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38。タクとマリアの再会

 久しぶりの再会に抱き合うタクとマリア。


 それを瓦礫の影に身を潜めていたフェンリルはその光景を見てホッとしていた。

 これで、ミジュの約束を果たせたなと。


 抱き合っていた2人は再会を堪能すると離れ、そして改めてお互いの手を握り合った。


「マリア、本当にすまなかった。お前を助ける事ができなかくって……」


 その言葉に対してマリアは首を横に振る。


「ううん、そんな事ない。今だってこうやって助けに来てくれたじゃない」


 マリアはタクを涙を溜めた目で見ながら笑顔をみせた。


「マリア……」


 その目にタクも涙が溢れそうになったが、頑張ってこらえていた。


 その時、向こうのほうで爆発音が聞こえる。


「タク様っ!急いでレン様の元に戻りましょう」


 この後に反応したタクの部下が彼を急かす。

 この爆発音はレン達がいる方角から聞こえたのだ。


「あぁ、そうだな。誰か!マリアを安全な後方部隊まで連れて行ってくれ」


 この言葉に部下の1人が名乗り出る。タクは彼にマリアを託すうとしたのだが、このやりとりに当の本人が待ったをかけた。


「ちょっと待って!私もこのまま戦いに参加する」


「マリア!お前は今まで捕まっていたんだぞ。前線から身を引いて少し休むんだ!」


 タクにそう言われるがマリアは引こうとはしなかった。


「私は全然大丈夫なの!捕まっていたけど、ミジュが良くしてくれたか……」


「ミジュ!?」


 ついつい、ミジュのことを口にしてしまったマリア。タイミングを見て話すつもりではいたが、彼らに彼女が敵だったと言うことが辛かった。何より彼女を敵と受け止めきれていないマリアがその話を切り出すのが辛かったのだ。


「今ミジュと言ったな!ミジュもここにいるのか!?」


「タク……」


 もう、本当のことを言うしかない。腹を決めたマリアはタクに向かい口を開いた時、先ほどよりすごい爆発音が聞こえた。


「タク様っ!」


 さっき、タクを急かした部下が先ほどよりも強い口調でもう一度タクを呼ぶ。


 その言葉にタクは頷いた。


「マリア、詳しい話は後だ。お前も来るなら来い!!」


「もちろん!で、あの爆半音はレンの?」


「そうだ、今敵の頭と戦闘中だ。お前もあった事がある、あの魔族に味方していた人間だ」


 ミジュのお兄さんだ……


 急いで戻ろうとしているタクにマリアはすぐに追いつくからと先に行かせた。

 そしてマリアは瓦礫の影に隠れていたフェンリルを見つけると彼に近づき改めてお礼を言った。


「フェンリル本当にありがとう。おかげで無事仲間と出会う事ができたわ。ミジュにも宜しく伝えといて」


 その言葉に頷くフェンリル。そして、彼女に背を向けて走り出し消えて行った。


 ◇

 フェンリルは秘密の通路の出口へと向かって走っていた。もしかするとミジュもすでにそこまで来ているかもしれないと思ったからだ。だが、一つ気がかりなこともあった。さっきマリア達の話を聞く限りレンと戦っているのは間違いなくライズだ。


 ライズは強い!だが、相手は勇者だ。一回負けているのだ、向こうも何か対策をして来ているだろう。大丈夫か?


 フェンリルが何よりも一番気にしていたのはミジュのこと。彼に万が一のことがあればミジュがとても悲しむから。だからライズの事が気になってしかたなかった。


 目的地の場所に到着するとミジュの姿はない。


 『まだ到着していないか。まぁ、ギルと一緒だし、問題ないとは思うが』


 フェンリルはミジュがここに来た時のために、地面に書き置きを残しライズの元へと向かうことを決めた。


『よし!これでいいだろう』


 鋭利な鉱物を口に加え、地面にフェンリルは文字を書いた。それはこの世界では使われていない文字。どうやらミジュが魔獣と話す時に使われている文字と思われる。


 まあ、口で書いたのだから文字がグニャグニャにはなっているがなんとか読めるだろうと彼は判断する。


 そしてこれを出口から出てすぐに気づく場所に書いたのである。フェンリルは一仕事を終えると急いでライズの元へと向かった。


 ――その頃、タクとマリアはレンがいる場所へと到着する。


「なんだこれ……」


 さっきまでいた場所が全然違う場所に来たような感覚に浸る。

 さっきまでと風景が違うのだ。それは彼らがそれほどに凄まじい戦いをしていた証拠。


 ここで彼らの戦いを静観していた者達の姿も数名いるだけで、ほとんどいない。別の場所から争う声や音が聞こえるので、場所を移して戦っているに違いない。


 その場に残っていた部下にレンのいる場所を聞くと、指を差し居所を教えてくれた。その方角を見るとすぐ近くで砂煙が立っている。


 あそこか。


「お前達はここで待機。マリアお前は来るだろ?」


「もちろん行くわ」



 彼女の意思を確認して、2人でレンの元へと向かった。


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