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教えて! 鏡子先生! ~其ノ壱 魔物編~

閑話とは別の挿入話という事で。



鏡子「ではでは~、このコーナーではわたくしが講師となりましてワイズマン初心者の連理さんに此方側のあれこれをお教えしていく事になりますわ」


連理「何なんですか、いきなり。 前回の終わりが台無しですよ?」


鏡子「いや~、以前朱音さんが言っていたと思うんですが、こういうお勉強は各組織の上役がしているものなんですけど、連理さんにはしていなかったな~、と」


連理「それで今になって? というかキャラが違ってません?」


鏡子「何時もの感じだと遠回りな言い方になったりしそうですし、テキスト量が際限なく増えそうな気もしますし。 何より面倒ですし(ボソッ)」


連理「テキスト量ってなんなんですか!?」


鏡子「まあまあ、その辺りはお気になさらず。

 さて、記念すべき第一回のお題は! ずばり魔物について、です」


連理「魔物の分類はササに聞いてますよ?

 総体としての呼び方が『魔物』で、人間の隣人、それか中立的立場なの『ファンタズマ』、敵対的なのが『アクマ』ですよね?」


鏡子「残念。 今回はそういう属性(アライメント)的な事ではなく、もっと根本的な事ですね」


連理「根本的、ですか?」


鏡子「はい。 例えばわたくしは物品に命の宿った付喪神、クロさんは都市伝説から生まれた怪異、ササさんは狐が変化した狐狸化生。 わたくし達であれば妖怪、魔物と呼ばれても違和感はありませんでしょう?」


連理「まあ、そうですね。 最近は忘れがちなんですけど」


鏡子「くすくす。 普通こういったヒト達にはヘレティック・エクソシストやクラス・退魔師の使う破魔や退魔が有効なんです。 普通の人にはなんの効果も無いんですけどね」


連理「へ~、そんな人達もいるんですね」


鏡子「エクソシストはヨーロッパ方面の方に多いヘレティックですわ。 日本にもいらっしゃいますけど、ウチの支店にはおりませんわね。 退魔師の方は主に日本で活躍されていますけど基本的に三大組織には組みしておりませんから、アレク全体で見ても五人いるかどうかと言ったところですわね」


連理「なるほど」


鏡子「そこで、この破魔退魔なのですけど、異世界の『人間』である犬養宰さんに効果はあると思います?」


連理「……へっ? 犬養さんって、そう言えば魔物扱いなんでしたっけ? でも人間は人間なんですから効果なんてないんじゃないですか?」


鏡子「ぶっぶー。 そこが今回のお題になります。

 魔物とは何なのか!? ですわね」


連理「…………」


鏡子「そこ、ノリが悪いですわ!」


連理(抑揚無く)「わ――――」


鏡子「端的に言いますと、魔物とは地球に住む本来の生物 ――という言い方は余り相応しくはないのですけど、人間視点だとその方が解りやすいので―― それ以外の全てを指す言葉になりますわ」


連理「はははっ、宇宙人も魔物ですか?」


鏡子「そうですわよ? ばっちり破魔が効きますわ」


連理「マジっすか!?」


鏡子「ウソですわ。 地球と言いましたけどそれは「地球次元」とも言うべきこの世界全体を指した、言葉の綾みたいなものですもの。

 結局破魔退魔というのはその世界に馴染まないモノを討つ為の技術なんですの」


連理「えと……それじゃ「魔物」って分類はえらく幅が広いんじゃあ……」


鏡子「そうですわね。

 先程例に出したわたくし達地球産の魔物。 その現し身たるシャドウ。 稀に隠れ里で発生する新たなる魔物もいますし、それと同じ様な者が異界、異世界毎に存在しているのですから、所謂魔物に分類されない、地球次元の破魔の効かない対象というのは全体から見ると0.001%もいないかと思いますわ。

 つまり全世界全生物の総数の99.999%以上は魔物扱いですわね。 地球の人間から見ると、ですけど」


連理「大きい話になってきましたね……」


鏡子「話だけですわ。 地球(ここ)に住んでいる以上九割九分は会わずに済む相手ですから」


連理「膨大な数になりそうですけど、それでも一分近くも会う可能性があるんですか?」


鏡子「そうですわね。 隠れ里で十年単位の日々を過ごした上で毎日大海嘯に巻き込まれたのなら何とか? 勿論里では常に移動していた方が良いですわね」


連理「無理です死にます」




連理「ところで先程『世界に馴染まない者を討つ』と言ってましたけど、……もしかして逆も有り得るんですか? こちらが異物として排除される、みたいな?」


鏡子「あら、良く気づきましたわ。 花丸を上げちゃいますわ。

 破魔退魔を使ってくるシャドウやアクマは見たことがありませんけど、宰さんのように異世界へ行ってしまった人間には、その世界の破魔や退魔がきっちり作用する筈ですわ。

 それにもし今後隠れ里生まれの退魔師やエクソシストが生まれたら、その方達は破魔退魔で里に迷い込んだ人間を害することができるでしょうね」


連理「は~」


鏡子「ちなみに、先程は例としてわたくしを挙げましたけど、この世界の破魔退魔ってわたくしには実は効果がないんですのよ」


連理「えっ? 何でですか? って、強いからとか格が違うからですか?」


鏡子「それもありますけど、わたくしはもう馴染んでしまっているからですわ。

 この次元の生物だと世界に認められた、と言ってもいいかと思いますわ」


連理「それは時間の経過……の問題なんですか?」


鏡子「恐らくとしか言えませんが、そうかと。

 知る限りで、完全に馴染んでいるのはわたくしとタツミさんくらいですから」


連理「は~、あのヒトも長生きなんですね~」




鏡子「とまあ、そもそも魔物という呼び方自体人間の言い出した事ですから、当然区分も人間中心になっているのは仕方ありませんわね」


連理「身も蓋もないっす」


鏡子「生物として繁殖できるかとか、遺伝的要因とか、先程説明した破魔退魔の効く効かないとか、色々と考えて区別しようとしてますけど、どの方向から検証しても決定的な差がないので、研究者の方々は頭を悩ませているようですわ」


連理「そこまでして区別したいんですかね?」


鏡子「自らを霊長なんて名乗らせてるくらいですもの。 然もありなん、ですわ」


連理「ははは……増長してるイキモノですいません。

 ところで前に魔物は死んだら消えてしまう、みたいな事を聞いた気がするんですけど?」


鏡子「シャドウは消えますわよ? でもある程度馴染んでさえいれば、消えるより腐敗する方が早くなりますわ。 大体自意識を得て百年も経ちましたらそう言った兆候が見られるようになりますわね。 完全に腐敗してから消失する様になるまでだと、二百もしくは三百年といった所かしら? そうでなくともレベルが上がって『存在力』みたいなものが増加していれば消失しづらくなりますけど、そちらの場合は腐敗もしづらくなりますから、この逆転現象は起こりませんわ。

 ああ、でもそうなる前に火葬して骨にしたり、木乃伊にしたりすると消失しなくなるという話もありますわね。 要は何等かの形で手を加えられると『魔物の死体』ではなく『物品』として世界に認められる、みたいな?」


連理( レベルとかって……)「そうなんですか? デモノイーターは魔物の死体を生で食わなくちゃいけないとも聞いたような……?」


鏡子「襲ってきたシャドウとアクマの区別が付かない時はそうなるでしょうね。 アクマだと思ってのんびり調理してたら実はシャドウで消えてしまった、なんてありますでしょうし。 と言っても、そもそも無理して食べる必要のあるものではありませんわ」


連理「そう言えば危険なんでしたか、悪魔喰い」


鏡子「ええ。 連理さんは《黄昏》を通じて間接的に、それかちゅーだけですから悪影響は出ていませんわね」


連理「ちゅーとか言わんでください」


鏡子「はいはい。 普通は悪魔喰いをすると、相手の強さや自身の抵抗力次第ですが、最初の内にとある精神疾患を抱える事になりますわね」


連理「精神疾患、ですか?」


鏡子「『精神汚染』と言う精神抵抗にマイナス補正のある特徴がプレゼントされちゃいます」


連理(なんか急にメタな視点に……。 いや、さっきからか、レベルとか言ってたし)


鏡子「そんな状態で悪魔喰いする度に精神抵抗を行っていき、失敗すると今度は『狂気』『錯乱』『暴走』『混乱』『狂乱』だのと言った特徴が次々と付与されていきまして、それがある程度侵蝕しますと今度は肉体的な変異が始まります。 システム的にはここでミュータント・黄昏の獣(アポカリプス)が強制付与されますわ。 ここまで行きますと後はNPC化一直線ですわね」


連理 (しすてむ……えぬぴーしー……。こんなにメタでいいのかなあ?)


鏡子「まあ、元々悪魔喰いの素養のある方ならそうなる可能性は幾らか低いんですけどね」


連理「え”っ? あってもイヤなのに、素養がなくても丸かじりするのがいるんですか!?」


鏡子「アクマを殺すのにアクマのちからを、ってスレイヤーではそういうデモノイーターが多いようですわ。 でも、そう言った後天的なデモノイーターは最初に悪魔喰いした時点で必ず精神汚染が付きます。 必ず、というのがミソですわね。

 あそこでヒャッハー系が多いのはそれも起因するのかと思いますわ。 天然ヒャッハーさんも多いんですけど、類は()()んでしまっているのかしら?」


連理(このヒトもヒャッハーとか言うのか……、いや、このコーナーだけか?)「そうなんですか? デモノイーターって割りには膝丸さんに蹴散らされていましたけど」


鏡子「口にする相手にもよりますけど二回や三回食べたところで劇的に変わるものではありませんから。 逆に劇的に変化が起きる様な相手を食べていたら、精神汚染を通り越してアポカリプスに達してしまう可能性も無きにしも非ず、ですわ。

 適度な相手を継続して取り込んでいけば強くなります、けど継続すると危うくなってしまうのがこのミュータントの特徴ですわね。

 連理さんは地味に、もとい堅実に取り込んでいますから随分と肉体強度は上がってますわね」


連理「そうなんですか? いや、確かに最近ちからは付いてきたのは実感してますけど」


鏡子「これで益々(みせ)の仕事が減って(さと)の仕事が増えそうですわね」


連理「悩ましい部分はありますね。 必要性は解りますしお給料もいいんですけど。

 デモノイーターと言えば、以前ササを危うくした時に『食っちゃわないか』って不安になったんですけど……?」


鏡子「意識していれば大丈夫ですわよ? あの時にも言いましたけど彼女は狐狸化生ですもの。 精気を吸うちからは強いんですのよ」


連理「あれ……? もしかしてオレも普段から吸われてます?」


鏡子「そうですわね。 お互いに吸って吸い返してはパワーアップする好循環ですわね」


連理「まあ、それなら問題はなさそうですね」


鏡子「今ならお互い十分以上に馴染んでますから、目合えば一気にパワーアップ出来ますわよ。 やったね!」


連理「………………」


鏡子「あらあら、相変わらず乙女ですわね」


連理「…………」


鏡子「無視しないで下さいな~」




連理(気を取り直して)「……と、ところで話は戻りますけど、魔物の死体を加工すると消失しなくなるなら、ラノベとかみたいに魔物素材の装備品や道具もあったりするんですか?」


鏡子「一応ありますわよ。

 うちでもそう言ったモノは作ってますわ」


連理「そうなんですか? なんか意外ですね」


鏡子「付喪神の躰だったものを使った代物で、死者本人の遺志や仲間の意思で身につけますわね。 基本的にファンタズマ専用装備になります」


連理「付喪神、だと最後には普通に物品が残るんですよね? それだとスレイヤーでも作れそうですけど?」


鏡子「こう言った代物は無関係の者が使っても形通りの効果しかありませんわ。 一番重要なのは彼らの遺志ですから」




鏡子「次にスレイヤーが作る魔物装備。 ただ彼らは『魔物が世界に馴染む』という現象を知りません。 消えてしまわないうちに急いで加工しようとする為殺害予定現場へタリスマンを連れていき、死体になった魔物の体を即弄くり始めますわ」


連理(うわぁ~、嫌悪感満載の顔……。 珍しいモノを見た気がする)「何で知らないんです?」


鏡子「知る機会がありませんし、教える者もいませんわ。 一応シャドウを動かす者(メディウム)はいるようですけど、それでは知り得ませんもの。

 ちなみに現場へ連れて行かれたタリスマンは大抵戦闘能力が低い為、加工中に襲撃された場合などはよく犠牲になるそうですわね。 タリスマンというヘレティックはそう言った道具作成の方面を伸ばすと戦闘能力は低くなりがちになりますので、然もありなんですわ」


連理「そりゃそうですよね」



鏡子「一応形見として身につける為に屍体の一部を持ち歩くパターンもありますが、そちらはそう言った加工を施してある訳ではありませんので、あくまで御守代わりですわね」


連理「ああ、遺髪とか持つような感じですね」


鏡子「そうなった時に夕陽さんとか、持ってくモノが無さそうですわ」


(薄いだけじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!)


連理(い、今、何か聞こえたような……?)「……ひ、髭とか?」


鏡子「髭で編んだミサンガとかですか? 何か嫌じゃありません?」


(しくしくしくしく…………)


連理(泣いてる……?)「今度、育毛剤でもプレゼントしときます……」


(ぱぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ)


連理(何だろ、この満面の笑みのイメージ…………?)


思いつきで書きました。後悔はちょっとしかありません。

ただまあ、もっと早く思いつけば良かったなあ、とは思いましたが。

後になって「閑話」でゲームネタを挟むよりこっちの方が先かとも考えましたが、元々「閑話」は日常シーンを挟むためのものでもあったので……悩ましいところです。

なので思いついたままの順番で。

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― 新着の感想 ―
確かに……自分たちのことを霊鳥と呼ぶのは傲慢かも? (´ε`) シャドウとかペルソナって心理学用語ですよね? それが襲ってくるのがイマイチ掴めず……。 (・–・;)ゞ 鏡子はやたらと「まぐわい」を…
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