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47。ニールの思惑

「マリナ!レン!タクッ!?」


 私はニールに捕まりながらも彼らの名を必死に叫んだ。

 久しぶりに見た顔ぶれ。やっぱり死んでいなかったじゃないか!!と自然と顔も綻ぶ。


「久しぶりだなミジュ!元気にしてたか?」


「ミジュ!助けに来たよ!」


「全くお前って奴は」


 それぞれが私に思いを口にした。


 良かった……。


 最悪の状況のはずなのに、彼らの顔を見て元気を取り戻す。


「ちっ、死んでいなかったか」


 逆にニールは想定外の事に舌打ちをした。


 レンは私の状況を見ると「ちょっと待ってろよ?」と諭し、彼がそう言った瞬間、姿が消えた。


 それは一瞬の出来事だった。急に自分の体が解放されて地面に体が落ちたのだ。


 えっ?何が起こった?


 すぐ様見上げると、私の頭上ではレンがニールに切り掛かり、ニールはその攻撃を受け止める為に私を手放した。解放されたのだ。


 その隙にタクがニール目掛けて強烈な蹴りを入れると、不意打ちを喰らったニールは遠くに吹っ飛んでいった。


「ミジュ!」


 そこへすかさず私の元へと駆けつけてくれたマリア。私が拘束されているものを魔法で解いてくれた。


「マリア……無事で良かった」


「あなたこそ……」


 マリアと再会を果たしお互いが抱き合った。


「マリアッ!感動の再会は後だ、とりあえずこいつをやっつけるぞ!」


「うん!」


 マリアは私にここに待つ様に言い彼らに合流する為にこの場を後にした。


 みんなが来てくれた。きっともう大丈夫だ!彼らの戦いを見ながらそう確信した。


 そしてミラニ達を見てみるが彼女達も優勢だ。ミラニとジュウキは連携プレイを取りながら一歩一歩魔物を追い詰めている最中。


 蹴りを喰らったニールは立ち上がると口から出ている血を手で殴り拭く。


「人間共が……」


 勇者達を相手にニールは思う。


 全く厄介な連中達が来たなと。正直このままでは部が悪い。こちらは1人、対する相手は多数だ。となれば……


 彼は用心深い。何かあった時の為にと対策を練っていた。


「もう前の様には行かない。観念しろ」


 レン達に追い詰められたニール。剣先を喉に突きつけられ、彼にとって絶体絶命の状況のはずなのだが、ニールはレンに微笑んだ。


「あの状況で無事に生きていた事は褒めてあげましょう。……でも、これならどうですか?」


 指をパチンと放つと地面が揺れる。


「もしかして!?」


 驚くレン達にニールは笑う。


「前は上手く逃げられましたが、今度はそうはいきませんよ?」


 前に放った魔物は一体だけでは無かった様だ。


 彼は何体もの魔物を所持して、必要に応じて自分の元へと呼び寄せることができた。それはまるでミジュが使用する召喚魔法の様に。


 地響きが突然起こり、隙見せてしまったレン。ニールはその隙にさっと姿を消した。


「ちくしょう!逃げられた!」


 レンは悔しそうに剣を地面に刺す。

 だが、それを見ていたマリアは「今は魔物に集中して!?」と冷静に彼を促す。



 レンはすぐ様気持ちを切り替えると、出現するであろう魔物に身構えた。


 そこに丁度別の魔物と対峙していたミラニ達が合流した。この地響き。只事ではないと感じた様だ。それにさっきまで戦っていた魔物は倒したようだ。


「貴方達は例の勇者なの?」


「あぁ、そう呼ばれている様だな」


 ミラニはレン達の近くまで来るとそう話しかける。彼女は噂でレン達のことを聞いていた。だからそう話したのだが。


「そう言うお前は?」


「私はメルキニア王国の王だ」


「王っ!?」


 王と聞いて一瞬たじろいだレン達だが、今はそんな事を言っている場合ではない。


「王なのにあんな魔物と対峙してかなりの強者とみた。もちろん加勢してくれるんだよな?」


「当たり前じゃない」


 全員が身構えていると、先ほどまで揺れていた大地が静かさを取り戻す。


「もうすぐ現れるぞ!」


 レンはタク達から当時の話を聞いていた。以前に出現した魔物も地響きが落ち着いた後姿を現した。だとすると今回も……


 様子を見ながら魔物が出現するのを今か今かと待っていると、何かが地上に上がって来るのがわかる。



 ――そして、待っていた魔物がついにその姿を表した。



 やはり予想通りだ。ミミズの様な巨大な化け物。


「な……に!?この巨大な魔物は!?」


 初めて見るミラニとジュウキは驚いている。だが、レン達は驚く事もなく……いや、話しか聞いていなかったレンはちょっとビビっていた。


 あの時、途中で気を失ってしまい魔物の姿を見ていなかったのだ。だが、気持ちを切り替えてすぐさま攻撃を仕掛けた。もちろんミラニ達も。



 ……だけど、ニールは用心深い。



 全員が出現した魔物に向かっていくと、彼ら達の後ろにもう一体同じ魔物が出現した。


「!?一体だけじゃなかったのかよ!」


「とりあえず二手に分かれるぞ!王様達は後ろの魔物の相手を出来るか?」


「任せて!」


 急な体制の変更を余儀なくされたが、なんとか二手に別れて二体の魔物に対峙し始めた。



 ――私も戦わなくちゃ。


 あんな大きい魔物なんて初めて見る。そのせいで足がすくんで体が震えていた。だけど、みんなはそんな恐怖を克服し協力をし合いながらあんな大きな魔物が二体を相手に今、私の目の前で戦っている。


 私だけここで見ているわけには行かない。何より助けてくれたみんなの為にも戦いたい!


 目を瞑りそう思う。すると恐怖からの震えがおさまった。


 よし!私は剣を手に取り人数が少ないミラニ達の方へ合流しようと駆け出す。


 だけど、彼女達に合流することは出来なかった。

なぜなら急に目の前に巨大な壁が現れたからだ。


 でも、それは壁だと思ったがすぐに違うことが分かる。


 自分の目の前に更にもう一体のミミズの魔物が現れたのだ。



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