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49。謝罪

「良かった……」


 魔物が撃破されたのが分かると、地面へと倒れた。もう魔力や体力は空っぽだ。だけど、気を失わずに何とか意識を保っていた。


「ミジュ!やったぞ!」


 私の元へとタクが戻ってくると、力が入らない私の手を取り喜んでいる。


 そんな彼も魔物への攻撃に全ての力を使い切りヘロヘロの様だった。それは他のみんなも同じ。

 ちなみにモンテランは私の魔力が切れるとそのまま姿を消した。


『モンテランありがとう』


 静かにそう口ずさんだ。彼はよく頑張ってくれた。今度召喚して出会った際には改めてお礼を言おうと思う。


 レン達やミラニ達も私の元へと次々とこちらへと駆けつけれくれる。


 マリアは一番に真っ先に私の元へときてくれた。


「ミジュ!本当に良かった」


「マリア……無事にみんなと合流出来たんだね」


「そうよ!フェンリルのおかげ!そうだミジュあのね……」


 だけど、そこで言葉が遮られることに。


 なぜかジュウキが私に剣を向けたからだ。


「ジュウキ?」


「おっ、おい……何してるんだよ!?」


 いきなりの事にレン達は驚いていたが、ミラニは彼らを無視して私に質問をぶつけた。


「あなたは一体何者の?」


 その目はいつも私に向けてくれた優しい目では無い。鋭く、そしてとても冷たい目だ。まるで私を敵視しているかの様に。


 何て答えればいいんだ……?彼女の問いに躊躇していると、ジュウキは私の喉へと剣を更にたきつける。


「ちょっと待てよ!お前達仲間じゃないのかよ?」


 レンが慌てて仲介に入ろうとするが、ミラニは彼らを無視して質問を続ける。


「本当のことをいいなさい?あなたは何者?」


「私は……」


 私は魔族であるニールの名前を呼んだ。だからミラニ達は私が魔族の仲間だと疑ったに違いない。だから、私は本当の事を話そうとした。


 でも、その時――


 何かが突然私を襲ってきた。


 だけど、レンが咄嗟に剣でその攻撃を回避してくれたのだが、剣で弾かれた事によって軌道を変えた攻撃が今度はミラニを襲った。


 その攻撃は彼女の体を拘束し、ミラニは地面へと倒れた。


「何なの……これ」


 ミラニの体には何か白い糸みたいなものが何重にも巻き付いている。もがいてその糸から脱出しようとするが逃げられない。


 ジュウキはすぐ様ミラニのそばに行くと、剣でその糸を切ろうとするが見た目と違いとても硬度が高く切ることもできない。


「どけっ!俺が切る!」


 レンも彼女の体に巻きついた糸を剣で斬ろうとするがやはりきれなかった。



「全く……うまくいきませんね……」



 この聞き覚えのある声。そう、ニールがまた目の前に現れたのだ。

 ニールのそばには蜘蛛のような姿をした大きな魔物が。どうやらミラニに巻き付いた糸はその魔物の仕業の様だ。


「お前っ!?今までどこに隠れていたんだ?」


 やっと見つけたと、レンがニールにそう叫ぶが相手にしない。


「やれっ」


 ニールの命令に魔物はミラニを拘束した糸を巻き取ると、止めるまもなく、彼女はニールの手に渡った。


「ミラニ!?」


 ジュウキがミラニを奪い返そうと魔物に向かって行くが、彼も体力がそんなには残っておらず、別の糸を吐かれて同じように身動きを封じられ地面へと倒れた。


「ジュウキッー!?」


 ミラニの悲鳴とも聞こえる声が響く。

 だけど、すぐ様その声は止んだ。ミラニの口は魔物の糸によって塞がれてしまったのだ。



「全くうるさい人間だ。それにしても……こちらももう魔物を放出しすぎて魔力がないのに……仕方ありませんね。彼女は人質として預かっときます。ミジュ?人質を解放して欲しかったら貴方の身柄と交換です」


「ニール……」


「また、改めて場所はこちらからお知らせしましょう」


 そう言うとニールは魔物の背中に乗り、共に姿を消した。



「ミラニーッ!!」


 ミラニを奪い返せなかったジュウキはただ、彼女の名前を叫ぶことしか出来なかった。



 ◇

 ニールが去った後。ジュウキを拘束していた糸は魔物が姿を消したおかげか効力が薄くなり、すんなり剣で切ることができた。


 そんな最中、私もマリアに回復魔法を施してもらい、自分で体を動かす程度位だが、元気を取り戻した。


 そこに拘束から解放されたジュウキが怒りの形相でこちらへとやって来る。


「お前のせいだ!お前のせいでミラニは……」


 最もな意見だ。私のせいで彼女が捕まったのは事実。私はジュウキに謝ることしか出来なかったが、彼はもちろん許してはくれない。


「本当は今すぐにでもお前を殺してしまいたい所だが、ミラニの為にその命を捧げてもらう」


 そんな事言われなくたってわかっている。本当なら私が捕まるはずだったのだから……


「なぁ、王様が捕まってしまったて辛いのは分かる。でも、さっきからなんでミジュにそんなに目くじらを立てるんだ」


 レンが先ほどの様に私とジュウキの間に入ってくれたのだが。


「ミッミジュ!?」


 そんなやりとりの最中、私はとっさに土下座をしてみんなに改めて謝罪をした。


 私は魔王の手下……魔族側の人間だったと言う事。そしてマリアを拘束したのは私の兄だったと言う事。少し前までは人間は悪と思っていた事。だけど、みんなと触れ合って今まで人間の事を誤解していた事に気づいた事……


 それを私は涙ながらに謝った。もちろんミラニの為に私はニールの元へと向かう事も……彼らに伝えた。


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