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22。いざ!イースへ

「よし!行こう!」


 実はこの日の為に準備を着々とをしていたのだ。


 自分の部屋の机の上に置いてあったリュックを背負い準備完成だ。


 後は、ライズの部下が寝ている間に出発するだけ。

 家の扉をそっと開けて外の様子を伺ってみる。


 彼らは酔い潰れており、一人は地面に座り家の壁に寄りかかり、もう一人は横になりながらお酒の瓶を大事そうに抱え眠っていた。


 んふふ、よしよし。2人とも寝ているな。


 みんな酒を飲んで寝ている事を確認すると、そーっと家から出て誰もいない少し離れた場所まで移動した。


「じゃあお願いね。フェンリル?」


『……分かったよ』


 あまり乗り気でない彼だったが、私の頑固な態度に諦めモードでお願いの通り体を大きくし、私はその背中にまたがった。


 私が座ったのを確認すると、彼は羽を広げて飛び立つ。

 今日は満月。月の光のおかげが、夜の空は結構明るい。



 さて、ワープホールは城がある場所から少し離れた位置にある、小さな島。そこにある森の洞窟の中にあると話を聞いた。

 森は一つしかないし、そんなに大きくはないので洞窟はすぐに見つかるはずとのこと。


 そして彼ら聞いた話だと、誰も近寄れない様に見張りが何名かで交代で見張っているそうだ。


 そっちの方が厄介だな。さて、どうやってその見張りを撒くか。


 普通に行ったって門前払いをされるだけだし。

 目的地に到着する間、空を飛びながら考えていた。


 召喚獣を呼び出して兵士達が驚いている間にこっそりと忍び込むか?

 いやいや。それよりもああした方がいいのか……?


「ミジュ?この島じゃないか?」


 あーでもない。こーでもないと色々と考えていると、フェンリルからそんな声が。


 まだ何にも考えていないのに着いちゃったよ……。


 とりあえず気づかれない様に、人気がない離れた場所に降りると、誰にもみられない様に洞窟を目指す。


 話に聞いていた森を見つけ進み続けると、開けた場所に出た。

 そこにはやっぱり話に聞いていた洞窟らしき入口があった。


 あれ?だけど、見張の兵なんて誰もいない。

 自分の身を草の茂みに隠しながら、確認してみるが誰もいない。


 見張りがいるって言っていたのに……隠れているのか?


 フェンリルにこの周辺の匂いを確認してもらったが、やっぱり魔族がいる様な匂いはしないとのこと。


 なんでだ?


 誰もいないことに不信感を感じつつ、何が起こっても対応できるように警戒しながら洞窟の入り口へ近づき、そして中へ入っていった。


 恐る恐る洞窟の中を進んでいくが、やはり誰かいる様な気配を感じない。


 中はシーンとしており、耳鳴りがしてきそうなほど静かだ。


 更に洞窟を進んでいくと、その先の奥から光が漏れてきた。

 その光は奥に進めば進むほど強くなる。そして……


「……これがワープホール」


 目の前には光を放った得体が知れないもの現れたのだ。

 それは宙に浮き、大きな渦を巻いている。


 ここをくぐればイースに行けるんだよね……?


『ミジュ。本当に行くのか?』


 フェンリルが最後の忠告として私にそう言葉を投げかけるが、私の心は変わらない。


「覚悟はできてるよ。フェンリルは?行きたくなければ私一人で行くよ?」


『ミジュが行くなら俺も行くに決まってるだろ!』


 プライドを傷つけてしまったのか、むすっとした彼。

 そんな彼にごめんごめんと謝る私。


「じゃあ行こう!」


 一歩そしてまた、一歩と近づく。

 そしてワープホールを触れる位置まで来ると、右手をそれに伸ばしてみた。すると強い力に引っ張られ、そのままワープホールに飲み込まれる。


「うわっ」


『ミジュ!?』


 私が吸い込まれ、フェンリルも急いで飛び込む。



 ――そして


 ワープホールをくぐった私達の目の前には木々が広がっていた。


「ここって、イース……なんだよね?」


『多分……』


 ここは森?周りは木々が生い茂っている様だ。ざっと辺りを見渡したがダイスと全然変わらない。そして。


「森かな?」


『森だな』


 フェンリルに一応確認してみるが彼の意見も同じだった。


 私たちの世界とこっちの世界は時間軸が一緒だったのか、ワープホールを出ると夜だった。

 そしてこっちの月も満月だ。月の光に照らされて当たりの木々の姿が浮かび上がっていた。


『とりあえず、誰にも見つからない様にどこか安全な場所に移動しよう』


「そうだよね」


 こんな森の真ん中で敵に見つかったらたまったもんじゃない。

 夜だったのが幸いか?


 そして、こっちの世界に来たのはいいが私達がこっちに来るために使ったワープホールは無かった。

 消えたのか?それとも入り口と出口とでは場所が違うのか?ワープホールがないとダイスには帰れないのに。


「ねぇ。私達無事に皆を見つけれるかな?ワープホールが無いし、もし誰も見つけられなかったら……」


『こっちにきてからいきなり弱音か?』


「違うよ。ちょっと気になっただけ」


 ワープホールが消えて、不安になってフェンリルに弱音を吐いてしまった。

 ここに来るのに覚悟を決めたじゃないか。


 改めて気合を入れ、とりあえず当初の目的の安全な場所を求めて森を彷徨うことにした。



 ◇

 月の明かりを頼りに足元に気をつけながら歩いていく。


 森を歩いてどれくらい経ったのだろうか?さっきまでいた森より全然深い。

 歩いても歩いても木しかないし、洞窟とかちょっと休憩できそうな場所でも見つかれば良いんだけど。


「はぁ、はぁ……」


『大丈夫か?』


「うん」


 フェンリルに励まされながら歩き続ける私。

 本当はフェンリルに乗って空を飛べれば良いんだけど。

 彼にそう提案してみるが、暗いからといって空を飛ぶのは敵に見つかるリスクがあると却下された。それにイースがまだどんな場所かもわからないし。


 そして、頑張って歩き続けることしばらく。

 ついに洞窟を発見した。


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