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教えて! 鏡子先生! ~其ノ伍 隠れ里、その他の世界編~

世界設定……という程でも無い世界の説明回。

このお話では関わりはない……筈です。



鏡子「誰がここまで続けると思ったか、鏡子先生の特別授業第五弾でございます」


連理「えっ? えっ?」


鏡子「同化、もとい如何かなさいまして?」


連理「いやいやいやいやいや。 どうかも何も、前回あれで終わったのに、今回これですか!?」


鏡子「コレ呼ばわりは心外ですわ」


連理「あ、すいません」


鏡子「そう言うのは変態さん相手になさってくださいな」


連理「……へん…………?

 ああ、あの何とか桜さん? いや、あのヒトは蔑むとかよりもっと物理的な方なんじゃないですか?」


鏡子「卯月(うづき) 桜花(おうか)、ですわ。 読みの方は全く違うのに何で『桜』って覚えてますの?

 文字で読んだみたいな間違い方ですわね。

 ラノベで読んでましたの?」


連理 (大仰なジェスチャーで)「それは、横に、置いて、おきましょう」


鏡子「くすくす、まあ良いのですけど」




連理「で、今回は隠れ里、その他の世界、ですか」


鏡子「ええ、連理さんも複数の隠れ里に行くようになりましたし、他の里の話も聞いているでしょう? そろそろ良いかと思いまして」


連理「時期のいい悪いがあるんですか?」


鏡子「タイミングではなく基礎知識の問題ですわ」


連理「まあ、月一くらいで行きますけど、同じトコにも行ってますよ?」


鏡子「十分ですわ。 ではお復習いからしていきましょうか」




鏡子「隠れ里はマヨイガとも呼ばれる、各地に点在する『門』から繋がる鏡面世界ですわ。

 ほんの一部屋程度の小さなものから小国ひとつ程のものまで存在する亜空間ですが、里同士も『門』で繋がりますから、何処から何処までがひとつの里か解りにくいかも知れませんわね」


連理「そうですね。 『門』で他の里とも『此方側』とも繋がってますから、どこの里に行っても狭いと感じた事はありません。

 ただ学校のトコ以外はあまり鏡面っていう感じはしませんけど、あれは学校のヤツのが変わってるんでしたっけ?」


鏡子「はい、そうですわ。 隠れ里は世界と世界の重なりから産まれた鏡面世界。 その重なりが近ければ近い程、『此方側』の様相を増していきますわ」


連理「その辺りがいまいち感覚的で解りにくいんですよね……」


鏡子「そもそもひとつの世界というモノの在り方が感覚的なモノですから、ある意味仕方がないんですが……。

 そうですわね……。 AとBというふたつの円を重ねますと、ひとつかふたつの接点が生まれますわね?」


連理「えっと、五輪(オリンピツク)みたいな重ね方で二個置くか、無限大みたいな形にするってことですよね?」


鏡子「ええ。 その接点に近い場所にA世界側の『門』が出来るとAの鏡面に近くなり、遠いとBの鏡面に近くなる、という感じですわ。 逆にB世界側の『門』であればBの鏡面に近くなりますわね。

 勿論、実際には世界の形が円という訳ではありませんから、その接点がひとつやふたつで済んだりはしませんけど」


連理「……じゃあ学校にある『門』からいける里って、別世界とか異世界とかってのがすぐ傍にある感じなんですか?」


鏡子「物理的に近い訳ではありませんが、そう認識して頂けましたら良いかと」


連理「逆に無限大みたいな形で重なる時に、接点の真逆の所に『門』が出来ると、向こう側の鏡面になる?」


鏡子「いいえ。 そういう場所であれば、向こう、というかB側の影響を殆ど受けずに、周囲 ――接点を持たなくても世界的に近いCとかDの影響を受ける筈ですわ。

 Bの鏡面はその接点の、B側に『門』が出来た場合になりますわね。 ですから此方からBの鏡面は確認できませんわ」


連理「ああ、そうか、そうなるんですね」


鏡子「そしてそんな隠れ里にはヌシがいますわ。 小さい里には居ない場合も多いですけど。 連理さんは直接対峙したことはなかった筈ですわね」


連理「はい。 倒されたレーシィを見たくらいです」


鏡子「実はああいう近場の『門』の傍にいるヌシって、ヌシって程強大でもないんですよね」


連理「へっ? 鷹城佐重樹(オツサン)に負けてはいても、随分強そうに思えましたけど……?」


鏡子「本当のヌシ ――隠れ里全体に影響を及ぼす様な魔物はドミネーターとも呼ばれる、場合によっては亜神レベルにも成り得る強大無比な者達ですわ。

 そのレーシィくらいであれば中ボスにもなりませんわね」


連理「マジっすか!?」


鏡子「大マジですわ。 もっとずっと奥の、深層の『門』に陣取ってますから、会うことはないでしょうけど。 連理さんのちら見したレーシィは、ドミネーターの手から零れた『門』で踏ん反り返っていただけですわ。

 言ってしまえば『奴は四天王の中で一番の小物』にすら成れないレベルでしょうか。 精々がモヒカングループのボスですわ。

 ちなみに里の性質、法則の元になるのはドミネーターが九割、ヌシ『達』で一割といった所ですわね」


連理「……モヒカンレーシィって前衛芸術っぽい植え込みみたいですね」


鏡子「ぷっ」


連理 (珍しい。 いつもの『くすくす』笑いじゃない。 ……ウケた?)


鏡子「コホン。 そんな彼等の影響を直に受けるのはシャドウ達ですわ。 自我を持たない、もしくは薄い彼等は『他者の現し身』という性質も相まってそういった影響が反映されやすいのですわね。

 そんな彼等に別方向から影響を与えるのが『此方側』の認識ですわ。 組織編、契約編でお話した様に『ヒトの共通認識が強く固定化されると、隠れ里ではその認識で出来たシャドウが発生する』事がありますの。

 その一方でその『元になった魔物』に対する認識が変わった時、里に居るシャドウには強い影響が出てしまいますわ」


連理「……そう言えばササにそんな話を聞いた様な……」


鏡子「そうですわね。 その時の縦令ではゴブリンの事をお話されていましたわ。

 ヒトの認識が変わった事で『妖精ゴブリン』が『邪鬼ゴブリン』に変化した事象ですわね」


連理「はい、そうでしたね。

 …………そういう里の中に影響を及ぼすドミネーターって、徳倉さんよりも強かったりするんですか?」


鏡子「あら? そんな風に強さを気にするのはやっぱり男の子だからなんですかね」


連理「男だからって事もないと思いますけど」


鏡子「取り敢えず、その答えはナイショにしておきますわ。 乙女は秘密を持つモノですから」


連理 (秘密を看破していく系オトメなのに……。 いや、だからこそなのかね?)


鏡子「何か考えました?」


連理 (無言でブンブン首を振る)




鏡子「まあそれはさておき、もうひとつの方、『その他の世界』のお勉強へと参りましょうか」


連理「その他、っていうのはさっきの例でいうA・B・Cの世界ではなく、ですか?」


鏡子「ではなく、ですね。

 今までに所謂『此方側』、『地球次元』とでも言えるこの世界と、『隠れ里』、此方側と共に隠れ里の元とも言える『別世界』『異世界』の事は大体お話致しましたわ。

 『別世界』『異世界』についてはわたくしも行ったことがありませんし、存在を示唆しただけですけど」


連理「そうですね。 ですからそっちの話かと思ったんですけど、それだとその他って言い方はしないかな、とも思いました」


鏡子「正解ですわ。

 今度は、この世界と殆ど重なるもうひとつの世界。 先の例と同じ様に喩えるなら殆ど同じ大きさの同心円の様になっている世界、ですわね」


連理「そしてそのココロは?」


鏡子「あの世、ですわ」


連理「……あのよー」


鏡子「呼び掛けている訳ではありませんわ」


連理「……あるんですか、あの世……」


鏡子「一応ありますわよ。 キリスト教みたいな『永遠のなんちゃら』みたいな場所ではありませんけど」


連理「所謂天国はないと?」


鏡子「天界に相当する場所はありますけど、死者の行く場所ではありませんわね。

 死んだ生き物たちの休息所みたいな場所はありますが、大抵はすぐに転生の輪に戻りますわ」


連理「じゃあ地獄もないんですね」


鏡子「ありますわよ?」


連理「あるんかい!?」


鏡子「この辺りの場合は、その休憩所にあたるのが黄泉にありまして、その黄泉と地獄の二重チェックで裁かれて、転生するか、償いのための仮初めの生を得るか、只管に針山血の池極炎極寒等々と地獄巡りなトライアスロンをさせられる事になる……でしたっけ?」


連理「何ですか、それっ!?」


鏡子「余程悪いことをしてるヒトじゃなければ地獄までは落ちませんよ?」


連理「…………」


鏡子「それにこの辺りは優しい方だと思いますわ。 中華圏だと確か即地獄行きはずですし…………」


連理「国によって違うんですか?」


鏡子「国、と言うか担当によって、ですわね」


連理「担当?」


鏡子「分りやすいところだと閻魔大王?」


連理「なる程……分かりやすい」


鏡子「頑張って厳つい顔をしているおじさまですわね」


連理「会った事があるんかいっ!?」


鏡子「黄泉降り、神話の通りに出来ますわよ。 向こうでしか手に入らない素材もありますし、行きたい人は行きたいかと思いますわ」


連理「素材、ですか?」


鏡子「ええ、非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)。 不老不死の実、なんて謂われますわね。

 錬金術師や薬師の方は欲しがるんじゃないかしら?」


連理「……薬師っていうと、ロジーナさんとかですか?」


鏡子「ええ、そうですわね。

 おふたりとの交際を認めて貰うために不死の妙薬を手に入れるとか、かぐや姫のようで宜しいんじゃありませんの?」


連理「何でふたりっ!?」




鏡子「余談ですが、所謂『幽霊』も存在していますわ」


連理「あ、そうなんですか? シャドウとかではなく?」


鏡子「死後がある、つまり魂はあるんですよね、この世界は。

 とは言っても普通に見られる幽霊は、大抵の場合、魂の『残滓』や『記憶』で、それらに隠れ里から零れる『思念』や『エネルギー』が混ざり合ったものが幽霊と呼ばれる存在になりますわ。

 ですから現われる場所は『門』の近くになりがちですわね」


連理「普通に見られる幽霊って何か不思議な言葉ですね……。

 ところで大抵じゃない場合はどうなるんですか?」


鏡子「大抵じゃない、魂が現世に残って出現するタイプの幽霊は殆ど発生しないんですよね。 たまーに黄泉比良坂の辺りにふわふわ浮いてることがありますけど、直ぐに連れ戻されますわ」


連理「連れ戻されるって……えっ? 誰にです?」


鏡子「獄卒をしている鬼や、黄泉で償いの為に働いている方々ですわ。 黄泉醜女とか黄泉戦と呼ばれる方ですわね」


連理「こわっ!!」



インド圏では冥界見学ツアー、ヨーロッパ圏ではレテ川で真っ白になりつつ川流れされていきます。 エジプト圏のアヌビスさんはいつもハツばかり食べているせいで食傷気味だとか。


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― 新着の感想 ―
モヒカングループのボスは言い得て妙ですね〜。 何となくcvイメージは千葉繁さんw (´ε`) 普通に見られる幽霊とは……。 今回は死後の情報特集でしたね。 閻魔というか担当は、言語単位で分かれてい…
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