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作者: 秋桜

 

 ──私にとって『世界』とは『色彩』で『(いびつ)』だ。


 明るい、暗い、遠くて眩しく、近くて苦しいほどに。

 喜怒哀楽や周囲の人間、猫や犬、小さな虫に至るまでに。

『残酷』で『平等』、『矛盾』でありながら『意味』がある。


 小さな頃からよく見ているテレビ。

 リモコンを操作してチャンネルを変えてその日の気分に合わせて見たいものを変えていく。

 幅広いジャンルと謳ってしまえば聞こえはいいと思う。


 けれど、納得していくことには繋がらない。

 意見や質問、問い合わせなどお気軽にと簡単な世の中になると同時に何かが崩れていくのだ。

 日に日に欠けていく心、薄れていく感情。

 満ちないモノに縋り始める時にやっと気づくことがある。


『アレ、なんでこんなこと、始めたんだっけ?』


 何回、何十回、と繰り返し頭の中で響く自分の声。

 泣いて怒って……無邪気に笑っていた幼少期(あのとき)に戻れるのなら、戻りたい。

 でも、出来ない。出来ないんだ、もう遅いんだ。

 現実逃避しても何も変わらない。

 自分の声や感情が誰かに助けを求められるのなら───と。


 ───そして、無慈悲な時間がこう告げる。


『動かないと、働かないと、食べないと』


 使命感に近い何かが私の隣でそう呟いた。

 それは決して自分の答えなんかではない。

 ましてや自分が選んだ理由ですらない。

 与えられた『結果』で自分が満足しているだけ。

 苦しい、泣きたい、歩きたくない。

 頭の中で浮かぶ景色や風景、人間の顔を見て綺麗な思い出だと言えるのだろうか?


 誰か『が』言った。

『あの人』が言った。

『僕』『私』『俺』がと言ってしまった。


 逃げることは簡単だ。

『自分』ではない『誰か』の責任にすればいい。

 疑われたくない、信じて欲しい。

『自分』がしたわけじゃないと否定する。

 認めて欲しい、許してください。


 選択をするのは正しいことを選ぶこと。

 自分にとって最善の方法だから。

 けれど、後々になって『後悔』を覚える。

 何故か? ────『イフ』を求めてしまうから。

 アルバムから写真を覗き込むように『イフ』を求める。

 集団の中で孤立したくない。

 自分の意見では心細い。

 周りと違う意見で批判されたくない。

 でも、あの時違ったらと思うと─────。


 これ以上、『過去』を思い出す必要はない。

 悔やみすぎて今を絶望感で満たす必要もない。

 私が望んで、私が選んで、私が見たい未来のために。


 私が選んだ自分自身の『保存方法』なのだから。

何かやる気が出ないときは休むとき。

時に立ち止まって一歩後ろに立って考えると冷静になる。


誰かの当たり前は自分の当たり前じゃない。

もし、何か自分に自信がないのなら

自分にとって『譲れないモノ』『原点』『夢』を一つでも持つと不思議と信じられると思います。

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