表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/59

34。その行き着くところは

 隠し通路に踏み込んだ私とフェンリル。


 私達が入った後に扉が回転して勝手に閉まった時はかなり焦ったけど、閉まった瞬間に通路の壁の松明が火を灯した。


 魔法か何かで灯るようになっているのかな?


 それから少し先へと進むと下へと降る階段が現れた。


 階段をゆっくりと降りていくと今度は奥へ続く通路がある。その通路をしばらく進んでいくと今度は上へと上がる階段が。それを上りきると、最後に扉が現れた。


 そして扉の前に立ち恐る恐る開けると、見覚えがある風景が目の前に広がった。


 私達はどうやら城の周りに広がっている廃墟と化した城下町までやって来たようだ。

 そして扉から外に出た場所は城下町を囲っている大きな壁の一部。壁の大部分は破壊されているが、ここの出口部分は頑丈なのか原型を留めていた。


 当たりを見まわして思う。やっと逃走手段が見つかった。ここまで来れるならマリアを逃がせる。


 ちなみに秘密の通路をまた逆に戻ってみようと思ったが、私たちが出て来た扉は消えていた。いや、正確にはカモフラージュされて普通に見ただけではわからない仕組みになっていた。

 そしてその扉は外からは開けることが出来なかった。押したり叩いたりしてみたが、どうやら一方通行みたい。


 仕方ない。外から回ってまた城は戻ると、もう一度隠し通路の入り口まで戻ってきた。

 私達がいなくなった後ここはどうなったのかその後の変化が見たかったのだ。


 私が花の弁にはめた石は無くなっており、また小さな花の弁に移動している、元の場所に戻っていた。また入り口を開く時は同じ動作をすれば良いってことね。


 確認が終わると早速この事をマリアに報告した。


 報告を聞いた彼女も逃走経路が見つかって喜んでいた。そして着々と準備も進み、私達はこの脱出作戦の決行の日取りを急だが、明日と決めたのである。


 と言うのは、実はレン達がこの近くまだやって来ているとの情報が入っていた。


 マリアを奪い返しに来たに違いない。


 レン達が近くまで来てくれているのであればマリアを引き渡しやすい。ただし、彼らの戦いが始まってしまったらそれどころでは無くなってしまうので、ここに攻め入る前に彼女を引き渡すために明日に決めたのだ。


「じゃあ、今日はゆっくり休んで、明日迎えにくるから」


「分かったわ。ミジュ本当にありがとう」


 マリアに別れをいい部屋へと戻る。


「明日無事にことが進んでくれればいいけど」


『大丈夫だよ。きっと上手くいくさ』


「うん」


 そして、明日に備えて最後の準備を行った。




 ――翌日


「さぁ、行こうか」


『そうだな』


 準備を万端にし、いつもの様にご飯を運びマリアがいる牢屋までやって来た。


「マリア、おはよう。ご飯を持って来たよ」


「ありがとうミジュ、フェンリル」


 普段と同じようにご飯を牢屋の中へと運び、いつもの様にご飯を食べる。でも、内心はすごく緊張していたのだが。


 私達の作戦はこうだ。


 まずは見張りの魔族をどうにかしなくてはいけない。

 だから、彼を眠らせることにした。


 マリアから教えてもらった、眠たくなる薬草『ネムネム草』を使い彼にその草が入っている飲み物飲ませて眠らせることに。ちなみにその草はすでに採取済み。


 見張りが眠りについたら、鍵を奪いマリアを牢屋から出す。

 そして私が持って来た魔族達が来ている服を、事前にマリアに着てもらい、見た目をカモフラージュした上で秘密の通路まで行くという考えだ。


 どう?なかなか良い考えじゃない?


「マリア心の準備は大丈夫?」


「もちろんよ!!」


 緊張の中、マリアはすでに着替えが完了しており、ローブを被って見張りに服が見えない様に隠していた。


 じゃあ、作戦決行だ!!


 私はいつもの様に牢屋を出た。そして見張りに労いの言葉をかける。


「いつもご苦労様。紅茶を持って来たんだけど、良かったら飲まない?」


 そういうと、普段そんな事を言われない彼はちょっ驚いて恐縮な感じになっていたが、私がどうぞ?言うと嬉しそうに頷いた。


 ポットから紅茶をカップへ注ぎ入れ、それを彼へと渡す。


 彼は私にお礼を言うと、手に持ったカップに口に近づけた。

 眠り薬が入っているとは知らずに……


 私はそんな彼をバレないように横目でこっそりと見つめる。

 あと少し、早く……心の中でそう息巻いていたのだが。



 丁度そこに別の魔族が1人が息を切らして牢屋へと現れた。


「ミジュ様」


 私の姿を見かけると一礼し、見張りの魔族を見る。


「勇者が現れた。向こうは多勢で押し寄せてこちらに来ているんだ。応援を頼む」



 見張りにその事だけを伝えると、また急いでどこかへと駆けて行った。見張りの彼は紅茶が入ったカップをそそくさとテーブルに置いた。


「すみません。折角頂いた紅茶なのに」


「ううん、気にしないで。早く行って」


 彼はペコリと私にお辞儀をし、急いで応援に向かう為にその場を後にした。


 レン達来るの早くない?でも、眠らせることは出来なかったけど、これは結果オーライなのかな。


 目まぐるしい展開で呆然としていると、中々私が戻ってこない事に心配して様子を見に来たマリアがそっと影から顔を出した。


「ミジュ?あれ見張りは?何かあったの?」


「うん、実は……」


 レン達が予想より早くここに到着した事を話す。


「ちょっと予定とは違うけど、しょうがないわね。逆に周りが慌ただしい時の方が逃げやすいかもよ」


「そっか。そうだよね」



 私達はこのまま作戦を続行することにした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ