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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

彼岸花と狐

作者: 優鈴-ゆうり-

ザワザワ

「知ってる?顔なし裕介(ゆうすけ)。」

「うん。一番後ろの窓側にいる奴っしょ?」

「そうそう。前髪が長い奴。」

「それがどうしたの?」

「そいつが髪で顔隠してるのってのっぺらぼうだかららしいよ。」

「えー、マジ?」

ギャル達がクスクスと笑っている。

そんな話題にされるほど、人とは話さない。

学校が終わればすぐ帰る。

そんな僕の唯一の救いは家だ。いや、家に住み着いているこいつ、ぬえのコンだ。

「ただいまー。」

「おかえり。」

「それより聞いてくれよ。今日またギャル達が〜」

鵺はキメラのような姿が有名だが、実際は色んな動物の形がいる。

コンはその中でも希少な狐の鵺だ。

道で倒れていて、僕が拾った。以降恩返しとして一緒に住んで愚痴を聞いてくれる。

今では親友と言っても過言ではない。

「じゃあ前髪切ったら…ってそういうわけにもいかないんだったよな。」

そう。僕が前髪で顔を隠しているのには理由がある。

僕の目は真紅の色をしている。

小中ではそのせいで珍しがられて、嫌だった。

「目を見られたくないからやってるのに、逆効果か…」

「僕にはどうして嫌うのかわからないよ。こんなに綺麗な目なのに...」

「ありがとう。コン。コンと話したら元気出た。頑張るよ。」

「わかった。」

ボソッ「本当に綺麗だよ。食べてしまいたいほど」


ー翌朝。

「そんじゃ、行ってきます。」

「いってらっしゃい。」


ザワザワ

「えー、〇〇と△△は、きてないのか。ギャルなのに、毎日きてたんだがな...まぁ、じゃあ始めるぞ」

「□ー。」


放課後になってから聞いた話だが、〇〇と△△が遺体になって発見されたらしい。

何でも遺体は舌をちぎられて埋められていたらしい。

そこで僕はもしやと思った。あれ...?コンがやった?

思い当たる節はあった。時々コンに話した人物が二日以上一週間以内に行方不明になることがあったからだ。

その度に僕は『いやいや、違うでしょ』と流してきたが、今回は違う。

次の日に死んじゃってんだから。...コンに聞いてみよう。僕はそんなわけないと思いながら帰り道を歩いて行った。


「コン。ただいま。」

「おかえり。...どうしたの?思い詰めたような顔して?」

「コン。もしかして...〇〇と△△殺したのってコン?」

「うん!そうだよ。いつ気づいてもらえるかワクワクしてたんだ!どう?偉い?」

「...それで僕の話してた人たちも殺したの?」

「うん!だって僕だけ見て欲しいの。僕だけ。」

「...コン..?なんか変だよ..?」

「そんな怖がらないでよ。僕何か悪いことした?」

「し、したに決まっているだろ?何で殺したの?」

「だーかーら!僕だけ見てよ。ねぇ、僕だけを。」

「うわぁぁぁぁぁ‼︎」

「何で逃げるの?ねぇなんで?僕何にも悪いことしてないのに?」

「こ、こっちよるなバケモノ!」

「やっぱり君も僕を化け物っていうんだ。そうなんだ。それじゃあ、イタダキマス。」


「お母様の言った通りだ!真紅の目の人間はとっても美味しい!...さて、次は誰かな?」


ーさて狐は化かす。狸も化かす。じゃあ鵺は? そんな鵺はもう、貴方の近くにいるかもですよ。

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