横にちょこっと備え付けられている通用口の扉を開けると、
「失礼します」
と声を掛け、扉を潜り抜けた。
敷地面積はそれなりに広く、恐らく母屋までその声は届いていないのだろう。賢治はもう一度声を上げたが、特に返答等は聞こえない。
――まさかこちらも留守か!?
そう思いかけた時、道場からズンッ! と、重たい音が響いた。巨大な鉄アレイを地面に叩き付けた様な衝撃音が周囲に伝播する。
賢治はそれを特に「異常」とは捉えずにそちらへ向かった。ここの道場主は通常の物差しで測れる様な人物ではないと知っているからだ。
向かった矢先に今度はズダンッ! と畳に何かを叩き付ける様な音が響くと、賢治が声を掛ける前に木戸が開く。
現われたのは還暦は疾うに過ぎたであろう男性だ。すっかり色の抜けた白髪を伸ばし胴着を着たその姿は、時代劇に出てくる様な老年の侍を思わせる。
ちなみに後ろには畳の上に倒れた青年がいた。稽古でもつけられていたのだろう、酷く荒い息を吐いている。
「お待たせした。
……が、どちら様かな?」
老人は賢治を見るが僅かな沈黙の後、そう問うた。
「お久しぶりです。 とは言っても流石に覚えてらっしゃいませんか。
三十年程前、ここにお世話になった事があります、逆木賢治です」
賢治の顔に落胆はない。
むしろ覚えている方が凄いと思っていたからだ。
「……さかき……?」
「はい。 葦原 臥龍師に付き添われてこちらに来ていた……」
師の名を出す。
師とは言っても自身の能力の制御とその後の生き方についての師だ。師の本業についていくちからは彼にはなく、また眼前の老人とも、師と言う程の付き合いはなかった。
「――あの時の『見鬼』の子か!」
そう、賢治はあくまで『見鬼』の能力についてのみ彼等を師と仰いだ。
もっとも、この老人 ――黒須 厳十郎は解りやすい「異能」を持っている訳ではない。能力で言うなら無能力者だけを持つ努力人。
「はい。 ご無沙汰しておりました」
「うむ、あの時の子どもが大きくなったものだな。 息災で何よりだ。
それで、今日は如何したのだ? ただ挨拶に来た訳ではあるまい」
賢治の師はあくまで葦原臥龍であり、厳十郎はその仲間、友人だ。三大組織的に言うなら、一応ワイズマンではある。
とは言っても「師」を介さずに訪れる程深い付き合いかと言われればそうでもない。
「此方側」の知識も持っており、この道場にはそんな訳ありの子ども達も何人かは在籍しているのだが。
「事情がありまして、先程師の自宅を訪ねたのですが、残念ながら留守だった様で」
ですから、と言葉を続けようとした賢治だが、厳十郎が表情を歪ませたのに気づき、口を噤んだ。
「……そうか、知らなかったか」
重くなった空気に、予感。 イヤな言葉が続きそうな予感だ。
「彼奴は昨年、死んだよ」
沈む空気に重い言葉が重なった。
「…………え?
まさか…………まだ還暦くらいで……」
「元より『葦原』は短命だ。 この時代に於いても、な」
医学・医療の進歩した現代でも、治せないものがある。
西洋医学からしたらいかにもオカルト染みた原因のそれは、対処療法しか出来ない難敵であった。
「息子もその嫁も疾うの昔に墓の下。 彼奴はまだ長生きしたと言えようよ。
家は今、孫が継いでおる。
この時間はまだ、学校だな」
「……そう……でしたか」
師とは呼んでもそれ程長い付き合いではない。
流石に眼前の老人よりは長く濃い付き合いではあるが、それとて精々二年、もしくは三年といった所だ。
賢治より十年程早く生まれた兄貴分。
彼の異能に気づき、生きる為の手解きをしてくれた恩人。
現在では神降ろしと呼ばれるちからを持つ能力者。
「何か、あったのか?」
臥龍と違い、厳十郎はそういった異能は持っていない一般人だ。と言ってもそのちからは一般人という言葉を遙かに凌駕した「達人」ではあるが。
「はい。 息子が『此方側』に。
それ自体は問題とは思っていませんが、どう『ちから』になるべきか相談できたらと思って参りました」
賢治は一端言葉を切り、前に立つ老人を見つめた。
「師範。 どうか相談に乗って頂けないでしょうか?」
お父さんは心配症なのだ。
今回出てきた黒須厳十郎は魔法や魔術、契約等のちからは一切使わず、只管努力と修行、実戦を繰り返すことで強くなった最強クラスの人間です。
○黒須 厳十郎・・厳剣術場道場主にして師範。 その名の通り厳格で厳しい爺さんだが、一方女好きで老若問わずに女には甘いという面を持つ。 剣、というか戦闘能力は超一流なのだが、そのせいか道場以外では軽く見られているじいさん。 オカルト方面の知識も豊富だが、異能らしい異能の力は持っていない。
物理アタッカー、パワフルじじい
◉一人称・・・儂
◉ヘレティック・・・ストレングス、
◉ミュータント・・・なし
◉クラス・・・剣士、闘士、格闘家、刀士、サムライ、戦士、拳士、柔術使い、合気道士、シラット・グル、空手家、古武道士、ウェポンルーラー、一国一城の主、
◉ハイランダー・・・カーネイジ、
◉特徴・その他・・・武芸百般、武具適応、鋭敏感覚、鋭い勘、ちょいエロ、女性に甘い、タフネス、資産家、歴史知識、武具知識、精神鍛錬、肉体抵抗、苦痛耐性、戦術的視点、お爺ちゃんの知恵袋、オカルト知識、神秘の欠片、感覚強化、気配隠蔽、気配察知、素手戦闘、鋼の拳、鉄の爪、無双の槍、格闘、徹し、強打、フルパワーアタック、双掌打、貫手、鉄槌、一本拳、衝撃拳、粉砕、部位破壊、浸透撃、打撃吸収/格闘、攻撃反射/格闘、反撃、逆さ回し蹴り、回し蹴り、後ろ回し蹴り、あびせ蹴り、かかと落とし、トゥキック、ローキック、ハイキック、背足蹴り、脛蹴り、前蹴り、後ろ蹴り、双竜脚、三連脚、多段蹴り、アクロバットシュート、フェイバリット、先読み/格闘、剣術、居合い、燕返し、フェイント、一閃、連撃/刀、斬首、強撃、スラッシュ、衝撃剣、斬鉄、変異抜刀、受け流し、受け止め、刺突の極み、斬撃の極み、岩融し、夢幻の刃、影刃、瞬閃、先読み/剣術、合気、力点ずらし、消力、反転、小手返し、四方投げ、竜巻、入身投げ、天地投げ、天地の技、柔術、柔道、三角絞め、体落とし、肩車、浮き落とし、山嵐、払い腰、膝車、足車、隅返し、谷落とし、隅落とし、腕拉ぎ、巴投げ、関節破壊、捕縛、関節技、音無き歩み、剣王、斬撃結界、切断乱舞、クリティカルエッジ、クリティカルヒット、ホーミングヒット、棍術、杖術、棒術、縄術、アルティメットルーラー、ウェポンチェンジ、阿修羅の腕、コンビネーションキック、貫通、ストマッククロー、古式泳法、素潜り、ランニング、サバイバル、育児、教導、指導、




