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閑話 老衰

超短い閑話になります。

解らなければ飛ばしてくださいませ。

解った人はにやにやニマニマして頂ければよろしいかと。


 ある日、連理が授業を終え部屋に戻ると、煙が立ち籠めていた。


 驚きはするものの、焦げ臭さは無く、むしろ何処かで嗅いだ様な匂い ――というか香りか―― であることに気づいた彼は殆ど無意識にその発生源と思しき物体と少女に視線を向ける。


「…………線香?」


 少女の目の前には買った覚えの無い線香立て、それに立てられた火のついた線香があり一条の煙が揺蕩(たゆた)っている。もっとも、窓は閉め切られ換気扇も回していないせいで、若干視界が悪くなるくらい煙たい。

 一体どれ程の線香を使ったのか、問いただしたい程度には煙い。


「おいおい、何やってるんだよ」


 この煙の量でも何故か火災報知器は鳴っていないが、彼は慌てて窓を全開にする。と、流れる煙の中、目張りをされた火災報知器が見えた。


「ササ」

「今日はな……」


 ふたりの声が重なる。


「命日なんじゃ」


 彼の呼びかけに気づいていたのかいないのか、彼女はそのまま言葉を綴った。

 流石にそう言われると言葉に詰まる。線香であるから、多少はその可能性も考えたが。


「……誰のか、聞いてもいいか?」


 線香立てを挟んで、向かいに座る。

 聞いていいか、等と言っておきながら、聞かせろと言わんばかりの態度にササは苦笑で応える。


「サムライ、じゃよ」


 侍と言われ、随分昔の知り合いだな、と感想を抱いた連理だが、不意に疑問も抱いた。

 百年は生きている、というササだが、廃刀令が出されたのは1876年である。ササの年齢が多少さばを読んだと仮定し、更に廃刀令を無視し刀を持った人間がいればギリギリ出逢える、くらいだろうか?

 連理は首を傾げるが俯くササからその様子は見えない。


「ノブツナの奴め、朝起きたらそのままLOSTしおって――!」


ゲームの話(ウィザードリィ)かよ!?

 つーか、朝起きてLOSTってどう言う状況!?」


「何かよく解らんが、急に老衰死したとな」


「老衰!? そんな事あんの!?」


 連理は手早くゲームを起動。自身のキャラでは無くササのキャラを見て戦慄した。めっちゃ驚いた。


「何このお年寄り軍団!? 60歳以下がいねぇ!? まさか馬小屋使ってないの!?」


「? 何を言っとる? 馬小屋じゃ体力回復せんじゃろ?」


 そう言えばファミコン(レトロゲーム)の基礎的な話しはしたけど、小技っぽい事は教えなかったなあ、等と思いつつ自身のキャラクター達のステータスを表示する。


「ほれ、年齢を見ろ」


「なんでこんなに若いんじゃ!? あれ、Vitality高い!? わらわのキャラ、Vitality下がってばかりいたんじゃけど!? ずるい!!」


「いや、それキャラ年齢のせいだから。年食ったら体力が落ちる」


 ササはゆっくりと崩れ落ちた。


  ◇ ◇ ◇


 その後、連理はある程度の「小技」を実践形式で享受し、ササは新たなキャラクターを作成した。

 能力値(パラメータ)が高めのキャラクター達は最初から上位職に就き、装備品等は「お年寄り」から譲り受け、意気揚々と冒険へ繰り出したのだ。


 サムライ、ロード、ニンジャ、プリースト、ビショップ、ビショップである。勿論善悪混合パーティの仕方も伝授した為の構成だ。

 やる気満々のササに、連理はオチが見えた気がしたが黙っている事にした。


  ◇ ◇ ◇


「あ~、また罠に引っかかったのじゃ!? く~、ハットリぃ、おぬしは! おぬしは~!!」


「ニンジャだからな。罠発見は専門じゃないから。取り敢えずレベルが上がれば多少はマシになるぞ」


 レベル2ニンジャ・ハットリ。

 石弓を受け、瀕死。


「そのレベルが上らんのじゃ~。

 って、あ~ガラシャが呪われたのじゃ!」


 それでも入手したアイテムの鑑定中にビショップのガラシャ(レベル3)が呪われる。


「プリースト以外上位職ばっかりだしレベルも上がんないな。ニンジャが一番遅かったっけ」


「こいつら、どうすればいいんじゃ~!?」


「ビショップは地道にレベル上げするしかないか。

 ニンジャで罠外しするんなら毎回『罠透過(カルフォ)』使うくらいじゃないとな。プリーストとビショップがいるんなら回数に余裕がある……今は無理か。

 まあ、どうしてもニンジャを使いたいなら、だけど。

 高レベルにするのに一番手っ取り早いのはシーフでレベルをガンガン上げてから《盗賊の短刀》だと思うけどな。個人的にはシーフは外したくないけど」


 もっとも、この状況では《盗賊の短刀》が入手できる様になるなんて何時になる事か全く判らない。 いや、何本かは商店に売ってあったか。


「何でじゃ?」


このゲーム(ウィザードリィ)は罠が致命的すぎるし。ニンジャじゃ信用できない」


「うぐぅ」


 散々罠に引っかかったニンジャである。その言葉は理解しすぎる程理解したササだ。


「後、転職してもHPは変わんないから、下級職で始めて一度は転職した方がタフになるんだ。馬小屋回ししとけばそれ以外加齢の要素はほとんどないし」


「言葉の意味はよう解らんが、そういうのを最初に教えて欲しいのじゃ~!」


  ◇ ◇ ◇


 結局ササはもう一度やり直す事に決めたのだった。

 ファイター×3にプリースト、シーフ、メイジの鉄板パーティである。まあ、説明書ではファイター×2、プリースト、シーフ、メイジ×2が最強と書いてあるが。


 ちなみに、即時リセットを教え忘れた連理が、絶望するササを見るのは後の話だ。



というわけでウィザードリィです。


ブレイド&バスタードは読んでますけど、だからって訳ではなく、当初からササはウィズにハマる予定でした。ちなみに彼女がプレイしてるのは1です。

もちろん店売りしてる《盗賊の短刀》は連理パーティが拾って売ったものですね。

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― 新着の感想 ―
1は少しだけプレイしましたよ! まぁ、難易度が高すぎてすぐにやる気をなくしてしまいましたけどw (´ε`)
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