教えて! 鏡子先生! ~其ノ肆 魔法、魔術編~
あれ……? 徐々に書きためなおしていたのに、いつも間にやら殆どなくなっているよ?
なにやら執筆ペースが自転車操業状態………。
鏡子「ちょっと間が開きましたけど、久しぶりの鏡子先生の始まり始まり~」
連理「えっ? 徳倉さん? えっ? あれ? 父さん? えっ、どこ行ったん? なになになに? オレ実家にいたはずなのに!?」
鏡子「えいっ!」(繰り出される手刀。一瞬脳天へ食い込んだかのように見えるが、次の瞬間には何事もなかったかのように佇む連理)
連理「……………………今、何かありました?」
鏡子「いえ、何もありませんわよ?」
連理「それと、オレ、家にいたと思ったんですが?」
鏡子「ちょっと呼び出させて頂きましたわ」
連理「…………徳倉さん、人間を呼べるような召喚魔法とか持ってましたっけ?」
鏡子「いいえ、わたくしが持っているのは眷族召喚くらいですわね」
連理「え゛っ!?」
鏡子「そこまで嫌がるなんて……! お姉さん、涙がちょちょぎれてしまいそうですわ」
連理「眷族になったら神器になるとか前に言ってましたよねぇ!? オレ、人間を止める気はないですよ!?」
鏡子「ちっ」
連理「なんで舌打ち!?」
鏡子「冗談ですわ。 この鏡子先生空間では何でも有りなだけです。
まだ、連理さんはわたくしの眷族に成っておりませんわ」
連理「そこに『まだ』とかいうのがこえーです」
鏡子「まあ、厳密に言うならまだまだ成れるレベルじゃありませんわ。 神格を得るにはハイランダーのレベルカンストが必須ですし、眷族神に成るならそのハイランダーもアポストルでなくてはいけませんから。
連理さんはそもそもレベルアップの遅い人ですし、狙っていてもずーっとずーっと先の話ですわ」
連理「……それなら、まあいいんですけど……。
それで今日は……って、がっつり黒板に書いてありますね。 『魔法・魔術編』ですか」
鏡子「ええ。
その辺りは本編でも説明はしてませんし、キャラクターズジョブスでもその違いについては明記してませんでしたから。 確か使用に関するルールだけあとがきにあったかしら?」
連理「え、と……そうですね。 ジョブスの壱に取得ルールと重ねがけについてちらっとあるだけかと思います」
鏡子「そういう訳で、今回は魔法と魔術の違いについてお勉強しましょう」
鏡子「まず、そうですわね。
魔力って何だと思いますか?」
連理「えっと…………何でしょう?
…………科学的には証明できないけど現実に作用する力、とかですか?」
鏡子「まあ、言ってることは間違ってませんけど、Yesとは言えない微妙な答えですわね」
連理「そう言われても、そもそも問題が抽象的なんですよ」
鏡子「それもそうですわね。 答えを言ってしまうと、全ての存在に宿るちから、それでいて意思に結びつくちからですわ」
連理「……答えも何か抽象的っすね。 つーか、全ての存在、ですか? 生き物とか魂とかじゃなく?」
鏡子「わたくし、生き物ではありませんわよ? 魂は……有るのかしら?」
連理「あ、そこは曖昧なんですね」
鏡子「少なくとも付喪神の幽霊とか見たことありませんもの。 もし魂があっても、霊になる場合がある人間程強いものではないんでしょうね」
連理「強いんですかね……。 ただ生き汚いだけなのかも」
鏡子「それも強さだと思いますわ。
取り敢えず話を戻しましょうか」
連理「はい」
鏡子「少なくとも、地球上や近隣の隠れ里、近しい次元の全てのものに魔力があるのは確認していますわ」
連理「って、確認した本人かいっ!?」
鏡子「千年も在り続けていれば、偶に暇つぶしも必要になるものですわ」
連理「暇つぶしっすか……」
鏡子「そして何処に存在する魔力でも意思に結びつく……簡単に言えばわたくし達が利用できた訳です」
連理「それは徳倉さんクラスのヒトだから使えた、という話にはならないんですか?」
鏡子「一応は当時使役していた子たちにも試して貰いましたわ」
連理「タツミさんクラスなら一緒ですよ?」
鏡子「勿論解ってますわ。 総レベルでいうなら10前後の子達から100以上の子達まで試しましたもの」
連理 (レベル100以上の使い魔とかって、ハンパねぇ~)
鏡子「そんな魔力を扱える、扱えるようにするのが魔法もしくは魔術になる訳ですわ」
鏡子「では本題です。 魔法と魔術、何が違うと思いますか?」
連理「……か」
鏡子「漢字が違うとか文字が違うなんて言ったら鏡の中へ閉じ込めて地獄の特訓ですわ」
連理 (本気な空気に、だらだらと冷や汗がしたたり落ちる)
鏡子「それで、今何か言い掛けたようですけど?」
連理「……か、か、漢字からすると魔法の法は法律、法則、方法、手段。 魔術の術はわざ、手段、方法で。 法則とわざ以外は殆ど一緒ですね」
鏡子「……上手く持ち直しましたわね……。
実際辞書等で見ても魔法と魔術の意味は殆ど一緒ですわ。
でもそれも仕方ありませんの。 辞書の編纂をしているヒトにマギなんていませんから」
連理「まあ、たまにいてもそこでアピールしていくようなヒトはそうそういないでしょうねぇ。 そこで『編集長! 魔法はこんなんじゃありません!』とか言ってごり押しする人がいたら『痛い人』を通り越して『危ない人』です」
鏡子「それはそれで見てみたい気もしますわ。
何はともあれ、この二者というのは作家の創る世界観によって切り口がまるで違ってくるので、辞書で見たって解る訳ないんですけどね」
連理「ぶっちゃけた上に話がメタ過ぎでしょう!?」
鏡子 (無視して)「その上で、この世界の魔法と魔術って、結果だけを見ると殆ど差がないんですよね」
連理「ここまで話を引っ張ってそれでいいんですか!?」
鏡子「結果だけを見ると、って言ったじゃないですかー、やだなー」
連理「……何ですか、その賢しらなタイプの悪ガキ口調」
鏡子「反応が淡泊で詰まらないですわ。
まあ話を戻しますわね。
大まかに、本当に大まかに分けるとアクマやファンタズマが使うのが魔法、それ以外が魔術になりますわ」
連理「そんな単純なんですか?」
鏡子「大まかに、と言ったでしょう。 わたくしは魔法も魔術も使えますし、極稀にですが魔法を使えるヒトもいますわ。 所謂『魔女』に分類される方も大抵は両方使えるはずですわね」
連理「う~ん、じゃあ違う分け方もあるんですか?」
鏡子「種族や本人の特性として、生来の能力として使えるのが魔法。 魔力を視て操作するという素地は必要ですけど、修行や研究の成果として技術に落とし込んだのが魔術ですわね。
先程の漢字で言うなら、魔力の法則がその身に刻まれているのが魔法。 魔力を操る技術であるのが魔術と成りますわ」
連理「…………ん~、つまり最初に言ってた様な生来魔法を使えるヒトは、勉強すると魔術を使えるけど、逆はないって事ですかね?」
鏡子「はい、そうですわ。 その上で『生来使える者が殆ど居ない』と言う事で、最初に言ったような『単純に分けると種族分け』になるんですわ。 と言ってもゲーム的には香り付けなんですよね、その辺」
連理「どう言う意味でしょう?」
鏡子「魔法であろうと魔術であろうと、経験点を払って取得させるという行程に差はありませんから」
連理「身も蓋もねぇ!?」
鏡子「まあ、設定的な事で言うなら、魔法は人が歩いたり息をするのと同じ、極自然な行為ですけど、極自然であるが故に自らの動作を関連づける傾向にありますわね。
炎の息を吐く為に呼吸と合わせる、風を吹かせるのに翼をはためかせる、みたいなのが分かりやすいかしら? 手を振る、尻尾を振るという動作自体は一緒でも別の効果を発揮させる場合もありますわ」
連理「魔術の方は?」
鏡子「そちらは呪文や詠唱と言った行為が必要となる場合が多いですわ。 流派によってはそれらは変わってまして、またはそれらと共に一定の動作が必要な場合もありますの。 そのせいで口を塞ぐ、腕を縛るみたいな感じで、身体の何処か一部でも封じられると使うのが難しくなりますわ。
後は、本来であれば、最終的に鍵言と呼ばれる言葉を発しなくてはいけないのですけど、魔法を使える方であれば勢いで発動させちゃいますわね」
連理「勢いっすか」
鏡子「気合いでもいいですわ」
連理「設定的には圧倒的に魔法有利ですね」
鏡子「でも種類が多いのは魔術なんですのよ?」
連理「えっ? そうなんですか?」
鏡子「魔術というのは技術や研究の成果ですから増えるんです。 日進月歩で。
魔法というのはその彼・彼女が生きるのに必要な能力ですから、レベルアップで覚えたり、その用途を広げる事は出来ても、それ以外では増やせない感じですわ。 設定上はレベルアップした時に覚えるものが固定されている、と言えますわね。
必要に駆られてなのか、たま~に新しい魔法を発現する方も居る事は居ますけど」
連理「じゃあ種類なら魔術がホントに圧倒的なんですね」
鏡子「ええ。 魔法を真似て作られた魔術、自分達の望みを叶える為に創られた魔術、何処まで行けるかという極限を求めて創られた魔術……様々ですわ」
連理「それじゃササの使ってるのはどっちなんですか? 今聞いた話だと魔法っぽいですけど、なんかしっくりこない様な……」
鏡子「彼女のは両方ですわね。 正式に教わった訳じゃ有りませんから、敢えて言うなら『魔法寄りの魔術』みたいになってるんですわ」
連理「はあ……そんなのもあるんじゃ素人には見分けがつきませんね」
鏡子「咄嗟に見分けるとか、そんな必要は無いとは思いますけどね。 慣れてしまえば感覚で判るようになりますわ。
あ、そうそう。 そう言えばササさんから質問が来てますわ」
連理「へ? ササ? 質問が来てるってどういう意味ですか?」
鏡子 (無視して取り出した葉書を読む)「人との間に子を成せるか、だそうですわ」
連理「ゲホゲホゲホゲホッ」(急に咽せ込む)
鏡子「藤ノ宮市花園町三丁目十九番地のササさーん、聞こえますか?」
連理「そこうちの実家ですよ!?」
鏡子「相手が連理さんなら大丈夫ですよ-!」
連理「ゲホゲホゴホッ!!」
鏡子「一応、理由もあるんですよ? 連理さんは今までの《悪魔喰い》で、レベルには見合わないくらいの生命力の塊みたいな状態になってますから、する事をしてましたら、種族なんて関係無しにガッツリ孕ませられますわ!」
連理「歯に衣を着せろぉ!?」
鏡子 (無視して)「栞さんでも回数を熟せば大丈夫ですわ」
連理「プーーーーーーーーーッ!?」
鏡子「膨大な生命力を譲渡する形になりますから、栞さん本人も半死者くらいまでなら回復できるかと思いますよ? そうなったらきちんと初潮も始まるでしょう。 そこまでいけば漸く妊娠、出産となりますわね。
ササさんより回数を熟す必要はあるでしょうけど若いんですからそこは頑張って。 お目出度もそう遠いものではありませんわ」
連理 (敗北したラスボスのようにズゴゴゴゴゴゴゴゴ、と異音を立てながら椅子からずり落ちていく)
鏡子「あら? …………照れ隠し?」
と言う訳で、前回のササの不安(?)を解消させました。 まあ、オチに使いたかっただけなんですが。
…………はっ!?
テーブルを挟んで対談してる状態で椅子からずり落ちたら……見えてしまうな、下着。
鏡子はセーラーっぽい制服を着てる設定だし……。
……ま、いっか。




