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16。助け

 ギルッ!?

 なぜ貴方がここに!?


「ん?どうした?……そうか。なんか魔法をかけられてんだな」


 何も話せないから目で彼に訴えたのが伝わったのか、私の今の動けない状況を察してくれたみたいだ。


「ちょっとここで待っておけ」


 そう言うと、私を地面へと下ろし、走り出した足音がした。

 そして金属が交わる音がし、敵の叫び声が聞こえる。

 すると今度は私の目の前にフェンリルが寝かされた。


 フェンリル!?ギルが助けてくれたんだね。

 彼も声が出せないみたい。お互い大丈夫?と言う様に目で訴えてていた。


 そんな中、彼らのやりとりは見えないが二人の会話が聞こえてくる。


「お前は何者じゃ!?なぜワシの邪魔をする。ワシが誰か分かっているのか?」


「知らねーよ。でも一つ分かった事と言えば寄ってたかって弱い者いじめをしているってことかねえ?」


「おぬしっ!?」


 どうやら声のトーンからして老人は苛立っているみたいだ。


「そこまでワシをコケにするとはもう許せん!後で後悔しても遅いぞ!!」


「後悔なんてしねーよ!」


 苛立ちを露わにした老人はギルに向けて魔法を放とうと呪文を唱えて始めた。


 そして……


「くらえっ!小僧がっ!!」


 と老人が魔法を放とうとした所で、2人の声とは違う声が。その声の主はこの戦いに止めに入った。


 止めに入った声の主に老人は先程まであった威勢が無くなり、動揺した声を出す。


「フッ……!?フリード!!」


「フリード様」


 逆にギルは冷静だった。そして顔見知りかその一言を発し、フリードと呼んだ者に一礼をした。フリードと呼ばれた男は老人を横目に話し出す。


「おやおや、これはマルジン殿。こんな所で何をなさっておいでで?少し席をはずずと行っておいて、中々戻らなかったので会合の続きは後日に延期されましたよ」


「なんだと?」


「……ギル、今の状況を話せ」


 マルジンにそう言ったフリードはギルに詳しい説明を求める。


 ギルは私達がそのマルジンに襲われていたことを淡々とフリードに伝えた。


「そうか……」


 話を終えたところで、ライズも部屋から消えた私達を探しにその場所に現れた。


 私の横たわった姿を見たライズは私の名前を叫ぶと、急いで駆け寄り体を抱いた。


「一体何が!?」


「ライズ。どうやら彼女はマルジンに襲われていた様だ」


 動揺したライズにフリードがギルから聞いた経緯を話した。彼の話を聞き、ライズの顔色が変わったのが分かる。


 私をそっと地面へと下ろすと鬼の形相でマルジンに近づき首元を掴み壁に押し付けた。


「マルジン!よくも俺の妹を!!」


 カモフラージュの為、私な事を妹と呼んだライズ。そんな彼にマルジンは首を圧迫されて苦しんでいた。

 それ見かねたフリードは止めに入る。


「落ち着け。お前の妹は無事だ」


 フリードに諭され少しだが冷静を取り戻したライズ。

 首元を掴んでいた手を緩めると咳き込みながら倒れるマルジン。


「次、妹に危険な目に合わせてみろ、タダでは済まさんからな」


 そしてフリードもライズに続く。


「それはこちらとて同じ。私の配下の友人だ。ライズ同様もし、この娘に何かしたら見過ごすわけにはいかん」


 2人からの威圧でたじろくマルジン。


「わ……ワシはただ……ちっ」


 何か言いたげだったが、2人の威圧に負けたのか、体をふらつかせながら立ち上がると、配下に手を貸してもらいながらその場を後にした。


「ミジュ、フェンリル!」


 災難が去った後、急いでライズはまた私の元へときた。

 私も彼に声を掛けたいけどまだ出ない。手足も痺れたままだ。

 一体どうすればいいんだ?


 ライズが心配そうに私達を見ていると、先程助けてくれたフリードがライズに小瓶を渡した。


「お前の妹の症状はきっと神経を麻痺させる毒だろう。これは解毒薬だ。飲めばしばらくしたら痺れも治るだろう」


「礼を言う」


 フリードから解毒薬を受け取ったライズは早速、私とフェンリルに飲ませてくれた。

 口に少しずず入れ、こぼしながらも何とか飲み込めた。


「これで大丈夫か」


「そのはずだ」


 良かった。しばらくしたら体が動かせるみたいだ。

 ん?なんかフリードって人にじっと見つめられている気がする。


 顔は動かせないものの、丁度フリードって人が私の視界に入る。見た感じとても凛々しくて、強そうな魔族のボスって感じだ。


 フリードはギルをライズの前に。


「ライズよ。この者は私の配下のギルだ。以前彼女に助けてもらったそうでな。今この場で改めて礼を言う」


「助けた……あぁ。こいつがミジュが言っていた魔族か」


「ライズ様。以後お見知り置きを」


 いつものヘラヘラしたギルとは違う。まるで一流の騎士の様な振る舞い立ちでライズに一礼をした。


 そしてフリードは今度は私の前にひざまづいた。


「私の大事な配下を助けてくれて礼を言う」


 とそう言ってくれた。

 いえいえ。当然の事をしたまでです。

 と言いたかったのだが、相変わらず動けないので、目で訴える。


「それにしても。マルジンがこの娘を狙うとは。何か特別な力の持ち主か?まぁ。それ以上は聞かないが」


 マルジンは研究好きで変わったモノ、珍しいモノを見つけると手に入れようと躍起になるそうだ。


 ……きっと、召喚魔法が使えるから狙われたんだ。


「……それはそうとライズ。会合は中止になったがまだ城でやらなくてはいけない事があるだろう。もしよかったらこのギルに彼女とその小さな魔物の世話をさせてもらえないか?」


 えっ?急な案に私だけではなくライズも動揺する。


「彼は私の配下の中でも強い。それに以前助けてもらった礼を兼ねて彼女をお前が帰るまでの間、面倒を見させてくれ」


 少し考えたライズだが、フリードの申し出に了承したのであった。



 ――2人と一匹を見送った私達。



 フェンリルは結局ライズが見ることになった。


 ギルにミジュとフェンリルの両方面倒を見てもらうのは迷惑がかかると思ったライズは現在子犬サイズになっている為、フェンリルなら仕事には支障がないと判断し彼だけを引き取ったのだ。



「じゃあ行くか!」


 そう言うギルだが……

 ちなみな私は現在ギルにお姫様抱っこをされている。

 ちょっとこのまま移動するってこと?抱き上げられたままで恥ずかしい……


 だが、ギルは全然気にしていない様子。


「何赤くなってんだよ」


 なんて私の心情なんてまるで分かっていない様だった。


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