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55/59

55。また戦える

 まさかアザック様が黒幕だったなんて……こんなの私達に勝ち目なんてないよ。


 絶望しかない。きっと彼はライズよりも強い……


「連れいけ」


 アザックは私の顔をしばらく興味深そうに眺めていたが満足したのか、マルジンにそう命令すると彼はニールに顎で合図し私を無理やりに立たせた。


 ニールに無理やり引っ張られるが意気消沈の私は引きずられる様に無理やり連れて行かれる。


 頭の回転が追いつかない。なんで?なんでアザック様が??


 頭の中で疑問を解こうとするが答えが出ない。


 そんな私が彼に連れてこられたのは少し離れた別の部屋。


「ここでしばらく待っていてくださいね」


 私を部屋へと放り投げるやいなや彼は早々と出ていってしまった。


 部屋に一人残された私はうずくまり、ただ泣くことしかできなかった……



 ――場所は変わり、城下町。ここではレンやジュウキ達が巨大な魔物を相手に戦っていた。


「今だ!」


 ジュウキは部下達に指示を出しながら自らも戦っていた。


 レン達も持ち前のチームワークを生かして魔物と対峙している。


 魔物は何匹も倒した。だけど倒したのに次から次へと湧いて出てきていた。それも巨大な魔物が……


 今まで気配すら感じなかったのに、一匹倒したと思ったらまた新たな魔物が湧いて出る。


 倒しても倒してもキリがないのだ。


「一体どうなっているんだ!?どっから湧いて出てくるんだ??」


 レンがそう言葉を発するが、みんなも同じことを考えていた様だ。


 そう言っている側からまた突然新しい魔物が現れる。


「また新たな魔物が現れたぞ!」


 魔物を倒した者達はまた、新たな敵に向かって行く。その繰り返しだった。


 そこにジュウキの元へとやって来た一人の部下。ミジュを見張っていた彼は急いでジュウキに報告する。


「ジュウキ様、申し訳ありません……実は……ミジュを見失ってしまいました」


 申し訳なさそうに、ジュウキに頭を下げるのだが。


「何だって!?一体どこへ!?」


 ミジュを見失った事に執拗に迫る彼はまるで尋問をしているかのようだ。タジタジになりながら部下は今までの経緯をジュウキに説明した。


「彼女と物陰に隠れていたいたのですが……近くで物音がしたので確認の為に見に行ったのですが、何もなくて……で、元の場所に戻ってみたら彼女の姿が無く……」


「馬鹿野郎!あれほどミジュから目を離すなと言ったじゃないかっ!」


「ほ、本当に申し訳ございませんっ」


 ジュウキの言葉に部下は涙目だ。


 チッ。どうする?ミジュを探しにいくか?いや、魔物の相手で手一杯だ。


 考えたジュウキは部下にすぐに探しに行けと命令をするしかなかった。本当は自分で血眼になってもミジュを見つけ出したかった。それはミラニの為にも。だが、今自分がここを離れたら部下達がやられるのが目に見えた。だから、意を決してこの場に留まることを選んだ。


 だがそれも虚しく、彼らは今も魔物とエンドレスに戦っている。


 次から次へと襲いくる魔物にジュウキ達は次第に体力を消費していた。


「ハァハァ……」


「私、もう魔力少ししかない……」


 タクは少ない力で何とか魔物と戦い、マリアも魔力を振り絞りながら応戦していた。


 そんなジュウキも出せる力を振り絞る。だけど、自分達の部下はまだ弱い。次々と体力を奪われて地にふす彼ら。


「お前ら!気合いを入れろ!死にたいのか!」


 部下達にゲキを飛ばすがもう彼らも体力の限界で動けそうにはない。


 容赦なく襲いくる魔物にジュウキは部下達を守る為に必死で戦っていた。


 だけど、レン達の方を見てみるも彼らも疲れているのが分かる。


 ダメだ……このままでは負ける……


 魔物は相変わらず増える一方だ。


 終わりが見えない。もうここまでなのか……


「ぐわっ!?」


 一瞬の気の緩みが災いして魔物の攻撃を避けきれずモロに受けてしまったジュウキ。


 そんな彼もついに地面へと倒れてしまった。


「ジュウキッ!」


 レンはジュウキにトドメを刺そうと攻撃をしてきた魔物を何とか撃破した。


 だが、また新たな魔物が現れ今度はレンに襲いかかって来た。

まだ体制を立て直さないでいたレンにその魔物の攻撃を受けそうになったのだが……


 魔物は彼のすぐ目の前で止まり倒れたのだ。


「!?何が起こった?」


 後ろから足音がする……


 何事かと後ろを振り向くと、見覚えのある顔。


「名前は確かレンとか言ったな?これは俺達を助けてくれた貸しだ」


 絶妙なタイミングで現れたのはライズだった。


「お前……」


 ライズの肩にはフェンリルがちょこんと乗っている。


 それを見たマリアは喜んだ。


「体の傷が回復したのね!」


「あぁ、お前達のおかげで俺はまたミジュと会う事ができる」


 ぴょんとライズの肩から降りたフェンリルは体を大きくさせて魔物に向かって行く。


 そして次ににライズはその場に何やら大きな袋を地面に置いた。


「これはお前達の仲間からだ」


 袋の中には体力、魔力の回復薬がたくさん入っていた。


「ありがたい。これでまた戦える」


 レンはタクとマリアに薬を投げ渡した。彼らは元気を取り戻すと、ジュウキ達に急いで回復薬を渡し回った。


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